プライマリインデックスとは?インデックスが外れる・検索結果から消える原因と対処法
2022.12.08
「いつのまにかインデックスが外れていた…」という場合、プライマリインデックスとファストインデックスの違いが影響しているかもしれません。今回は、検索結果で表示・消滅を繰り返すインデックトラブルの解決策について解説します。
Googleにインデックスされる仕組み
インデックス(Index)とは、Googleのクローラー(ロボット型検索エンジン)があなたのWebページをネット上で発見し、収集した情報をデータベースに登録・保管することです。
検索結果に表示されるまでの流れ
- クローラーが、あなたのWebページを発見する
- Webページの情報を収集し、データベースに登録・保管する
- 内容を評価し、キーワードごとにランク付けして検索結果に表示する
したがって、どんなに内容が優れていようとgoogleにインデックスされていないWebページは検索結果に表示すらされません。
インデックスの仕組みについては、下記の記事でも詳しく解説しております。
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Indexは2種類に分けられる
Googleのインデックスには、正攻法にあたる「プライマリインデックス」と裏技的な「ファストトラックインデックス」の2種類が存在し、3つの相違点があります。
|
プライマリインデックス |
ファストトラックインデックス |
持続性 |
恒久的 |
一時的 |
インデックスされる速さ |
遅い |
速い |
ページを発見する方法 |
クローラー自らがリンクを辿ってくる |
サイト運営者がURL検査で促進する |
プライマリインデックスとは?
プライマリインデックス(Primary Indexing)とは、「主要な」という単語が名称に含まれている通り、ネット上を巡回しているGoogleクローラーがリンクを辿ってWebページを発見し、URLを正式に登録する最も基本的なインデックス方法です。
成功すると確実に検索結果に表示されるのはもちろん、インデックスされた状態が長期間続くため「恒久的なインデックス」とも呼ばれています。
つまり、安定的かつ継続的にコンテンツを検索結果に表示させるには「プライマリインデックス」を目指すべきなのです。
ただし、プライマリインデックスにはWebページを公開してからインデックスされるまで時間がかかるというデメリットがあり、通常は1~2週間ほど待たなければなりません。
ファストトラックインデックスとは?
ファストトラックインデックス(Fast Track Indexing)とは、Google Search ConsoleのURL検査(旧:Fetch as Google)などを活用し、サイト運営者が意図的に促進することができるインデックス方法です。
プライマリインデックスのように正規の方法ではなく、あえてネット上を巡回しているクローラーを呼び寄せるため、他のWebページよりも優先的にインデックスさせることができます。
ただし、あくまで「仮登録」の状態ですから一時的には検索結果に表示されるものの、プライマリインデックスのような持続性はありません。
インデックス方法は目的に合わせて使い分ける!
プライマリインデックスとファストトラックインデックスは、どちらもメリット・デメリットを併せ持っています。
特徴を把握したうえで、目的に合わせて使い分けましょう。
目的別の使い分け
- プライマリインデックス:急ぎではないが、確実かつ安定的にインデックスさせたい時
- ファストトラックインデックス:急ぎでインデックスさせたい時のみ
ちなみに、GoogleサーチコンソールのURL検査(旧:Fetch as Google)でファストトラックインデックスをリクエストすると、24時間以内に再クロールして貰えます。
ただし、公開してから1~2週間ほど待てる場合は、持続性の高いプライマリインデックスの方が理想的です。
インデックスされないパターンの分類
Googleにインデックス登録されない症状を大きく分類すると、下記の2種類に分けられます。
パターンの分類
- クロールもインデックスもされない
- インデックス登録・解除を繰り返す
中には同一だと誤解されている方も多いようですが、症状によって適切な対処法が異なりますので注意が必要です。
クロールもインデックスもされない
1つ目は、クロールもインデックスもされないケースで、特に下記のタイミングで発生しやすい傾向があります。
該当するタイミング
こちらのケースが悩ましいのは、原因が複数あるうえ対処法が異なるという点です。
中には、「長期間にわたって1度も正式にインデックスされていなかった!」という方も少なくありません。
なお、下記の記事にて9種類の症状別に対処法を詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
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インデックス登録・解除を繰り返す
インデックスに関するトラブルの中でも特に厄介なのが、検索結果の画面上で何度も出現・消滅を繰り返すケースです。
繰り返すインデックストラブル
- 一度はインデックスされて、検索結果に表示される
- インデックスが外れて、検索結果に表示されなくなる
- サーチコンソールのURL検査から、インデックスをリクエストする
- 再度インデックスされて、検索結果に表示される
- 再インデックスが解除されて、また検索結果に表示されなくなる
根本的な原因を解決しなければ、まるで無限ループのように再発してしまいます。
インデックスが外れてしまう主な原因とは?
インデックスが外れる、または登録・解除が繰り返される主な原因として、下記の2点が挙げられます。
インデックスが外れる原因
- 仮登録から正式登録へ移行する際のタイムラグ
- コンテンツ品質がギリギリ及第点だから
仮登録から正式登録へ移行する際のタイムラグ
結論から言うと、インデックス済みのページが検索結果から消えた場合、原因として最も可能性が高いのは「ファストトラックインデックスによる弊害」です。
URL検査によるファストトラックインデックスには、素早く検索結果に表示される即効性という大きなメリットがありますが、あくまで一時的に「仮登録」されている状態に過ぎません
猶予期間が終了するまでに正式な登録、つまりプライマリインデックスが完了しなかった場合は、仮登録が解除されて検索結果から消えてしまうのです。
Googleジョン・ミューラー(John Mueller)氏の見解
下記は、英語版のオフィスアワーで提起された質問です。
質問
Fetch as Google(現:URL検査)で複数のインデックスを送信した結果、一部のURLに限り1度は検索結果に表示されたものの1週間ほどでインデックスが消えたのはナゼか?
上記の質問に対し、Googleのジョン・ミューラー(John Mueller)氏は下記の動画で回答しています。
上記の動画を翻訳し、ポイントをピックアップしてみました。
回答
- この現象は確かに起こりうる
- インデックス送信ツールは、本質的によりインデックス速度を速める
- とはいえ、インデックスが継続するとは限らない
- 即席のファストトラックインデックスから通常のプライマリインデックスに切り替わることもあれば、切り替わらないこともある
- システム上ページに問題がなくても即席モードから通常モードのインデックスに切り替わるまで、一定の時間がかかる
つまり、インデックスが外れてしまう現象は、ファストトラックインデックスからプライマリインデックスへ移行する際のタイムラグが影響していると解釈できます。
ちなみに、プライマリインデックスとファストトラックインデックスという2つの単語は、どちらも正式名称ではないようです。
便宜上、GoogleのJohn Mueller氏が回答する際に使った「現象を表現する呼び名」が、SEO関係者の間で既成事実化しているのでしょう。
コンテンツ品質がギリギリ及第点だから
「検索結果に表示されている=Googleが品質を認めている」とは限りません。
常に上位表示されているコンテンツのようにgoogleから高評価を得ている記事もあれば、ランキングから除外するほどではないが、僅かにボーダーラインを上回っている記事も表示されています。
したがって、より品質の高い記事が新たに投稿されると、「検索結果に表示する価値がない」とみなされてインデックスが解除されてしまうのです。
Googleゲイリー・イリェーシュ(Gary Illyes)氏の見解
コンテンツの品質がインデックス解除に影響している、その根拠となっているのがゲイリー・イリェーシュ(Gary Illyes)氏が投稿したツイートです。
質問
ページが「検索から消える→サーチコンソールからインデックス送信して復活する→また消える」を繰り返すのはなぜか?
上記の質問に対し、ゲイリー・イリェーシュ(Gary Illyes)氏は下記のように回答しています。
回答
- そのページは、元々Googleがインデックスに値するかどうかを判断するボーダーラインに対し、かろうじて合格している状態だった可能性が高い
- Google が新しいURLを発見すると、そのページのインデックスは外れる可能性がある
- ただし、手動のインデック送信によって復活させることは可能
消えたインデックスを復活させる3つの方法
「一度はインデックスされていたのに、いつの間にか解除されていた…」、そんな症状に悩んでいる方は、下記の対処法を試してみましょう。
復活させる方法(おすすめ順)
- 正式登録を促せる「xml」を設置する
- 速さよりも正確性を重視し、プライマリインデックスされやすい状態にする
- 取り急ぎURL検査でインデックスを促進し、仮登録を目指す
ただし、URL検査のように手動で促進しないとインデックスされない状態は、決して正常とは言えません。
たとえ時間をかけてでも、プライマリインデックスされやすい状態にする方が理想的です。
プライマリインデックスの維持&速度アップの方法
ここでは、できるだけ確実かつ速やかにプライマリインデックスさせ、なおかつ継続的にランキング表示させる方法をご紹介します。
プライマリインデックスのコツ
- 「sitemap.xml」を設置する
- 内部リンクを強化する
- 新規投稿・更新の頻度を上げる
- コンテンツの品質を向上させる
「sitemap.xml」を設置する
1つ目は、「sitemap.xml」を設定して正式にクローラーの回遊を促す方法です。
「sitemap.xml」はサイト運営者がコントロールできるインデックの促進方法ですが、プライマリインデックスと同じく正式に登録されるのが最大の強み。
GoogleのWebマスターフォーラムでも、スパム行為が目立つ「URL検査」よりも「sitemap.xml」の方が優先的にインデックスされると発表されています。
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内部リンクを強化する
Googleのクローラーは正式にインデックス登録を行う際、リンクを辿ってコンテンツを発見する仕組みになっています。
そこでおすすめしたいのが、被リンクとは違い管理者側でコントロールできる内部リンクの強化です。
サイト内のリンク網が充実しているほど巡回頻度が上がるのはもちろん、クローラーに対し情報収集しやすい環境を提供することができます。
ちなみに、外部リンクではあるもののアウトバウンドリンク(引用や参考文献など)を増やす行為も、インデックスの促進に効果的です。
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新規投稿・更新の頻度を上げる
そもそも、インデックスを促すには大前提としてクローラーに巡回してもらわなければなりません。
そこでおすすめしたいのが、新規投稿や更新を小まめに行ってクローラーを呼び込む方法です。
新規投稿・更新の頻繁が高いほど、クローラーが巡回してくれる機会を増やすことができます。
コンテンツの品質を向上させる
現時点で検索結果に表示されているからといって、未来永劫インデックスが継続すると確約されている訳ではありません。
まして品質ボーダーラインを僅かに上回っている程度のコンテンツは、いつ検索結果からドロップアウトしても不思議ではないのです。
言い換えれば、仮登録・正式登録を問わず、常にコンテンツの品質を向上させるべく試行錯誤を続けることで、安定的なインデックスを維持できるようになります。
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まとめ
プライマリインデックスは、Googleのデータベースに正式登録される最も理想的なインデックス方法です。
URL検査などのファストトラックインデックスは急場しのぎとしては有効ではあるものの、頼り過ぎるのはおすすめできません。
まずは内部リンクの強化やコンテンツの品質向上といった根本的な問題をクリアし、プライマリインデックスを目指すのが安定的かつ継続的に検索結果に表示させる最善の方法です。
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