2020年8月11日Googleコアアルゴリズムアップデート級の順位変動!原因はインデックス障害

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2020.08.27
2020年8月11日Googleコアアルゴリズムアップデート級の順位変動!原因はインデックス障害

日本時間8月11日の午前中(米国時間8月10日)、Googleでは一見コアアルゴリズムアップデートとも思える大規模な順位変動が発生しました。今回は、発生直後の状況レポートから後にインデックス障害だと判明した経緯まで、Googleスタッフのアナウンスを基に解説します。

2020年8月11日コアアルゴリズムアップデート級の順位変動が発生!

日本時間2020年8月11日、火曜日の早朝(米国時間の8月10日、月曜日の午後1時30分頃)から、Googleの検索順位において大変動が確認されました。

▼検索順位への影響

  • ブランドワード(自社名や製品名)ですら検索順位が下落している
  • 従来、下位表示されていたサイトが上位にランクインしている
  • 検索キーワードと関連性の低いWebサイトが上位表示されている
  • 飲食店を検索すると、全く異なるエリアの店舗が表示される
  • 検索KWを含まないレシピが表示される

上記のような不具合は国や言語、ジャンルを問わず世界規模で観測されたうえ、PCから各種SNSに至るまで広範囲にわたっていました。

しかし、発生直後にGoogleからの公式発表がなかったため、SEOコミュニティでは「コアアルゴリズムアップデートにしては不自然すぎるのでは?」「むしろシステム上のトラブルなのでは?」と様々な憶測が飛び交っていたようです。

原因はインデックス障害と判明!

Googleは3~4ヵ月に1度のペースで毎年3回ほど大規模なコアアルゴリズムアップデートを実施しています。

直近では本年2回目が2020年5月4日に行われていましたので、折しも3ヵ月後というタイミングからコアアルゴリズムアップデートの影響という説が有力視されていました。

しかし、Googleからのアナウンスによって事態は一変!今回の大規模な順位変動は予想されていたコアアルゴリズムアップデートではなく、インデックス障害が原因だったと判明したのです。

ちなみに、今回のようなGoogleによるシステム障害は初めてではありません。

2019年4月27日にも今回と似たような事例が報告されていますので、詳細については下記のコンテンツを参照して下さい。

Googleスタッフの公式アナウンスまとめ!時系列で解説

今回の事象が発生して以降、Googleは様々な窓口からアナウンスを発信しています。

ここでは、Googleスタッフの個人アカウントからのツイート、および公式サイトから発信されたアナウンスを時系列にまとめてみました。

8月11日13時42分:第一報John Mueller氏のツイート

今回の騒動に関する最初のアナウンスは、Googleのウェブマスタートレンドアナリストとして知られるジョン・ミュラー氏からのツイートでした。

同氏は、今回の順位変動が発生した当日の午後、下記のようにリプライしています。

▼ジョン・ミュラー氏ツイートのポイント

  • まだ詳細は不明だが、原因はGoogle側にある
  • すでに問題は修正された

この時点では単なるシステム上の不具合だったと明かしているだけで、詳細についての言及は避けていました。

とはいえ、同氏のリプライによって事態は徐々に終息へ向かい、ほとんどのKWが2020年8月11日15時頃には元の順位へ戻っており、ごく一時的なトラブルだったことが伺えます。

8月12日0時49分:Google Webmasterの公式Twitter

検索順位の大変動が発生した翌日、8月12日の午前1時前にはGoogle Webmastaersの公式アカウントから下記のようにツイートされました。

▼Google Webmastaers公式Twitterのポイント

  • 月曜日に、当社Googleのインデックスシステムに問題が生じたことを検知した
  • この問題により検索順位が変動した
  • すでに原因を特定し、サイト・リアラビティ・エンジニアによって迅速に修復された
  • 現在、トラブルは軽減されている

8月12日1時54分:Gary Illyes氏がカフェインの不具合について言及

公式アカウントからツイートされた約1時間後、Googleスタッフのゲイリー・イリェーシュ氏がTwitter上で3回に分けて詳しく解説してくれました。

▼Gary Illyes氏ツイートの和訳

インデックス作成システムであるカフェインが複数の処理を実行する

  1. fetchlogs を取り込む
  2. 取得したデータをレンダリングして変換する
  3. リンクや metaデータ、構造化データを抽出する
  4. 他にもいくつかのシグナルを抽出し、コンピュータ処理する
  5. 新しいクロールをスケジュールする
  6. 検索結果の配信に用いるインデックスを構築する

上記ツイートに登場するCaffeine(カフェイン)とは、「クローリング・インデックシングのインフラ」を指しています。

Googleでは2010年6月からカフェインを導入しており、それ以降1度に大量のクロール・インデックスが素早く実行されるようになりました。

▼Gary Illyes氏ツイートの和訳(下段)

想定されているほとんどの処理で問題が発生した場合、後続の処理にも何らかの形で現れる。スケジューリングに失敗した場合、クロールが遅くなる可能性がある。レンダリングがうまくいかなければ、ページを適切に理解できないかもしれない。インデックスの構築がうまくいかない場合、ランキングと配信に影響する可能性がある

つまり、通常カフェインが実行している6段階プロセスの内どこかで不具合が生じ、インデックスのデータベースが正常に構築できなかったため、今回の不具合に繋がったと指摘しているのです。

▼Gary Illyes氏ツイートの和訳(下段)

検索を単純にとらえてほしくない。なぜなら、検索は全く単純なモノではないからだ。何千ものシステムが相互に作用し、高品質で関連性がある結果をユーザーに提供している。たった一粒の砂が装置に混入しただけで、昨日のような機能停止が起きてしまうのだ。

順位変動の状況レポート!国内の順位計測ツール2つ

では、今回カフェインの不具合によって発生した順位変動の影響について見てみましょう。

まずは、国内の順位計測ツール2つをピックアップしてみました。

namaz

namazでは、検索順位の不具合が発生した日本時間8月11日よりも、翌日12日の方が大きく影響していたようです。

出典:namaz.jp

サクラサクラボ

サクラサクラボでは、インデックス障害が発生した8月11日に38.82ポイントを記録していました。

出典:サクラサクラボ

順位変動の状況レポート!海外の順位計測ツール5つ

続いて、海外の順位計測ツールについて見てみましょう。

ただし、今回のインデックス障害は米国時間8月10日(月曜日)の午後1時30分頃に発生しています。

日本時間とは異なる点を踏まえたうえで、参照して下さい。

rankranger

発生当日の8月10日より、11日と12日にかけての2日間の方が大きく変動していたようです。

Googleからは短時間で修復が完了したとアナウンスされていましたので、コアアルゴリズムアップデートだと勘違いした人が慌てて対応した2次的な結果かもしれません。

出典:rankranger

UScomSERP Fluctuation

下記の通り、UScomSERP Fluctuationでは他の順位計測ツールよりもカフェインの不具合によるインデックス障害が発生した8月10日当日の影響が大きく現れています。

出典:UScomSERP Fluctuation

moz

mozではインデックス障害が観測された翌日、8月11日の順位変動がピークになっており、その後は急激に終息していたのが分かります。

出典:moz

AccuRanker

AccuRankerの計測データでは、インデックス障害が発生した翌日から翌々日の2日間にかけて検索順位の変動幅が拡大していました。

出典:AccuRanker

Advanced WEB RANKING

下記の通り、Advanced WEB RANKINGでは不具合が発生した2日後の8月12日に順位変動のピークを向かえ、翌13日も影響が残っていたようです。

出典:Advanced WEB RANKING

まとめ

今回の順位変動は、Google内部のミスとも言えるインデック障害が引き起こした不具合でした。とはいえ、過去の事例からホリデーシーズンでの実施が多かったコアアルゴリズムアップデートが行われたと勘違いした方も多かったようです。

どちらにしても、発生直後にパニックを起こさないことが肝要!コアアルゴリズムアップデートであろうとシステム上の不具合であろうと、まずは冷静に状況を見守り、Googleからのアナウンス後に対策を講じても遅くはありません。

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