Googleトレンドとは?基本機能の使い方とSEOに役立つ活用方法
2022.04.25
Googleトレンドとは、無料のオンライン検索ツールです。
初心者でも直観的に使いこなせるシンプルな仕様、新たなキーワードの発掘に適しているなど多くのメリットを備えています。
とはいえ、「Googleキーワードプランナーより劣るのでは?」と誤解されている方も少なくありません。
そこで今回は、GoogleトレンドとGoogleキーワードプランナーとの違い・基本的な使い方・SEO対策に役立つ活用方法について解説します。
Googleトレンドとは?
「Googleトレンド」とは、一定の期間内に「どのようなキーワードやトピックが何回検索されているのか」を確認することができる無料のオンライン検索ツールです。
キーワードやトピックの検索回数を知ることで「トレンド動向」が正確に把握でき、ニーズの高いコンテンツが作成できるようになります。
▼Googleトレンドで分かること
- キーワードやトピックの「検索回数」
- 現時点(リアルタイム)での「人気キーワード」
- 2010年から、または過去1年間などの「検索推移」
- 特定のキーワードで検索した人が検索している「別キーワード」
アカウントを登録する必要がないため、誰もが自由に人気のキーワードを探せる仕組みになっています。
▼Googleトレンドの経緯
- 2006年:試験的に「Google Labs」から提供開始
- 2008年:Google Insights for Searchと統合され、独立したツールとして提供開始
Googleキーワードプランナーとの6つの違い
人気キーワードを探すためのオンライン検索ツールと言えば、真っ先に「Googleキーワードプランナー」を連想する方が多いのではないでしょうか。
「Googleキーワードプランナー」と「Googleトレンド」は何かと混同されがちですが、比較してみると下記の6点で微妙な違いがあるのです。
▼Googleキーワードプランナーとの違い
- 利用条件
- 新たなキーワードの発掘
- 関連キーワードの違い
- 検索ボリュームの違い
- 競合性の違い
- CPC(Google広告のクリック単価)の確認
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利用条件
Googleトレンドは全ての機能が無料で利用でき、なおかつアカウント登録も不要です。
これに対し、Googleキーワードプランナーには下記2つの条件が定められています。
▼Googleキーワードプランナーの利用条件
- Googleアカウントの登録
- Google広告の管理画面へのログイン
さらに 無料で調べられる範囲には限りがあり、より詳細な情報を得るには広告費用を支払わなければなりません。
新たなキーワードの発掘
結論からいうと、新たなキーワードを発掘するにはGoogleキーワードプランナーよりもGoogleトレンドの方が適しています。
Googleキーワードプランナーは「特定のキーワード自体」、あるいは「関連性の高い付随情報」を深掘りする能力には定評があるものの、未知のキーワードを発掘する機能までは備わっていません。
その点、Googleトレンドならまだ自社では思いついていない新たなキーワードをリストアップしてくれるので、下記のような方に選ばれています。
▼Googleトレンドが向いている人
- アイデアが出尽くしており、次の一手が思い浮かばない
- 現状を打開できるキーワードが分からない
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関連キーワードの違い
関連キーワードについて、大まかなトレンド動向が知りたい方にとってはGoogleトレンドが、より詳細な情報を入手するにはGoogleキーワードプランナーの方が適しています。
▼関連キーワードの違い
- Googleキーワードプランナー:競合性・月間検索ボリューム・CPCまで確認できる
- Googleトレンド:「人気」または「注目」別にリストアップされる
ただし、前述した通り新たなキーワードを発掘したい方にはGoogleトレンドの方が有益です。
検索ボリュームの違い
結論から言うと、Googleトレンドでは大まかなトレンド傾向しか調べることができません。
まずは、両者について無料で調べられる範囲を比較してみましょう。
▼無料で分かる範囲
- Googleキーワードプランナー:1万~10万など、「リアルな数値」を基にしたおおよその検索数
- Googleトレンド:チェックできる検索需要は、「相対的な数値(0~100の範囲)」のみ
ただし、Googleキーワードプランナーでは僅かでも広告を出稿している方に限り、正確な検索ボリュームを提供しています。
一方、あくまで費用をかけずに「旬のキーワードを見つけたい!」または「国や地域別のトレンド傾向が知りたい!」という方は、Googleトレンドの方がおすすめです。
ちなみに、Googleトレンドでは相対的な数値が100に近いほど検索需要が高く、0に近いほど低いことを意味しています。
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競合性の違い
同じキーワードで広告を出稿している競合サイトの数が確認できるのは、Googleキーワードプランナーならではの強みです。
ライバルとなるサイトが「高・中・低」の順番でランク表示されるので、広告における競合性というだけでなくSEO全般に活用することができます。
CPC(Google広告のクリック単価)の確認
なぜGoogleキーワードプランナーでCPCの基準値が確認できるのか、その理由はGoogle広告に付随する関連ツールだからです。
一方、Googleトレンドはあくまで単独ツールですから、CPC (Google広告のクリック単価)に関する情報を調査する機能は備わっていません。
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Googleトレンドの基本的な使い方
ここからは、Googleトレンドの基本的な使い方について解説します。
あらかじめGoogleトレンドの公式サイトへアクセスしておきましょう。
▼グラフの見方と基本機能4つ
- 「折れ線グラフ」の見方と特徴
- 「調べる」の使い方
- 「急上昇キーワード」の使い方
- 「Years in Search」の使い方
- 「登録」の使い方
「折れ線グラフ」の見方と特徴
まずは、折れ線グラフの見方と特徴について把握しておきましょう。
▼グラフの見方と特徴
- 検索傾向が時系列で表示される
- 相対評価になっており、最も多く検索された時期が100、少ない時期が0
- 折れ線グラフで同時に比較できるのは、最大5つのキーワードまで
「調べる」の使い方
キーワード検索数の推移を確認したい時に使用するのが、「調べる」という機能です。
①Googleトレンドの公式サイトへアクセスする
②左上の赤枠で囲った三本線のメニューをクリックする
③左サイドメニューから、赤枠で囲った「調べる」をクリックする
④左上の赤枠で囲ってある「検索キーワードを追加」欄をクリックし、調べたいキーワードを入力する
通常の検索機能と同じく、途中まで入力すると候補が表示される仕組みになっています。
⑤検索回数の変動が折れ線グラフで表示される
⑥下段に検索が増加している順に「関連トピック」と「関連キーワード」が表示される
「入力したキーワードを含む単語」だけでなく、「同じ意味を示す単語」も対象となります。
つまり、今回のように「イギリス」と入力した場合、正式名である「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」や略称である「UK」も対象に含まれるのです。
条件を絞り込む方法
Googleトレンドでは、人気度の動向が視覚的に理解しやすいよう、折れ線グラフで表示される仕組みになっていますが、デフォルト設定のままでは十分とは言えません。
そこで、検索ユーザーが「いつ・どこで・どのように」調べているのか、より詳細な状況を把握するために「絞り込み機能」を活用してみましょう。
絞り込み機能は、赤枠で囲ってある「対象国・期間・カテゴリ・検索方法」の4つです。
それぞれがプルダウンメニューになっていますので、必要に応じてカスタマイズしてみましょう。
「急上昇キーワード」の使い方
「急上昇キーワード」とはGoogleトレンドのメイン機能であり、2種類のトレンド傾向を国別で確認できるのが特徴です。
▼急上昇キーワードで確認できるトレンドの種類
- 毎日の検索トレンド:日ごとの「急上昇ワード」と「関連記事」
- リアルタイムの検索トレンド:24時間以内に検索数が急増したキーワードの推移
直近でトラフィックが急上昇している「話題のキーワード」を探したい時に活用してみましょう。
①左サイドメニューから、赤枠で囲った「急上昇ワード」をクリックする
②赤枠の右側で国を指定する
③赤枠で囲っている「毎日の検索トレンド」または「リアルタイムの検索トレンド」を選択する
「Years in Search」の使い方
「Years in Search」とは、過去のランキングについて年間ベースで確認するための機能です。
例題として、2021年に日本で急上昇したキーワードについてリサーチしてみましょう。
①左サイドメニューから、赤枠で囲った「Years in Search:検索で振り返る」をクリックする
②右上の赤枠でリサーチしたい年代を指定する
③緑色の枠で囲ってあるプルダウンメニューから、対象の国を選択する
④結果が、9つのジャンル別に表示される
気になるキーワードを見つけたら、クリックして「推移グラフ・地域・関連トピック・関連キーワード」などを確認してみましょう。
使い方は、前述した「調べる」と同じです。
「登録」の使い方
Googleトレンドに装備されている「登録」とは、あらかじめ自分のメールアドレスを登録しておくだけで、「急上昇キーワード」をはじめ「関心のあるトピック」などもメールで通知してくれる機能です。
ただし、登録機能だけはGoogleアカウント(Gメールアドレス)が必須となるため、あらかじめ取得しておきましょう。
①GoogleアカウントでGoogle Chromeにログインしておく
②左サイドメニューから、赤枠で囲った「登録」をクリックする
③右下の赤枠で囲ってある「+」マークをクリックする
キーワードを1つも登録していなければ下記画面のように「登録はありません」と表示されますが、登録済みのキーワードがあれば一覧表示されます。
④最新情報を入手したい場合は、「急上昇ワード」を選択する
⑤特定のキーワードの動向が知りたい時は、トピック欄にキーワードを入力する
⑥必要に応じて「国」や「頻度」を指定する
⑦メールアドレスを入力し、右下の「登録」ボタンをクリックする
SEO対策として活用する9つの方法
ここからは、Googleトレンドで得た情報をどのようにしてSEO対策に反映させれば良いのか、実践的な活用方法につい解説していきます。
▼Googleトレンドの活用方法
- 「旬のキーワード」を使ったコンテンツ作り
- 複数キーワードの比較
- 関連キーワードから検索者のニーズを知る
- 関連トピックからキーワードの幅を広げる
- 国・地域別に需要の高いキーワードを探す
- 期間を指定して検索推移を調査する
- 急上昇キーワードの対象国を切り替える
- YouTube検索に特化したテーマを見つける
- スクリーンセーバー機能
「旬のキーワード」を使ったコンテンツ作り
Googleトレンドとは、「旬のキーワード」を探すための最強ツールと言っても過言ではありません。
なぜなら今現在、最も多く検索されている人気キーワードを瞬時にランキング形式で表示してくれるからです。
探し方は極シンプルで、前述した「急上昇キーワード」をチェックするだけ。
そもそもGoogleが繰り返しアナウンスしている通り、検索ユーザーは常に「鮮度の高い情報」を求めています。
だからこそGoogleは、より新しいページが上位表示されやすいアルゴリズムを採用しているのでしょう。
つまり、急上昇キーワードを盛り込んだコンテンツ作りそのものが、アクセスアップを目的としたSEO対策に繋がるのです。
特にモバイルユーザーは「時事ネタ」への関心度が高いため、話題を集めているキーワードほどSEO的に大きな武器になります。
複数キーワードの比較
最大5つまでの複数キーワードを同時に比較できるのも、Googleトレンドならではの強みです。
比較する方法は、下記の2種類からお好みで選んで下さい。
▼比較する方法
- 検索窓に全てのキーワードを入力して比較する方法
- 「+比較」にキーワードを追加して比較する方法
複数キーワードの比較は、1つの悩みに対して複数の解決策がある、または類似キーワードの中から最も有効な単語を選びたい時に役立ちます。
検索窓に全てのキーワードを入力して比較する方法
①TOPページの検索窓に、1つ目のキーワードを入力する
②「,」で区切り、2つ目のキーワードを入力する
③エンターを押す、または「虫眼鏡マーク」をクリックする
例題として「ダイエット」と「有酸素運動」を比較してみると、その差は歴然です。
「+比較」にキーワードを追加して比較する方法
①左サイドバーにある「調べる」をクリック
②1つ目のキーワードを入力
③「+比較」に次ぎのキーワードを追加
メインキーワードである「ダイエット」と関連性の高い4種類を追加した結果、最も検索されていたのは「サプリ」という結果でした。
したがって、サイトへの流入を効率良く増やすには「ダイエット+サプリ」の複合キーワードを使ったコンテンツが有効、ということが分かります。
関連キーワードから検索者のニーズを知る
Googleがユーザーファーストを重視している以上、SEO対策として欠かせないのが検索者ニーズの把握です。
その点、Googleトレンドなら特定のキーワードを検索した人が「興味関心を寄せている関連キーワード」までピックアップしてくれます。
例題として、日本における過去90日間の「映画」について調べてみましょう。
①左サイドバーにある「調べる」をクリック
②検索窓に「映画」を入力する
リサーチ結果の最後部にランキングが表示されて、右側に検索回数が多かったキーワードがピックアップされています。
つまり、上位の関連キーワードをテーマにした記事を公開すれば、アクセスアップが見込めるのです。
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関連トピックからキーワードの幅を広げる
キーワードの幅を広げるには、「関連トピック」が大きなヒントになります。
特に下記のような場合は、関連キーワードと同じ手順で関連トピックをチェックしてみましょう。
▼関連トピックが役立つ人
- すでに主要のキーワードを網羅している
- これ以上アイデアが浮かばない
- 別の角度からアプローチするきっかけを見つけたい
- まだ競合サイトが扱っていないテーマで差別化を図りたい
例えば、下記の画像は「ふるさと納税」を調査した結果です。
特定地域のふるさと納税を紹介するだけでなく、関連トピックに表示されている「e-Tax」の手順や「還付金詐欺」の回避方法などを解説した記事を提供することで、自サイトへの集客を増やせる可能性があります。
国・地域別に需要の高いキーワードを探す
特定のキーワードに対して人気が高かったエリアを調べるには、「地域別のインタレスト」が役立ちます。
国別の需要は「世界地図」で、国内の需要は「日本地図」で表示され、検索回数が多かった地域ほど濃い色で表示されるのが共通点です。
ターゲティングの精度を上げたい方は、ぜひ活用してみましょう。
国別の人気キーワードを調査する方法
国別の人気キーワードを調査する際のポイントは、絞り込み条件を「すべての国」のままにすることです。
①左側のサイドバーから「調べる」をクリックする
②検索窓にキーワードを入力する
ちなみに今回は「すべてのカテゴリ」を選択したため、フードだけでなく日用品なども対象に含まれています。
地域別の人気キーワードを調査する方法
一方、国内のどの地域でキーワードが人気だったのかを調べる場合は下記の手順で行います。
国別との最大の違いは、ステップ3です。
①左側のサイドバーから「調べる」をクリックする
②検索窓にキーワードを入力する
③赤枠で囲ってある「すべての国」から「日本」を選択する
④中断の「地域別のインタレスト」が「小区域別のインタレスト」に変化する
下記の通り、「デリバリー」というキーワードが国内で最も多く検索されていたのは東京都、次いで神奈川県が2位という結果になりました。
ちなみに1位の東京都をクリックすると、「三鷹市」や「北区」といったより狭いエリア情報が表示されます。
期間を指定して検索推移を調査する
調査期間を指定する方法は下記の2種類があり、最短「過去1時間」、最長「年単位」で区切って調べられるのが特徴です。
▼期間指定の方法
- 検索窓口の直下に用意されている「過去12ヵ月間」からプルダウンメニューを選択する
- プルダウンメニューの「期間を指定」を使って、特定の日にちだけを対象にする
一定の期間内の検索推移を調査することで、下記のようなSEO効果が見込めます。
▼SEOに役立つケース
- 毎年特定の時期だけ検索回数が増えるクリスマスやハロウィンといった「季節ネタ」を扱う場合、最適なタイミングで公開できる
- 長期的に増加傾向にあるキーワードだけを抽出することで、効率的に集客できる
急上昇キーワードの対象国を切り替える
デフォルトでは対象国が「日本」になっていますが、世界各国のトレンドを表示することも可能です。
①左サイドバーにある「急上昇キーワード」をクリックする
②赤枠で囲ってある「日本」をクリックし、プルダウンメニューから対象国を選ぶ
ハンドメイド作品など、国内で制作したアイテムを個人で輸出したい場合、よりニーズの高い国を選ぶことができます。
YouTube検索に特化したテーマを見つける
Googleトレンドなら、動画制作における話題性の高いトピックを探すことも可能です。
①左サイドバーにある「調べる」をクリック
②キーワードを入力する
③絞り込み機能の「ウェブ検索」から「YouTube検索」を選択する
なお、「急上昇キーワード」に備わっていたYouTube動画の検索機能はすでに廃止されており、2022年時点で利用できるのは「調べる」機能のみとなっています。
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スクリーンセーバー機能
刻々と変化する急上昇キーワードを、カラフルなタイル状のスクリーンセーバーとして設定することができます。
Macの方は「Google Trends – Hot Searches」にアクセスして、ダウンロードしてみましょう。
左上のアイコンをドラックするだけで、何分割で表示させるのか自由に指定することができますが、最大で縦横それぞれ5分割までとなっています。
一方、残念ながらWindowsは対応していないものの、「F11」を使えばスクリーンセーバーのように画面全体に表示させておくことが可能です。
いち早く検索回数が増加しているキーワードが発見できれば、SEO対策を講じるうえで大きなアドバンテージになります。
まとめ
「Googleトレンドとは?」と聞かれると、「Googleキーワードプランナーの簡易版でしょ!」と答える方も少なくありません。
しかし、Googleアカウントを持っていない人でも登録(通知システム)以外の全機能が無料で利用できる、新たなキーワードの発掘に適しているなどGoogleトレンドだけが持つ強みがあるのも事実です。
正確な検索ボリュームが知りたい方は広告費を支払ったうえでGoogleキーワードプランナーを利用する、無料で手間をかけずに最新の検索動向を調べたい方はGoogleトレンドを利用する、といった使い分けが必要となります。
どちらか迷っている方は、両方を併用するのも賢い方法です。
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