E-E-A-T(旧E-A-T)とは?ガイドライン変更に沿った14の対策!
2023.02.06
Google「検索品質評価ガイドラインの更新に伴い、「E-A-T」から「E-E-A-T」へ変更になりました。
そこで今回は、E-A-TとE-E-A-Tの違いを踏まえたうえで、新に追加されたExperience(経験)の詳細やサイト運営者が行うべき14の対策についてご紹介します。
「E-A-T」から「E-E-A-T」へ変更
2022年12月15日(日本時間12月16日)、Googleは「検索品質評価ガイドライン (General Guidelines)」を更新し、従来のE-A-TにExpertise(専門性)という要素を加えて「E-E-A-T」に変更したとアナウンスしています。
▼旧E-A-Tの構成要素
- E:Expertise(専門性)
- A:Authoritativeness(権威性)
- T:Trustworthiness(信頼性)
これに対し、改定されたE-E-A-Tの構成要素は下記4つです。
なお、日本語名称は「イーイーエーティー」ではなく、正しくは「ダブルイーエーティー」と読みます。
▼新E-E-A-T の構成要素
- E:Experience(経験)
- E:Expertise(専門性)
- A:Authoritativeness(権威性)
- T:Trust(信頼性)
このアナウンスはGoogle検索セントラルのTwitter公式アカウントでもツイートされていました。
E-A-TとE-E-A-Tの違いとは?
「E-A-T」と「E-E-A-T」の主な違いは、下記の3点です。
▼変更点
- Experience(経験)が追加され、構成要素が3つから4つに増えた
- 意味が同じだが、Trustworthiness(信頼性)の英語表記が「Trust」になった
- 各要素の重要性は並列だったが、Trust(信頼性)こそが最も重要だと位置づけられた
なお、3番については「Googleの公式見解」の章で改めて解説します。
E-E-A-T(ダブルイーエーティー)とは?
E-E-A-T(旧E-A-T)とは、GoogleがWebサイトおよびコンテンツを評価する際に用いている「評価基準」の1種です。
その内容はGoogleの検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)で定義されており、下記4つの要素で構成されています。
ここからは、4つの構成要素それぞれについて個別に見ていきましょう。
▼E-E-A-Tの構成要素
- Experience(経験)とは?
- Expertise(専門性)とは?
- Authoritativeness(権威性)とは?
- Trust(信頼性)とは?
Experience(経験)とは?
E-E-A-TのExperience(経験)とは、コンテンツの作成者が対象のトピックについて実際に経験した事柄、つまり「実体験」や「経験値」を指しています。
2022年12月15日(太平洋時間)にE-A-TからE-E-A-Tへ変更になった際、新たに追加されました。
改定後のGoogle検索品質評価ガイドラインには、Experience(経験)の理解に役立つ情報が掲載されています。
出展:Google検索品質評価ガイドラインP26
上記を要約してみると、検索ユーザーにとっても上位化を目指すSEO担当者にとっても、いかにExperience(経験)が重要なのかが分かります。
▼ポイント
- コンテンツ作成者が必要な人生経験を、どの程度持っているか検討してください
- 通常、経験豊富な人が作成したページは信頼性が高く、その目的は十分に達成される
- 実際に商品を使用したことがある人のレビューと使ったことがない人のレビューなら、どちらが信頼できますか?
評価の高いExperienceの一例
- 商品を使った経験
- サービスを利用した経験
- その場所に行った経験
- その業界で働いた経験
- 問題を解決した経験
- 成果を向上させた経験
Expertise(専門性)とは?
E-E-A-TのExpertise(専門性)とは、そのトピックに対する理解の深さが問われる指標で、詳細かつ専門的に述べられているコンテンツほど高く評価されます。
たとえ資格を持っていなくても、独自の経験や正確な情報をコンテンツにしっかりと盛り込むことで専門性のある記事を作成することは可能です。
Googleは検索品質評価ガイドライン上でExpertise(専門性)に関するヒントを発信していますので、日本語でポイントをまとめてみました。
出展:Google検索品質評価ガイドラインP26
▼ポイント
- コンテンツの作成者が、そのトピックについてどの程度の知識やスキルを持っているか考えてください
- 信頼に足る専門知識のレベルや種類は、トピックごとに異なる
- 家庭用電気配線の再配線について、熟練した電気技士からのアドバイスとアンティーク愛好家のアドバイスなら、どちらを信用しますか?
評価の高いExpertiseの一例
- Webサイト全体のテーマが統一されている
- 専門情報が網羅されている
- 最新の情報に更新されている
- 問題解決に繋がる
Authoritativeness(権威性)とは?
E-E-A-TのAuthoritativeness(権威性)とは、制作者またはコンテンツやWebサイト自体が、第三者から価値を認められているかどうかを評価する指標です。
たとえコンテンツを作成した当人に権威性がなくても、その分野の第一人者として知られている専門家や有資格者が監修している、または読んでいる多くのユーザーから支持されている場合は、権威性のある記事と言えるでしょう。
Authoritativeness(権威性)についても、ガイドラインに新たなコメントが追記されています。
出展:Google検索品質評価ガイドラインP26
▼ポイント
- コンテンツやWebサイトの作成者が、そのトピックの信頼できる情報源として認知されている人物かどうかを考えてください。
- 通常、特定のトピックに対し公式かつ権威ある作成者は、信頼できる情報源です
- SNSのローカルビジネスプロフィールページは、信頼に足る情報を持っている可能性がある
- パスポート取得に関する政府の公式ページは、パスポートを更新したい人にとって信頼できる情報源です
評価の高いAuthoritativenessの一例
- 医師が運営している医療サイト
- 弁護士が執筆した法律コラム
- 100万人がフォローしているSNS
- 第一人者が運営しているサイトで紹介されている被リンクやサイテーション
Trust(信頼性)とは?
E-E-A-TのTrust(信頼性)とは、コンテンツやWebサイトに含まれている情報、および作成者の正確性・信憑性・安全性などを評価する指標です。
とくに昨今では、フェイクニュースがSNSなどを通して事実のように拡散されることも増えてきました。
ユーザーに「この情報は信用できる!」と認めてもらうには、コンテンツに含まれている情報の裏付けとして正確かつ客観的な根拠を示し、なおかつWebサイトの安全性が保たれていなければなりません。
評価の高いTrustの一例
- コピーや模倣された箇所がなく、オリジナル性が高い
- 専門家ならではの意見や見解が加えられている
- ファクト元として、公的機関のサイテーションが記載されている
- WebサイトがSSL化(HTTPS)されている
- 運営者のプロフィール、企業情報、利用規約などが明記されている
Googleの公式見解
ここからは、E-E-A-Tに関するGoogleの公式見解についてご紹介します。
▼Googleの公式見解
- Trustは他の要素よりも重要
- ランキングの直接要因ではないがSEOには有効
- E-E-A-TはYMYL系のサイトに必須
Trustは他の要素よりも重要
改定前のE-A-T では、専門性・権威性・信頼性に優劣はありませんでした。
一方、改定後のGoogle検索品質評価ガイドラインに掲載されている上記のイラストを見てわかる通り、E-E-A-Tにおける最も重要な要素は「信頼性」だと明言しています。
つまり、Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)の3要素は、すべてTrust(信頼性)の土台になっているのです。
Trust is the most important member of the E-E-A-T family because untrustworthy pages have low E-E-A-T no matter how Experienced, Expert, or Authoritative they may seem. For example, a financial scam is untrustworthy, even if the content creator is a highly experienced and expert scammer who is considered the go-to on running scams!
引用:Google検索品質評価ガイドラインP27
ガイドラインの上記コメントを日本語で要約すると、下記のようになります。
▼ポイント
- 信頼は E-E-A-T ファミリーの最も重要なメンバー
- 信頼できないページは、たとえ経験・専門性・権威性を備えているように見えても、実はE-E-A-T が低い
- 金融詐欺を目的に作られたコンテンツは、たとえ経験豊富で熟練した詐欺師が作成者であっても信頼できない
ランキングの直接要因ではないがSEOには有効
そもそもE-E-A-Tはアルゴリズムではなく、あくまでコンテンツの質を評価する際に用いる基準です。
したがって、E-E-A-Tを極めたからと言って必ずしも上位化できる訳ではありません。
Googleは「E-E-A-Tを満たしている=ユーザーにとって有益なコンテンツ」と位置付けていますので、間接的なSEO効果があるのは周知の事実です。
E-E-A-T 自体はランキングに直接影響する要因ではありませんが、E-E-A-T が優れているコンテンツを特定できる要素の組み合わせを使用することは有効です。
引用:Google検索セントラル E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて
E-E-A-TはYMYL系のサイトに必須
Googleが公式に言及している通り、E-E-A-Tの向上はYMYLを扱っているWebサイトにとって必須のSEO対策です。
Google のシステムでは、人の健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピックについては、E-E-A-T が優れたコンテンツを特に重視します。Google はこうしたトピックを「Your Money or Your Life」、または略して YMYL と呼びます。
引用:Google検索セントラル E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて
つまり、「お金」と「人生」に影響を与えるトピックを扱っているYMYL系の情報およびアドバイスは、本来プロである専門家から提供されるべきなのです。
E-E-A-Tの基準を満たすことで、自動的に優れたYMYL系のコンテンツが完成します。
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E-E-A-Tの評価を上げる14の対策
大前提として、E-E-A-Tの評価を向上させる絶対的な対策は存在しません。
なぜなら、GoogleはアルゴリズムではないE-E-A-Tに対し、固有のスコアを設けていないから。
ただし、下記でご紹介する対策によってユーザーから信用されるWebサイト、およびコンテンツを作ることは可能です。
▼E-E-A-T対策
- 専門的な1つのテーマに特化したサイト作り
- 構造化データを活用する
- SSL化(HTTPS化)する
- サイト運営者・著者情報を充実させる
- whois情報を公開する
- 記事にオリジナルの一次情報を盛り込む
- 経験・体験に基づいた情報を提供する
- 更新して常に最新情報を提供する
- 記事の公開日・更新日を明示する
- 引用・参照・出展は公的機関やオフィシャル情報を使う
- ブランディングで指名検索を増やす
- SNSを活用してサイテーションや被リンクを獲得する
- Googleマイビジネスに登録する
- Googleマイビジネスで口コミに返信する
専門的な1つのテーマに特化したサイト作り
Expertise(専門性)の章で解説した通り、専門的な1つのテーマに特化したWebサイトは、E-E-A-Tにおいて高く評価されます。
たとえば、病院が運営しているWebサイトにアクセスするユーザーは、医療に関する情報を求めています。
にもかかわらず、院長が趣味で行っている仮想通貨の儲け方を解説したページが掲載されていたら、不信がられるのも当然です。
誰が見ても「○○の専門サイト」だと一目でわかるよう、Webサイトのテーマは1つだけに絞りましょう。
構造化データを活用する
なぜ構造化データの活用がE-E-A-Tの向上に繋がるのか、その理由は下記のようなメリットがあるからです。
▼メリット
- コーポレートサイトとスタッフブログなど、自社が運営する関連サイト同士を紐づけることができる
- 検索エンジンにE-E-A-Tの改善に役立つ情報(組織名・運営者名・著者・監修者・引用元など)が伝わる
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SSL化(HTTPS化)する
ブラウザとサーバー間の通信を暗号化するSSL化(HTTPS化)は、個人情報を扱うWebサイトにとって安全対策の基本です。
だからこそGoogleは、SSL化によってユーザー体験(UX)を向上させるよう、推奨しているのでしょう。
ユーザーに「このサイト信頼できる!」と思ってもらうには、何より安全性が担保されていなければなりません。
安全性が担保されていなWebサイトは、E-E-A-Tで最も重視されているTrust(信頼性)で赤点を取るようなものです。
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サイト運営者・著者情報を充実させる
「誰が情報を発信しているのか」を重視しているのは、ユーザーだけではありません。
検索エンジンも発信者によって情報の信憑性を判断しているのです。
ユーザーと検索エンジンの両方から信頼が得られるよう、下記の対策を講じておきましょう。
▼サイト運営者・著者情報を充実させる方法
- 固定ナビに、運営者情報へのアクセスボタンを設ける
- 問合せフォームなど、サイト運営者との連絡手段を設ける
- 著者プロフィールに、実績や経歴を加える
- コンテンツごとに著者情報エリアを設ける
- 記事ごとに監修者のプロフィールを記載する
- SNSにもプロフィールを掲載する
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whois情報を公開する
whois情報とは、IPアドレスやドメインを契約している「登録者情報」のことです。
▼whois情報の主な項目
- ドメイン名
- ドメイン名の登録年月日
- ドメイン名の有効期限
- ドメイン名登録者の名前や住所
whois情報を公開しているWebサイトは、ユーザーに安心感を与えます。
記事にオリジナルの一次情報を盛り込む
他サイトからのコピペは論外ですが、ありきたりな情報を切り張りしただけの「まとめ記事」も、E-E-A-T的に落第点です。
目指すべきは、専門家ならではの主張やアドバイス、独自データなどの一次情報を盛り込んだコンテンツ作り。
上記のような高品質コンテンツは、ライバルである競合サイトから外部リンクを張られるケースも少なくありません。
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経験・体験に基づいた情報を提供する
前述した通り、E-A-TからE-E-A-Tへ変更になり、新たにExperience(経験)が追加されました。
Googleは、あえて追加するほど「経験・体験に基づいた情報」がユーザーにとって有益だと判断したのでしょう。
ポイントは、「自分にしか書けない情報」を発信できるかどうか。
商品を選ぶ際、多くのユーザーが購入者のレビューを参考にしています。
つまり、「経験・体験に基づいた情報=信用できる情報」と判断している人が多数派なのです。
更新して常に最新情報を提供する
ユーザーがコンテンツにアクセスした際、一昔前の古い情報しか記載されていなければ、専門性が疑われるばかりか「このサイトは役に立たない!」と思われても文句は言えません。
たとえば、E-E-A-Tに変更になっているのに半年たってもE-A-Tについて解説しているコンテンツが残っているのは、SEO対策サイトとしてプロとは言えないでしょう。
Googleはコンテンツの更新頻度についてベストプラクティスを発信していませんが、ユーザーの信頼を勝ち取るには常に最新情報を提供しなければなりません。
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記事の公開日・更新日を明示する
最新情報か古い情報か、ユーザーが一目でわかるように記事の公開日や更新日を明示しておきましょう。
とくに鮮度が求められるニュース、定期的に情報が変化するイベント情報などを扱うサイトでは、Trust(信頼性)の審議に関わります。
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引用・参照・出展は公的機関やオフィシャル情報を使う
資格も持っていないし専門職にも就いていない、そんな素人でもExperience(経験)に特化したコンテンツを作成すれば、ある程度の信頼は得られます。
とはいえ、発信している情報が同じであれば、素人よりも専門家が書いた記事の方が信用されるのも事実。
だからこそ、コンテンツ内に引用・参照・出展を設定する際は、公的機関やオフィシャル情報を使いましょう。
子育てサイトなら厚生労働省が公開している出生率を、ECサイトならブランドの公式サイトでアナウンスされている新商品の押しポイントを引用することで、信憑性が飛躍的に向上します。
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ブランディングで指名検索を増やす
権威性(Authoritativeness)に直結する社会的認知度は、ブランディングで向上します。
ブランディングとは、企業・ブランド・商品・サービス・人材などの価値を高めるための取り組みのこと。
「○○の情報収集ならこのサイト!」と認識してもらえれば、指名検索が増え、さらに権威性が高まります。
SNSを活用してサイテーションや被リンクを獲得する
特別な資格を持っていない素人でも、社会的知名度が高ければ権威性(Authoritativeness)を伴います。
ただの一般人だったインフルエンサーやYouTuberが、登録者数が増えるにつれて業界の第一人者として認知されるようになった、というケースも珍しくありません。
つまり、SNSはWebサイトの運営者にとっても、サイテーション(ネット上で話題になっている状態)や被リンク(外部リンク)を獲得する絶好のツールなのです。
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Googleマイビジネスに登録する
実店舗や事務所を構えている方がGoogleマイビジネスに登録すると、下記のようなメリットが得られます。
▼メリット
- 「実在する企業」だと証明できる
- 企業概要やビジネス情報を、正確に表示できる
- ユーザーをWebサイトに誘導できる
- Googleマップやローカル検索からの集客が見込める
- 口コミを通してユーザーと直接やりとりできる
権威性・信頼性の向上に繋がるだけでなく、集客効果も大いに期待できます。
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Googleマイビジネスで口コミに返信する
ユーザーに信用してもらうには、直接やりとりするのが一番の近道。
そこで注目したいのが、Googleマイビジネスに備わっている口コミ機能です。
ユーザーから投稿された口コミには、積極的に返信しましょう。
たとえクレームであっても誠意をもって対応することで、ユーザー満足度が改善します。
対応後「すぐに商品を交換してくれた!」「便利な使い方を教えてくれた!」といったポジティブな口コミが再投稿されれば、他のユーザーからも信頼が得られるでしょう。
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まとめ
Webサイトを運営していると、どうしても検索エンジンを攻略するためのSEO対策に偏りがち。
しかし、なにより優先すべきは「ユーザーの満足度」です。
だからこそ、Googleは不確かで信用できない情報によってユーザーが不利益を被らないよう、「E-A-T」から「E-E-A-T」へ改正したのでしょう。
E-E-A-Tを構成しているExperience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trust(信頼性)をすべて満たしてこそ、「ユーザーにとって役立つ情報」と言えるのです。
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