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2019年に新しいタイプの「How-toリッチリザルト」が登場し、今後は記述する機会が増えそうな「構造化データ」。そんな構造化データについてGoogleのジョン・ミューラー氏が、2020年1月31日に「より難しくなる」と予測しています。サイト運営者にとって「専門的」から「必須要素」へと変化した構造化データですが、もともと様々な記述方法があるうえGoogleがサポート終了を予告している書き方もあり、さらに混乱しやすい状況になりそうです。難易度が上がる前に、一度おさらいしておきましょう。
目次
構造化データとは、検索エンジンでもWebページに書かれている情報が正確に理解できるよう、HTMLに「意味」を付加(マークアップ)することを指しています。
そもそも検索エンジンは、テキストに書かれている意味を人間のように理解することができません。
例えば、テキストに「りんご」と書かれている場合、人間なら「赤くて丸い果物」というだけでなく、味や歯応えまで理解できます。
一方、そこまで詳しく検索エンジンに理解させるには「色・形・味」といった物事を定義するコードをヒントとして与える必要があり、この役目を担っているのが構造化データなのです。
構造化データでは、「ボキャブラリー」によって物事を定義し、「シンタックス」と呼ばれる記述方式によって専用のコードをHTMLにマークアップします。
ボキャブラリーとは、物事を定義するために使われる「単語辞典」のようなモノです。
例えば、schema.orgのコード一覧にある通り「birthDate」が付いていれば生年月日だと、「Person」が付いていれば人物だと検索エンジンが簡単に理解できるようになります。
通常、構造化データとボキャブラリーは同じような意味合いで扱われており、2020年2月時点でGoogleが認識できる種類は下記の通りです。
▼Googleが認識できる構造化データ(ボキャブラリー)の種類
ただし、後述しますが2020年2月時点でGoogleがサポートしているボキャブラリーは「schema.org」と「data-Vocabulary.org」の2種類で、さらに今後は「schema.org」のみとなる見通しです。
一方、シンタックスの種類は下記の3種類です。ボキャブラリーと混同されがちですが、あくまで一定のルールに従ってマークアップするための「記述方式」または「書き方」を指しています。
▼シンタックスの種類
ちなみに、schema.orgが推進している「microdata」のHTML記述例については下記の記事を参考にして下さい。
▼関連記事
Googleのジョン・ミューラー(John Mueller)氏は2020年1月31日に開催されたWebmaster Central office-hoursに参加し、構造化データの今後について言及しました。
上記の動画を要約したうえで、2つの側面から注目すべきポイントをピックアップしてみました。
▼構造化データの将来について
つまり同氏は、構造化データは今よりも「複雑」かつ「難しく」なり、簡単に扱えるようになるとは考えにくい、と予測しているのです。
▼進化する構造化データの対処法
同氏は、「いずれは、機械知能が自動的にテキストの意図まで理解できるようになる可能性はある」と前置きしつつ、「わずか数年でそこまで進化するとは思えない」と述べています。
少なくとも2020年から数年間は、Web制作者それぞれが徐々に難しくなっていく構造化データに対処する必要がありそうです。
もちろん、構造化データの自動生成ツールやデフォルト実装のCMSテンプレートなどを活用するのも有効な手段ですが、やはり理想としてはSEOのスキルとしてJSON-LDをマスターしておくべきでしょう。
リッチリザルトは構造化データの代表的なメリットであり、「data-vocabulary.org」というボキャブラリーが推奨されていました。
しかし、Googleは公式サイト上でリッチリザルトに対するdata-vocabularyのサポートを終了すると告知していますので、今後は「schema.org」のみがGoogleのサポート対象となります。
2020年4月6日以降、data-vocabulary.org マークアップは Google のリッチリザルト機能に対して無効になります。2020年4月6日以降、リッチリザルトに対して有効にするには、data-vocabulary.org マークアップを schema.org マークアップに置き換えてください。
引用元:Google公式サイト
Googleは期限までにschema.orgへの置き換えが間に合うよう、data-vocabulary.orgを使用しているページごとにサーチコンソールから警告を出しています。
ボキャブラリーの変換に伴うHTMLの具体的な記述方法については、Googleウェブマスターセントラルブログを参照して下さい。
ちなみに、以前はリッチスニペットとも呼ばれていたリッチリザルトですが、2019年9月からは日本のGoogleモバイルでも検索結果に表示されるようになりました。
新しくなった「How-to リッチリザルト」については、下記の記事で詳しく解説しています。
▼関連記事
Googleがサポートしている構造化データのシンタックスは下記の3種類で、どれを選んでもリッチリザルトを表示させることができます。
▼シンタックスの種類と特徴
ただし、「JSON-LD」にはGoogleから唯一推奨されている、各HTMLごとにマークアップする必要がないという2大メリットがあります。
ここでは、「schema.org」ボキャブラリーと「JSON-LD」シンタックスを組み合わせた、パンくずリストのHTML記述例をご紹介します。
▼基本のHTML
<ol> <li> <a href="サイトTOPページのURL">サイト名</a> </li> <li> <a href="第2階層のURL">第2階層のページタイトル</a> </li> </ol>
続いて、下記のポイントを踏まえて構造化データへと書き換えてみましょう。
また、「:」の左側に@idやnameなどのkeyを、右側にURLやページタイトルなどのvalueをセットで記述するのもJSON-LDの特徴です。
▼構造化データのHTML
<script type="application/ld+json"> { "@context": "http://schema.org", "@type": "BreadcrumbList", "itemListElement": [ { "@type": "ListItem", "position": 1, "item": { "@id": "サイトTOPページのURL", "name": "サイト名" } }, { "@type": "ListItem", "position": 2, "item": { "@id": "第2階層のURL", "name": "第2階層のページタイトル" } } ] } </script>
構造化データをマークアップしても、ルール通りに記述していなければ正しく表示されません。
正しく記述できているか、Googleの構造化データテストツールで検証してみましょう。
WebサイトのURLを入力して「URLをテスト」をクリックするだけで、構造化データの有効性が簡単に確認できます。
残念ながら、構造化データをマークアップしたからといって、検索順位が急上昇するような直接的なSEO効果は見込めません。
とはいえ、適切な構造化データによってクローラビリティが促進されるだけでなく、リッチリザルトからの流入が増える可能性も高まります。
今後、さらに難しくなると予想される構造化データだからこそ、トラブルシューティングに備えてマークアップ方法を習得しておきましょう。