中古ドメインのSEO効果とは?メリット・デメリット・料金相場・選び方を解説
2021.06.07
なぜ中古ドメインはSEO効果が高いと評価されているのでしょうか。そこで本記事では、新規ドメインとの違いを踏まえたうで、メリット・デメリット・料金相場・失敗しない選び方などについて解説します。
そもそも「ドメイン」とは?
ドメインとは、コンピュータが理解しやすいよう「123.45.67.89」といった数値の羅列で構成されたIPアドレスを、人間が見分けやすい文字に置き換えた「インターネット上の住所」です。
「どこにWebサイトが存在しているか」を判別するための情報ですから、中古・新規を問わず100%同一のドメインは存在しません。
ちなみに、ドメインはWebサイトのURLだけでなくメールアドレス内にも含まれています。
▼ドメインの該当箇所
- WebサイトのURL:「https://pecopla.net」の「pecopla.net」部分
- メールアドレス:「info@ pecopla.net」の「pecopla.net」部分
ドメインの種類と特徴
ドメインを大きく分類すると、下記の4種類に分けられます。
▼ドメインの種類
- トップレベルドメイン:ドメインの最後に表記する「.com」や「.net」など
- セカンドレベルドメイン:企業が用いる「.co.jp」や政府系機関が用いる「.go.jp」など
- 独自ドメイン:独自で作成し、ドメイン販売サイトから購入したもの
- サブドメイン:本サイトから分岐したブログサイトなどに使用するドメイン
各ドメインとSEOの関係については、下記のコラムでも詳しく解説しておりますので参考にしてください。
「中古ドメイン」と「新規ドメイン」の違いとは?
ドメインは、運用履歴の有無によってオールドドメインと呼ばれる「中古ドメイン」と「新規ドメイン」の2種類に分けられます。
▼中古ドメインと新規ドメインの違い
- 中古ドメイン:過去に他サイトで運用履歴があり、前所有者が手放したドメイン
- 新規ドメイン:過去に他サイトで運用履歴がなく、新たに発行されたドメイン
運営していたサイトを閉鎖した、またはサイト名の変更に伴い新しいドメインに切り替えた場合、ほとんどの方が既存のドメインを解約します。
しかし、SEO効果が優れている場合は中古ドメインとして高値で売却することも出来るのです。
「中古ドメイン」と「新規ドメイン」の料金相場は?
新規ドメインの料金は「トップレベルドメイン」によって異なるものの、1年目であれば1円から、2年目以降は1,500円~3,000円ほどが相場です。
一方、中古ドメインの料金はトップレベルドメインというよりも、過去の運用履歴によって生じた「SEOに有利な付加価値」によって左右されます。
そのため、年間料金は6,000円ほど~10万円を超える高値までと幅広く、相場はあってないようなモノです。
中古ドメインのSEO的メリット4つ
新規ドメインよりも高額にもかかわらず、なぜ多くのWebサイトが中古ドメインを利用しているのでしょうか。
その理由は、中古ドメインには新規ドメインにはないSEOに有利な付加価値、すなわち「ドメインパワー」が備わっているからです。
ここからは、中古ドメイン(別名:オールドドメイン)を使用することで得られるSEO効果について解説します。
▼中古ドメインのSEO的メリット
- 前所有者が取得からの「ドメインエイジ」が引き継がれる
- Googleにインデックスされるスピードが速い
- ページランクの実績が引き継がれる
- 被リンク(バックリンク資産)が引き継がれる
前所有者が取得してからの「ドメインエイジ」が引き継がれる
ドメインエイジが長いほど「長年ユーザーに支持されている信頼性の高いWebサイト」と評価される可能性があるため、SEOにおいても有利に働きます。
ただし、単純にドメインエイジが長くてもユーザーおよびGoogleからの評価自体が低ければ、SEO効果は期待できません。
なお、ドメインエイジの優位性については下記のコラムを参照してください。
Googleにインデックスされるスピードが速い
Googleをはじめとする検索エンジンにインデックスされるスピードが速いのも、中古ドメインならではのSEO効果です。
中古ドメインには、前の所有者が管理していた期間のクロール履歴が残っています。
つまり、すでにクローラーがWebサイトの存在自体を認知しているため、インデックスされやすくランキング結果にも素早く反映されるのです。
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ページランクの実績が引き継がれる
新規ドメインを使用した場合、たとえどんなに優れた内容であっても自サイトを公開してから上位表示されるまで6カ月ほどはかかります。
なぜなら、内容云々の前にWebサイトの存在自体がクローラーに認知されるまで、ある程度の時間がかかるからです。
これに対し、中古ドメインを使用した場合はWebサイト全体および各ページに対する「過去のページランク」が引き継がれます。
したがって、過去のページランクが優秀だった中古ドメインであれば、自サイトを立ち上げた直後でも上位表示される可能性が高いのです。
ただし、過去のページランクが低かった場合は芳しくない実績がそのまま引き継がれてしまい、SEOにとっては逆効果となります。
被リンク(バックリンク資産)が引き継がれる
被リンクの多さは、バックリンク資産とも呼ばれるほどWebサイトの価値を左右する重要な要素です。
だからこそ、GoogleもWebサイトの評価指標として被リンクの数と質を重視しているのでしょう。
とは言え、立ち上げたばかりのWebサイトが有望な被リンクを獲得するには、まず専門家や同業者から信用を勝ち取らなければなりません。
その点、中古ドメインなら過去の管理者が取得していた被リンク(バックリンク資産)をそのまま引き継ぐことができるため、新規サイトでは得られないSEO効果を発揮してくれるのです。
中古ドメインのSEO的デメリット4つ
中古ドメインは何かとメリットばかりが注目されがちですが、残念ながらSEOに関するデメリットも存在します。
ここからは、中古ドメインを購入する前に押さえておきたいデメリットについて取り上げてみましょう。
▼中古ドメインのSEO的デメリット
- 低品質な被リンクも引き継がれてしまう
- 低品質コンテンツの公開履歴が残る
- ペナルティが引き継がれてしまう
- オリジナルのURLが取得できない
低品質な被リンクも引き継がれてしまう
権威性の高い専門サイトからの被リンクが引き継がれた場合、絶大なSEO効果が期待できます。
ただし、中古ドメインの被リンクはその品質を問わず引き継がれます。
悪意のあるダミーリンクやネガティブな評価を下している同業者からの被リンクが大量に引き継がれた場合、SEOにネガティブな影響を受けてしまうのです。
場合によってはGoogleのペナルティ対象になる可能性もあるため、購入前に必ずリサーチしておきましょう。
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低品質コンテンツの公開履歴が残る
コンテンツ品質は、Webサイト全体の評価に影響します。
特にコピーコンテンツや内容の薄いページ、無関係のテーマが混在している記事などはGoogleから「ユーザーに不利益を与える低品質コンテンツ」とみなされるため、高評価は期待できません。
ここで問題となるのが、コンテンツの公開履歴です。
前管理者が低品質のコンテンツを公開していた場合、評価の低い実績がWebサイトに紐づく中古ドメインにも残ってしまいます。
ペナルティが引き継がれてしまう
ペナルティ実績が引き継がれるのも、中古ドメインの代表的なデメリットです。
過去にGoogleからペナルティを受けた中古ドメインを購入した場合、最初からSEOのハンデを背負うようなモノ。
中古ドメインを購入する際は、必ずペナルティの有無を確認しておかなければなりません。
オリジナルのURLが取得できない
新規ドメインとは違い、中古ドメインには必ず過去に運用履歴があります。
誰かが使用していたドメインを使い回すため、新規ドメインのようにオリジナルのURLを取得することはできません。
ドメインにサイト名を入れたい、テーマを表す単語を自由に組み合わせたいという場合、中古ドメインは不向きと言えるでしょう。
新規ドメインのSEO的メリット・デメリット
新規ドメインは独自ドメインとも呼ばれている通り、オリジナリティを表現できることが最大のメリット。
他の人が使っていなければ、サイト名やテーマと関連性の深い文字を含めることも可能です。
その反面、ドメイン年齢が若いためGoogleに認知されてSEO効果が得られるまで時間がかかるというデメリットがあります。
新規ドメインを取得した場合、SEO効果が現れるまで半年~1年ほどかかると思っておいた方が良いでしょう。
中古ドメインのSEO効果は?
結論から言うと、中古ドメインのSEO効果は「過去の実績」と「自サイトとの相性」によって左右されます。
つまり、過去の実績が高く評価されており、なおかつ自サイトと同じテーマを扱っていた中古ドメインであれば、SEO効果も大いに期待できるのです。
中古ドメインの選び方
SEOの観点から中古ドメインを選ぶ場合、「品質」と「相性」に分けて厳選すると効率的です。
▼品質で選ぶ際のポイント
- ドメインエイジが3年以上、10年未満
- ドメインパワーのスコアが40以上
- 高品質の被リンクが多い
- ペナルティや警告を受けていない
- アダルトサイト、スパムサイト、犯罪に関わるサイトでの運用履歴がない
一方、SEO効果の高い中古ドメインを自サイトとの相性で選ぶ際には、下記のような優先順位があります。
▼相性で選ぶ際の優先順位
- 自サイトと同じテーマ、ジャンルを扱っていたサイトで使用していた中古ドメイン
- ジャンルは一致しているが、サイト名やブランド名が含まれていない中古ドメイン
- テーマは完全に一致しないが、関連性が高い又は汎用性のある中古ドメイン
- サテライトサイト用として活用できる中古ドメイン
中古ドメインの調査方法
出展:Wayback Machine
Wayback Machine(ウェイバックマシン)は、無料かつ登録不要で過去サイトの状況を調査できる便利ツールです。
使い方は至ってシンプルで、赤枠に調査したURLを入力して緑枠の「BROWSE HISTORY」をクリックするだけ。
取得回数と運営期間がカレンダー上に表示されるのでドメインエイジの目安になりますし、ペナルティの有無も調査することが可能です。
まとめ
中古ドメインは、選び方さえ間違えなければ絶大なSEO効果を発揮してくれます。
ただし、品質が低かったり自サイトとの相性が合わなかったりすると、SEOにネガティブに働くのも事実。
中古ドメインの購入を検討しているなら、まずはメリットとデメリットを理解したうえでSEO効果の高いタイプを厳選しましょう。
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