2019年SEOやGoogleのトレンドまとめ
2021.07.14
2019年のSEOの重要なトレンドを11個紹介していきます。
- BERTの実装で長いクエリのニュアンスやコンテキストが検索結果に反映されるようになった
- 検索なしでコンテンツが表示されるDiscoverの重要性が上昇した
- 新しいリッチリザルトFAQとHow-Toが追加された
- JobPosting 構造化データ実装による「しごと検索」が実装された
- 2019年7月1日以降にインデックスのページは最初からMFI対応になった
- Googlebotのレンダリング機能のアップデートにより、リッチなコンテンツが作りやすくなった
- 3月・6月・9月のコアアルゴリズムアップデート
- AMPのUX改善における重要性が増した
- Search Consoleに新機能が追加・旧バージョンが終了した
- rel=”sponsored”・rel=”ugc”の追加・rel=”prev/next”の廃止
- 検索結果の動画にタイムスタンプが表示(スマホ版のみ)されるようになった
GoogleのBERTアップデートが日本にも適用
検索クエリのニュアンスやコンテキストを理解して、より関連性の高い検索結果を表示するためのGoogle検索アルゴリズムアップデートがBERTアップデートです。2019年10月に一部の国で、2019年12月10日には、日本語含む70言語以上のGoogle検索に実装されました。
実装以降は長いクエリに対してBERTアルゴリズムが働くため、文章型の検索クエリでより関連性の高いページが表示されるようになります。
たとえば「住民票を代理で受け取る方法」と検索した場合では、以下のように検索結果に表示されるページが異なる可能性が高いです。
これまで:「住民票の受け取り方」に関する(「代理で」ということを重視していない)ページを表示
BERT実装以降:「親や兄弟、配偶者が代理で住民票を受け取る方法」に関するページ
BERTアップデートについては以下の記事をご覧ください。
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検索なしでコンテンツが表示されるDiscover
Discoverとは、Googleサービスを利用した時の以下の個人データをもとに、興味関心のあるコンテンツを表示してくれる機能です。
- 検索履歴
- 現在地
- デバイス情報
- Googleアカウントのデータ
ChromeなどのGoogleアプリで提供されています。

(Google Chrome のDiscover)
Discoverは2018年に搭載された機能ですが、2019年になってより一層その重要性が増しています。
これまでの「能動的に検索を行う」という仕組みから、「受動的にコンテンツを受け取る」という仕組みへの変化の影響は大きいです。Google Discoverのおすすめコンテンツにページが記載されることで、短期的に大幅にアクセスが集中する「Google 砲」という現象が起きています。
- 短期的とはいえアクセスが増加する
- 本来能動的に辿り着くことのなかったユーザーへ露出できる
- 上記に伴って良質なリンクが増えればサイト全体に好影響を与える
以上のようなメリットがGoogle Discoverにはあります。
現状Google Discoverに表示させるための方法は確立されていません。しかしSEO対策を行い良質なコンテンツを作ることが重要だとされています。Search Consoleの「パフォーマンス レポート(Discover)」を利用しつつ対策を進めてください。
さらに詳しい情報については以下の記事をご覧ください。
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新しいリッチリザルトFAQとHow-Toの追加
2019年は、これまで多くの検索結果で表示されてきたリッチリザルトに 「FAQ」「How-To」が加わりました。

(FAQリッチリザルトの例)

(How to リッチリザルトの例)
リッチリザルトに表示されると、ユーザーの目に触れやすいものの、ページをクリックする前に読者の疑問が解決されてしまうため、トラフィックが減るという懸念もあります。
しかしリッチリザルトを有効活用できれば、検索結果でのクリック率を上げることもできます。
リッチリザルトについては次の記事で詳しく紹介しているので、参照してください。
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JobPosting 構造化データで実装による「しごと検索」実装
しごと検索はリッチリザルトを拡張したエンリッチリザルトの1つで、JobPosting 構造化データで実装します。

上の写真は「東京 求人」で検索した時の、しごと検索の表示例です。このように求人情報を直接検索結果に載せることができるため、より多くのアクセスが得られます。
ただ現在はしごと検索の不適切な実装も少なくありません。一時的には利益を得られるかもしれませんが、スパムとしてペナルティの対象になる可能性が高いため、長期的にはデメリットが大きいです。
Googleしごと検索は次の記事で詳しく解説しています。興味のある方は参照してください。
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2019年7月1日以降にインデックスのページはMFI対応
MFIとはモバイルファーストインデックスの略で、パソコンサイトではなくスマホサイトのコンテンツが判定の基準となることを指します。
スマートフォンを利用する検索ユーザーの増加により、Googleが進めてきたモバイルファーストインデックスですが、2018年末で移行済ページが半数を超えました。
現在も既にインデックスされている記事のモバイルファーストインデックス移行中ですが、2019年7月1日以降にインデックスされたページは最初からモバイルファーストインデックスに対応しています。
これ以降は新規ページがモバイルファーストインデックスに移行しているか確認する必要はなくなりました。
モバイルファーストインデックスに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
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Googlebotのレンダリング機能のアップデート
これまでGooglebotのレンダリング機能は、2015年1月にリリースされたChrome 41のままでした。機能の低さから、JavaScriptやCSSの最新機能を使用したリッチなコンテンツは正しくインデックスされないこともありました。
しかし2019年5月にGooglebotのレンダリング機能はアップデートされ、レンダリングエンジンもChromeのアップデートに合わせて随時更新されることになっています。(これに伴ってユーザエージェント名も変更しています。
そのため2019年以降は、これまで以上にリッチなコンテンツを作成しやすい環境です。
3月・6月・9月のコアアルゴリズムアップデート
2019年のコアアルゴリズムアップデートは3月・6月・9月の3回です。6月・9月のコアアルゴリズムアップデートは事前に通知がありました。
2019年3月のコアアルゴリズムアップデートは、以下のようなあコンテンツの検索順位が落とされ、大きな動きを見せたようです。
- 検索クエリと関連性が低いコンテンツ
- 網羅性が低いコンテンツ
2019年6月のコアアルゴリズムアップデートは、以下のようなコンテンツの検索順位が上昇しました。
- 権威性の高いコンテンツ
- 検索意図を満たしているコンテンツ
2019年6月のコアアルゴリズムアップデートは、検索意図を満たしており、クエリとの関連性が高いページを上位表示するものでした。
なお3月・6月・9月それぞれのコアアルゴリズムアップデートについては、次の記事を参考にしてください。
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AMPのUX改善における重要性
AMPは「Accelerated Mobile Pages」の略で、Googleが推進するモバイルWEBサイト高速化のための方法です。これまでAMPによるページ高速化の重要性ばかりが強調されてきましたが、2019年以降はUX改善における重要性が増してきています。
- 仕組み上、ページ読み込みを遅くさせる要素は使用しないため、AMPページは高速
- ページ読み込み時にスムーズにレンダリングされ、コンテンツの要素が移動しない
- ページ閲覧の邪魔となるポップアップやインタースティシャルなどの広告掲載が禁止
- ページ表示時に全てのページ要素を読み込まず、必要に応じて読み込みを進めるため、読み込みが早い
以上のようなUX改善におけるメリットがAMPにはあります。
また2019年には以下2つのAMPの新機能が追加されました。
2020年もAMPの機能強化には注目しておくことをおすすめします。
AMPについて詳しくは、次の記事を参照してください。
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Search Consoleに新機能が追加・旧バージョン終了
2018年9月からは現在のSearch Consoleが正式版となっていましたが、2019年9月には旧バージョンのSearch Consoleのサービスを終了しました。
現在の新しいSearch Consoleは、以下のように新機能が追加されています。
- 検索アナリティクス機能の拡張
- インデックスされていない理由の確認が可能に
- AMPの実装支援
旧Search Consoleでサポートされていた機能のいくつかは、まだ移行が済んでおらず利用できなかったり、機能が廃止されたりしています。
しかし2020年以降は現在のSearch Consoleに新しい機能が追加されることが期待できます。
新旧のSearch Consoleの機能の違いについては、次の記事で詳しく解説しています。
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これまであったrel=”nofollow”の派生系として、次の2つのrel属性値が追加されました。
- rel=”sponsored”(広告リンクであることを示す)
- rel=”ugc”(ユーザー生成リンクであることを示す)
無理に使う必要はないようですが、追加されたことは理解しておくことをおすすめします。
既存のrel=”nofollow”の扱いが変更され、nofollowは命令ではなく、「ヒント」として扱割れるようになりました。またrel=”prev/next”は廃止されます。
新しいrel属性とnofollowの扱いの変更に関しては、次の記事を参照してください。
2019年9月にnofollow属性の扱いが変わると発表!新たな属性とnofollowの設定方法
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検索結果の動画にタイムスタンプが表示(スマホ版のみ)
2019年以降、リッチリザルトで検索結果に表示される動画にタイムスタンプが付くようになりました。

現在タイムスタンプが表示されるのは、モバイル版のみですが、検索結果に表示される動画のユーザビリティが上昇したことで、より一層動画リッチリザルトが視聴されやすくなりました。
まとめ
今回ご紹介したSEOのトレンドの中には、自分の担当しているサイトとはあまり関係がないものもあったかもしれません。またトレンドの前も後も検索意図を理解し、クエリに対して関連性の高い良質なページを作成するというSEOの基本姿勢も同じです。しかし2020年にSEO対策をするうえで、2019年にGiogle周辺でなにがあったのかを把握しておくことは無駄なことにはならないため、是非今回の情報を踏まえた上で自身のサイトの評価向上にお役立ていただければと思います。
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