パンダアップデートとは?ペナルティの具体例とGoogleに好かれるSEO対策

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2020.02.18
SEO対策に必須の知識「パンダアップデート」とは?ペナルティを回避する方法

「パンダアップデート」とは、ペンギンアップデートと肩を並べるGoogleの代表的な検索アルゴリズムです。品質の低いコンテンツファームの検索順位を下げる効果があるため、導入初期には「ファーマーアップデート」とも呼ばれていました。ユーザーファーストやコンテンツファーストが重視される分岐点となったパンダアップデートが理解できれば、Google好みのコンテンツSEOが実践できるはずです。

パンダアップデートとは?

パンダアップデートとは、「低品質コンテンツを含むWebサイトの検索順位を下げ、反対に高品質コンテンツで構成されたWebサイトの検索順位を上げる」ことを目的としてGoogleが導入した検索アルゴリズムの一種です。

2011年2月に初めて英語圏で導入されたパンダアップデートですが、日本では約1年半後の2012年7月18日から導入がスタートしています。

低品質コンテンツの改善法については下記の記事でも解説しています。

Googleがパンダアップデートを導入した理由

パンダアップデートが行われる以前は、「コンテンツファーム」と呼ばれる低品質のコンテンツを大量に含むWebサイトが上位表示されることも珍しくありませんでした。

そのため、上位表示させる手段として「ユーザーにとって無益なSEO」が横行していたのです。

しかし、検索エンジンの検索結果に低品質コンテンツを含むWebサイトが上位表示される状態は、良質なWebサイトが閲覧される機会を奪うだけでなく、何よりユーザビリティまで低下させてしまいます。

言い換えれば、Googleはパンダアップデートによってコンテンツファームの検索順位を下げると同時に、Web制作者へ向けて「ユーザーにとって有益なコンテンツを作りなさい」と促していると解釈できるのです。

パンダアップデートが検索順位に与える影響

Googleの公式サイトでは、パンダアップデートの導入によって検索順位がどのように変化するのか、下記のように解説されています。

ユーザーにとってあまり価値のないサイト、利便性の低いサイト、他のサイトからのコピーで構成されているようなサイトの掲載順位は下がります。一方、独自の研究や報告、分析など、ユーザーにとって重要な情報を提供しているサイトの掲載順位はより適切に評価されるようになります。この変更は、日本語、韓国語ともに約 4% の検索結果に影響する見込みです。

引用元:ウェブマスター向け公式ブログ

事実、パンダアップデートが実施されて以降、低品質なコンテンツで構成されたWebサイトは、検索エンジンからの評価ランクを表す「ドメインオーソリティ」や「サイト規模」にかかわらず、検索順位が上がりにくくなっています。

手動更新から自動更新のコアアップデートへと移行

パンダアップデートが初めて導入されてからの数年間は、手動によって更新される度に公式サイトやTwitterなどで事前告知や事後報告が行われていました。

しかし、2013年3月15日に行われた「Ver25」を最後にコアアルゴリズムの一部として統合され、これに伴いアップデート処理も手動から自動更新へと移行しています。

そのため、検索順位が大きく変動するような大規模アップデートを除き、ほとんどアナウンスされなくなりました。

ペナルティを受けたか確認する方法

パンダアップデートが手動だった頃は、ペナルティを受けた際の通知が届いていました。

しかし、2013年3月に自動更新へと切り替わってからは、たとえペナルティを受けたとしてもGoogleから通知されません。

そのため、検索順位の下落がパンダアップデートに関連したペナルティによる影響なのか、明確に特定することが難しくなっているのです。

パンダアップデートによるペナルティの有無を確認したい時は、下記の手順に沿ってWebサイトのパフォーマンスから推測してみましょう。

▼ペナルティの有無を確認する方法

  • 日頃から「検索順位」や「トラフィック」をこまめに確認する
  • 極端に変動している場合は、パンダアップデートの項目と照らし合わせる
  • コンテンツの質が保てていなければ修正する

ペナルティ対象の具体例

以下のようなコンテンツは、パンダアップデートによってサイトの検索順位を下げる原因となる低品質コンテンツだと定義されています。

自動生成されたコンテンツ

プログラムによって自動的に生成されたコンテンツは、低品質コンテンツとみなされます。

中でも代表的なのが以下の2種類です。

  • 自動化ツールで翻訳し、人間によるチェックや編集を経ずに公開されたコンテンツ
  • 複数のWebサイトを参考にし、十分な付加価値を加えずに繋ぎ合わせただけのコンテンツ

 

自動生成されたコンテンツ

上記の記事は、英語サイトを日本語に翻訳したものをそのまま公開していますので、Googleから低品質なコンテンツだと評価されてしまいます。

また、「検索キーワードを含むが、文章として意味をなさないテキスト」「マルコフ連鎖やAtom/RSSで生成されたテキスト」などを含む場合も、自動生成された低品質コンテンツの一種です。

誘導ページ

特定の検索キーワードで上位表示を狙いつつ、ユーザーを別のWebサイトやページに誘導する目的で作成されたコンテンツを「誘導ページ」と言います。

誘導ページ

上記の例は、「TOEIC 勉強方法」の検索キーワードで記事が作成されているものの、実際の内容は他サイトのページへと誘導するものです。このような誘導ページは低品質コンテンツとみなされペナルティの対象となります。

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無断複製されたコンテンツ

2012年にパンダアップデートが実施されるまでは、サイトのページ数を増やすことで検索順位を上げる効果がありました。

しかしパンダアップデートが導入されて以降、ページ数の増加を目的に評判の良い他サイトの内容をそのまま転載したページは「無断複製されたコンテンツ」として検索順位を下げる原因になります。

たとえ自社サイトのコンテンツを二次利用する場合でも、ユーザーにとって有益な付加価値を加えるべきなのです。

実質のないアフィリエイトサイト

商材の画像を並べただけのWebサイトはもちろん、ユーザーに対する付加価値を加えていないコンテンツも、「実質のないアフィリエイトサイト」とみなされるGoogleペナルティの対象です。

特に、アフィリエイトサイト内で商品説明を記載する場合、他サイトと同じような表現を使うと無断複製まで疑われてしまいます。

実際に商品を利用したユーザーとしての感想などをプラスしてオリジナリティを加えましょう。

パンダアップデートで検索順位が落ちた場合の対処法

パンダアップデートによる検索順位の下落が疑われる場合、改善が見込める対処法として下記の3つが挙げられます。ここでは、優先順位の高い順にご紹介しましょう。

優先度1:高品質コンテンツの追加

Googleのゲイリー・イリーズ氏は、「パンダアップデートでは質の悪いコンテンツを削除するよりも高品質の内容を追加した方が良い」とツイートしています。

パンダアップデートでWebサイト全体の検索順位が下落してしまった場合、「高品質コンテンツの追加」によってWebサイトの価値を向上させる方が、低品質コンテンツを削除するよりも即効性のある対策なのです。

優先度2:コンテンツのリライト

高品質コンテンツをサイトに追加したら、続いて既存のコンテンツをリライトし、よりユーザーに価値の高い情報を提供できる内容にしましょう。

作成してから時間の経ったコンテンツには、最新情報を加えてリライトすることでユーザビリティが向上します。

リライトについては下記の記事でも解説しています。

優先度3:noindexにする

noindexにしたコンテンツは、Googleの検索エンジンにインデックスされません。

つまり、サイト内の低品質コンテンツをnoindexにすると、高品質コンテンツだけがGoogleの検索エンジンにインデックスされるようになり、検索上位に表示しやすくなるのです。

ただし、noindexにするということは特定のコンテンツ経由で流入していたユーザーを失いかねない行為です。

特に、Webサイトを利用して集客を行なっている企業の場合、サイトへのユーザーの流入が減るほど売上も減少する可能性が高いため、できるだけリライトで対処した方が良いでしょう。

noindexについては下記の記事でも解説しています。

今後は「EAT」が検索順位を上げるカギ

EATとは下記の頭文字を組み合わせた略称で、特にパンダアップデート導入後は検索順位を上げる必須要素とも言われています。

  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trust Worthiness(信頼性)

Expertise(専門性)

Googleの検索エンジンから「上位に表示すべき」と評価されるには、個別のコンテンツやWebサイト全体の「専門性」が重要です。

例題として、「ウォーターサーバー」というキーワードで検索した結果を見てみましょう。

専門性

上記画像の通り、検索上位は全てウォーターサーバーに特化したサイトのコンテンツが並んでいます。

つまり、雑多な内容を含む個人ブログ内のコンテンツよりも、ウォーターサーバーに特化したコンテンツを含むWebサイトの方が高い専門性を備えていると判断され、検索上位に表示されやすいのです。

Authoritativeness(権威性)

権威性とは、世の中で正しいと信じられている「信憑性の高い状態」を指しています。

例題として、「胃腸炎 薬」で検索した結果を見てみましょう。

権威性

上記画像の通り、検索上位4つは病院や製薬会社といった権威性の高い医療ジャンルのコンテンツが表示されています。

ちなみに、2位の記事は医療と直接関係のない東洋経済のコンテンツですが、医療ジャーナリストによって作成されているため権威性の高さに疑いはありません。

つまり権威性のあるコンテンツとは、「あの人が書いたなら」「あの会社が言うのなら」とユーザーに思ってもらえるコンテンツなのです。

Trust Worthiness(信頼性)

信頼性があるとは、多くの信頼を獲得していること。Googleの検索アルゴリズムが信頼性を評価する方法は公表されていませんが、サイトの運営者を公表しているコンテンツは信頼性があると判断される傾向が見られます。

Webサイトを集客の手段として活用している場合は、少なくとも下記の情報を運営者情報ページに記載しておいた方が良いでしょう。

  • 会社名
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス

E-A-Tについては下記の記事でも解説しています。

Googleがアルゴリズムで重視する25のポイント

Googleは検索アルゴリズムで重視している25のポイントについて、公式サイトからアナウンスしています。

パンダアップデートを含む全ての検索アルゴリズムが対象になっていますので、コンテンツSEOの参考にしてみましょう。

パンダアップデートの履歴と検索クエリへの影響

この段落では、ダニー・サリバン氏がSearch Engine Land上で発信している情報を基に、パンダアップデートがどの程度のスパンで実施されているのか、検索クエリにはどの程度の影響を及ぼしているのかをまとめてみました。

回数 Ver 実施日 検索クエリへの影響
1 1.0 2011年2月24日 11.8%(米国の英語のみ)
2 2.0 2011年4月11日 2%
3 2.1 2011年5月10日 アナウンスなし
4 2.2 2011年6月16日 アナウンスなし
5 2.3 2011年7月23日 アナウンスなし
6 2.4 2011年8月12日 6~9%(英語以外の多くの言語)
7 2.5 2011年9月28日 アナウンスなし
8 3.0 2011年10月19日 約2%
9 3.1 2011年11月18日 1%未満
10 3.2 2012年1月18日 アナウンスなし
11 3.3 2012年2月27日 変更なし
12 3.4 2012年3月23日 約1.6%
13 3.5 2012年4月19日 変更なし
14 3.6 2012年4月27日 変更なし
15 3.7 2012年6月9日 1%
16 3.8 2012年6月25日 約1%
17 3.9 2012年7月24日 約1%
18 3.9.1 2012年8月20日 約1%
19 3.92 2012年9月18日 0.7%未満
20 20 2012年9月27日 英語の2.4%
21 21 2012年11月5日 世界中で0.4%、米国英語の1.1%
22 22 2012年11月21日 英語の0.8%
23 23 2012年12月21日 英語の1.3%
24 24 2013年1月22日 英​​語の1.2%
25 25 2013年3月15日 ※最後の手動更新
26 26 2013年7月18日 ※自動更新のアナウンス
27 4.0 2014年5月20日 英語の7.5%
28 4.1 2014年9月25日 3~5%
29 4.2 2015年7月18日 2~3%(ゆるやかに実施)

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「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」の違い

どちらも「低品質コンテンツの評価を下げて高品質コンテンツを上位表示させる」という目的は同じですが、評価の対象が異なります。

▼評価の対象

  • パンダアップデート:コンテンツの質
  • ペンギンアップデート:ブラックハットなど不正なリンク操作の有無

万全のSEO対策を目指すなら、パンダアップデートに加えてペンギンアップデートへの対策も必要です。

ペンギンアップデートでは、以下の低品質なリンクおよび手法を含む場合にサイトの検索順位が下がってしまう可能性があります。

▼ペンギンアップデートで評価が下がるポイント

  • リンクプログラム
    Google検索結果でのサイトのランキングを操作することを目的としたリンクです。
  • クローキング
    検索アルゴリズム上の評価を高めるために、検索エンジンとユーザーに対し異なるページを表示する手法です。
  • 不正なリダイレクト
    検索エンジンを騙す目的で、サイトにアクセスしたユーザーを、ユーザーがアクセスしようとしたURLから別のURLに移す手法です。
  • 隠しテキストや隠しリンク
    ユーザーがブラウザでサイトを閲覧した際には表示されず、検索エンジンだけが認識する文字やリンクです。
  • スニペットの悪用
    検索結果で表示されるコンテンツのスニペット内(画像赤枠)にユーザを騙すために、コンテントと関係のない文言を表示する手法です。

スニペット

ちなみに、ペンギンアップデートに関しては下記の記事で詳しく解説していますので、参考にして下さい。

まとめ

低品質なコンテンツを含むWebサイトの検索順位を下げ、高品質なコンテンツを含むWebサイトの検索順位を上げるパンダアップデートは、以前のように実施される度に行われていたアナウンスがなくなり、Googleのコアアルゴリズムの一部として作動しています。

そのため、従来のようにSEO上の効果だけを狙った質の低いコンテンツを作成しても、意味をなさなくなりました。

今後は、ユーザーに有益な情報を提供できる中身の濃いコンテンツ作りこそが、Googleから優良サイトだと認定される最良のSEO対策となります。

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