Googleが高品質ページに求めるE-A-Tとは?
2020.07.21
Googleの検索結果で上位表示を目指す上で、確認しておきたい資料として「検索品質評価ガイドライン」というものがあります。英語の原文ですが、PDFファイルを見ることができます。
この資料の複数の項目において「Expertise/Authoritativeness/Trustworthiness(E-A-T)」という単語が出てきます。今回はこのE-A-Tについて解説し、どのようなサイトをGoogleは高品質なページとして認識しているのか考えていきたいと思います。
E-A-Tとは?
冒頭でも書かせていただきましたが、E-A-Tとは、以下の英単語の頭文字をとったものです。
- Expertise:専門性
- Authoritativeness:権威性
- Trustworthiness:信頼性
これらの要素が含まれているページが高品質なページとGoogleは考えているようです。
確かに、専門性が高く、権威があり、信頼できるコンテンツはGoogleの検索結果において高く評価され上位表示されやすい傾向にあります。今後も安定して上位化を目指すには、これらが備わったコンテンツを作成していく必要があると考えられます。
では、E-A-Tとは具体的にどのような情報のことを指しているのでしょうか。E-A-Tに欠かせない三つの項目とその具体的な内容について、それぞれ解説します。
専門性・権威性・信頼性とは?
専門性、権威性、信頼性が重視されているということが分かりましたが、では具体的にどのようにコンテンツを作成すれば、E-A-Tが備わった記事になるのでしょうか。E-A-Tの三つの要素を一つずつ解説します。
記事の作成者が専門的な知識や経験を有している、または十分な知識による裏付けがあるコンテンツは専門性のあるコンテンツ、と認められます。
専門的な経験とは、資格を持っていたり深い経験に基づいていたりすることはもちろん、コンテンツに対する深い理解があることや、情報が正確であることなども重要視されます。
コンテンツに対して何も資格を持っていないという場合でも、独自の経験や正確な情報をコンテンツにしっかりと盛り込むことで専門性のある記事を作成することは可能です。
コンテンツの内容について何か重要な資格を持っていたり、権威性のある機関や人物にコンテンツの内容が認められていたりするコンテンツは、権威性を持っていると呼ぶことができるでしょう。
また、コンテンツを作成した当人に権威性がなくても、コンテンツを読んでいる多くの人間や、権威を持っている人に監修された記事などは、権威性のある記事と言うことができます。
例えば、法律相談の記事を弁護士が監修していたり、健康相談に関する記事を医師が監修していたりするような場合は、弁護士や医師といった権威性のある人物がコンテンツを監修しているので、権威性のある記事と呼ぶことができます。
作成されたコンテンツの情報に信頼性があるか、という点もGoogleは重視しています。コンテンツによって提供された情報が正確で、信頼できるものであるかどうかという点は、コンテンツの質に大きく関わってくるためです。
特に昨今はフェイクニュースなどの信頼できない情報が事実としてSNSなどを通して事実のように拡散されることも増えてきました。そのため、コンテンツの裏付けとして情報の根拠や正確性を改めてしっかりと示すということがより重要となってきています。
では、このような点について、Googleはどのような評価基準を設定しているのでしょうか。専門性・権威性・信頼性に関して、Googleは以下のように例を示しています。
・高品質の医療アドバイスは、適切な医療専門知識や認定を受けた人や組織から受けるべきである。高品質の医学的アドバイスや情報は専門的なスタイルで書かれていなければならず、定期的に編集、レビュー、更新されるべきである。
・科学的な話題に関する高品質の情報ページは、そのような合意が存在する問題に関する十分に確立された科学的コンセンサスを表すべきである。
・高品質の財務アドバイス、法律アドバイス、税務アドバイスなどは、専門家から入手し、定期的に更新および更新する必要がある。
・家の増改築(数千ドルの費用がかかり、あなたの生活状況に影響を与える)や育児問題に関するアドバイス(家族の将来の幸福に影響を与える)などの高品質アドバイスページは、「専門家」または経験豊富な情報源ユーザーであれば信頼できる。
・写真やギター演奏などの趣味の高品質ページにも専門知識が必要である。
上記の例を確認しますと、専門の資格を有した人でないとGoogleに評価されるコンテンツを作成できないかのように感じますが、そうではないということもGoogleはこの資料の中で書いています。
多くの人が、商品やレストランについて非常に詳細で役立つレビューを書いています。多くの人々が、フォーラムやブログなどでヒントや経験を共有しています。これらの一般の人たちは、生活の中での経験があるトピックの専門家とみなされます。コンテンツを作成する人物が、トピックに関する「専門家」となるような経験と量を持っている場合、私たちはこの「日常生活の専門知識」を評価し、正式な教育や訓練を受けていなくても、人/ウェブページ/ウェブサイトにペナルティを与えることはないです。
つまり、専門的な資格を持っていなくても、日常生活の中で得た知識や経験でも特定の分野で役立つ情報であれば評価されるということになります。
具体例として医療の分野でも一般の人がE-A-Tを含むコンテンツを提供できるという例も書かれています。
たとえば、特定の病気の人々のためのフォーラムやサポートページがあります。個人的な経験を共有することは、毎日の専門知識の一形態です。この例を考えてみましょう。ここでは、フォーラムの参加者は、愛する人がどのくらい肝臓癌で暮らしていたかを伝えています。これは、個人的な経験(専門家である)を共有する例であり、医学的アドバイスではありません。特定の医療情報とアドバイス(日常生活から得た経験の説明ではなく)は、医師または他の医療従事者から受けるべきである。
上記のように、家族が重い病で闘病している場合、その様子などは提供する人が医療関係者ではなくても、専門性を含んだコンテンツとなり得るということになります。
実際にその人が経験している事実を共有していることになるため、家族が同じ病気で苦しんでいるという人にとっては、非常に有益なコンテンツになるのだと思います。
E-A-Tを含むコンテンツとは?
E-A-T(専門性・権威性・信頼性)という言葉を聞くと、非常に難しいコンテンツを書かなければいけないような気がしてしまいませんか?
ほとんどの方は、運営されているサイトに掲載する内容に関して専門的な知識を有していることが多いと思いますので、その知識や経験を活かした専門的なコンテンツを定期的にユーザーに提供し続けることで、E-A-Tの要件を満たすことができると考えています。
継続して提供することで、ユーザーから信頼されるサイトに成長していくことができますし、その分野での権威もついてきます。
例えば、先ほど闘病についてのコンテンツの話がありました。実際に自分が体験した闘病体験や、家族の闘病や介護についてまとめたコンテンツなどは、たとえ執筆している本人に医師や看護師などの資格がなくても、専門性があり権威性があるものと認められることがあります。
それは、同じような体験をしているユーザーや、同じように悩んでいるユーザーに対して非常に役に立つ情報を提供していることになるためです。
専門性や権威性を認められるためには、情報の正確さや、コンテンツを見に来てくれるユーザーへの気遣いという点が必要不可欠です。
ユーザーファーストという理念を忘れないということは基本ですが、正確な情報をコンテンツから提供し、専門的な情報を積極的に発信していくことで、専門性と権威性、そして情報の正確さをユーザーが認めてくれるようになります。
専門性や権威性と聞くと資格の有無や難しいコンテンツの作成といったイメージになってしまいがちですが、持っている情報を正確に、より深い情報で提供することで、専門性や権威性といったものは後から評価としてついてくるのです。
E-A-Tを意識したコンテンツとは?
では、E‐A-Tという概念がわかったところで、具体的にE-A-Tを盛り込んだコンテンツを作成するにはどうしたら良いのでしょうか。
実はE-A-Tはどれか一つを達成していれば評価されるというものではないので、全ての要素をバランスよく評価されなければ、E-A-Tを意識したコンテンツという評価を得ることはできません。そのため、
- コンテンツに対する専門性が足りない
- コンテンツの情報源が明らかになっていない
- 安全対策やセキュリティ対策に難がある
このような状態だと、E-A-Tを意識したコンテンツという評価を得ることはできません。コンテンツの専門性だけでなく、可能な限り情報源を明らかにする、安全対策を怠らないといったユーザーへの気配りも必要になります。
特に、YMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる健康や金融、法律などの分野は情報の正確性や権威性がより重視される傾向があるため、このようなコンテンツを作成する際は専門家の監修を入れるなどの権威性や専門性を高めるための工夫が必要となります。
まとめ
今回は、「検索品質評価ガイドライン」のE-A-Tに関して説明させていただきました。
E-A-Tを全て兼ね備えたコンテンツを作成するということは非常に難しいことです。権威性や専門性のある情報というものは、誰でも簡単に作ることができるものではありません。
また、評価を受けるためにはユーザーからの信頼を得る必要があるため、E-A-Tのあるコンテンツを作成するためには時間も手間もかかります。
しかし、フェイクニュースやデマといった正確性に欠ける情報が簡単に流布されてしまう今だからこそ、正確な情報を届けるということがより重要な要素になってきています。
ユーザーファーストという姿勢はもちろんのこと、コンテンツを読んでくれたユーザーにとって価値のある情報をきちんと提供する、信頼できる情報ソースを引用するなど、可能な限り情報の正確性や専門性を高めていく努力を怠らないことが大切です。
ちなみに、「検索品質評価ガイドライン」は英語の資料ですが、資料全般を通して「E-A-T」に関する内容が書かれていますので、上記は一部を抜粋したものです。もっと読み込みたいという方は、Google翻訳をお供に是非読み込んでみてください。
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