Google検索品質評価ガイドライン(2019)に学ぶ!Your Money or Your Life(YMYL)編
2020.12.21
「Google検索品質評価ガイドライン」は、Googleがサイトをどのように評価するのかを詳しくまとめたものです。どのようなサイトを品質の良いサイトと評価するのかを読み取ることができるため、高評価を得るためにどのような対策を取るべきかを検討するにあたって、重要なヒントになると思います。
前回は、Part2の「モバイルユーザーの意図を理解する」についてまとめました。今回は、Part1のSection2「WebページとWebサイトを理解する」について、評価の高いサイトの構築という視点で、抑えるべきポイントを抜粋しています。
ページはユーザーの役に立つために作られるものである
「ページ」という言葉について、ここではサイトを構成するひとつひとつのページと、それらのまとまりであるサイトの両方を指すものとして使用しています。
ページは、「ユーザーの役に立つために作られるもの」であるため、そのページが何のために作られ、どのように役に立つのかが明確に分からなければなりません。ガイドラインには、何のためかという目的の例がいくつか挙げられています。
- あるトピックに関する情報を共有
- 人的、社会的な情報を共有
- 写真、動画、その他のメディアを共有
- 意見や見解を表現
- 楽しませる
- 商品やサービスを販売
- 質問や回答を投稿できる
- ファイルを共有したりソフトウェアをダウンロードできる
中には上記のような目的を装いながら、実はユーザーを騙すために作られたものもあります。しかし、リンク先の内容が不自然だったり、記載されている情報が不適切だったりと、ユーザーの役に立つという本来の目的から逸脱した部分があるため、そうしたページは良い評価を得ることができません。
ページの目的を明白にし、掲載するコンテンツの正確性や安全性に万全を期すことで、品質の良いページであると評価されるようになります。
“Your Money or Your Life”と呼ばれるページ
GoogleがYour Money or Your Life(YMYL)と呼ぶタイプのページは、特に掲載するコンテンツの正確性や安全性に注意を払わなければならないページと考えられています。なぜなら、そのページで取り扱う情報や商品が、利用するユーザーの将来の幸せ、健康、安全性、経済的な安定性などに、何らかの影響を及ぼすものと考えられるからです。例として下記のようなページが挙げられています。
- ショッピングや金銭取引:売買や送金、支払いができるページ
- ファイナンス情報:投資、税、老後プラン、住宅ローン、学費、保険などに関する情報やアドバイスを掲載しているページ
- 医療情報:健康、薬、特定疾患、精神疾患、栄養学などに関する情報やアドバイスを掲載しているページ
- 法律情報:離婚、養育権、遺言、市民権などに関する情報やアドバイスを掲載しているページ
- 人々が情報強者であるために重要なニュースや公式な情報:政府のプロセス、ポリシー、人々、法律、災害対策サービス、政府のプログラムと社会福祉、国際的なイベント、ビジネス、政治、科学、技術などの重要なトピックに関するニュースなどを掲載しているページ
上記のようなページを作成、管理しているのであれば、掲載する情報が正確であり最新であることを確実にするために細心の注意を払いましょう。また、万全なセキュリティ対策を取ることが必要です。
メインコンテンツはページの目的を達成するためにある
コンテンツは、MC(メインコンテンツ)、SC(補助コンテンツ)、Ads(広告・マネタイズ要素)に分類されます。
MCは、ページが作られた理由であり、ユーザーが目的を達成できるようになっている部分です。テキストや、画像、動画、ゲームなどから構成されます。また、重要なポイントとして、MCはページのタイトルも含みます。有用なタイトルはページのMCを要約したものであり、ユーザーがそのページを訪問するかどうか判断することができるものです。
SCは、ナビゲーションリンクなどのような、ユーザー体験を良くするためにあるもので、ユーザーが目的を達成するのを助けるためにあるものです。MCに関係する他の情報へのリンクや、問い合わせ先へのリンクなど、ユーザー体験を快適にするための工夫を不足なく設置しておくことはページの評価を高めるのに役立ちます。
Adsは、広告などのマネタイズに利用される部分です。ユーザにとって有用であったり、ページの品質を維持するために必要な費用を捻出するために利用している場合がありますので、広告があること自体はページの評価に影響しません。しかし、表示される広告の品質はサイトに責任があると考えられています。広告の種類によっては、ユーザーを不快にさせたり、ユーザー体験を著しく低下させるものもあるので、その点については慎重に対応しましょう。
サイトの構築にゼッタイ必要なこと
サイトを構築するにあたって、抑えておきたい大切なポイントです。Google検索品質評価ガイドラインでは「サイトとはこういうものです」という表現をしていますが、そうでなければサイトとして評価を得られない、と読み替えることができます。
トップページにはサイト内のどのページからでもアクセスできること
トップページには、サイトについての重要な情報を掲載するか、それらの情報へのリンクを設置しているため、サイトのすべてのページからトップページにアクセスできるようになっていると考えられています。 ページ内のロゴや「ホーム」「TOPページ」などのテキストやナビゲーションリンクを設置してクリックすると、同一のトップページに遷移するように設定してください。
サイトの責任者と作成者が明示されていること
「このサイトについて」や「お問い合わせ」などのページを作成し、自分が誰で何をしているのか、サイト内の情報について誰が責任を持つのかなど、サイトの所有者の情報を明記してください。
善意の所有者であれば、自分のことをアピールしたいものだと考えられています。例えば、次のような理由で自己顕示したいはずなので、自分が何者かを隠したりはしないのです。
- 商業サイトは、保護すべき著作権を持っているためそれを誇示したい
- ビジネスサイトなら、ビジネスやサービスを認知してほしい
- アーティスト、著者、ミュージシャンなどは、オリジナルな作品を創作していることを認知して評価してほしい
- 財団法人なら、支援やボランティアの対象を見つけたい
- ショップなら、ユーザーに快適にオンラインショッピングしてもらいたい
Facebookなどのような、利用するユーザーが書き込みしたり作成したりするようなタイプのサイトであっても、その場所を提供している運営会社が、サイト全体の責任を負うことを認識しておきましょう。
ユーザーが容易に連絡を取れるようになっていること
ユーザーは、ページの不具合を報告したり、コンテンツの削除を依頼したりなど、様々な理由でサイトに連絡したいと考えることがあります。その時に簡単に連絡が取れる状態であることは、ユーザーにとって有益なサイトとして評価されます。
サイトの種類によって連絡先の情報は取捨選択して表示されるべきです。
企業サイトでは、Eメールアドレス、電話番号、住所、コンタクトフォーム等の連絡先の情報を記載しましょう。
個人のブログなど、最小限のコンタクト情報で構わないサイトもあります。個人情報を開示する必要はないからです。
ショップ、銀行、クレジットカード会社などの、お金を扱うサイトでは、コンタクト情報やカスタマーサービス情報は必須です。トラブルがあったときやサポートが必要なときに、ユーザーが簡単に連絡できなければならないからです。
ショッピングサイトなら、支払や交換、返品に関するポリシーも明記したコンタクト情報が必要です。
サイトとメインコンテンツの作成者の評判
Google検索品質評価ガイドラインには、現実世界でのサイトの評判、コンテンツ作成者の評判も、サイトを評価する要素として挙げられています。通常、サイトでは、自身の良い部分を強調して表現する傾向があり、悪い部分はあえて表現しないという側面もあります。サイトに書かれていることを鵜呑みにしてそのサイトを評価することは、必ずしも正確な情報に基づいてなされているものではないと考えられます。
従って、サイトに関する評判や、コンテンツ作成者の評判については、サイト内に書かれていることだけではなく、外部の情報を参考にし、サイト内に書かれていることと外部の評判が食い違う場合は、外部の評価が採用されます。それは、サイトに関してだけではなく、企業や組織、商品に対しての現実世界の評判も対象となっています。
カスタマーレビューは、実際のユーザーの意見として評価される場合もありますが、コンテンツ作成者やサイト所有者によって書かれているものもあると認識されています。そのため、現実世界での実際の成果や、専門家の意見、実際のユーザーの意見を、信頼できる情報ソースから探し出して参考にしています。
サイトを評価するにあたって、現実世界のニュースや評判も考慮されるということは驚きに値しますが、コンテンツの情報の正確性を測るという意図においては、正に外せないプロセスであると理解できます。
まとめ
高い評価を受けるサイトにするために、自分のサイトでは何をすればよいか、イメージできたでしょうか。ここで挙げたポイントのどこか不足していますか?
正しい目的を持って作られたページであり、ユーザーに役立つ情報が十分に正確に、且つ安全に掲載されていますか?YMYLページでは特に留意しなければなりません。
ユーザーが目的を達成するためのコンテンツと、その手助けとなるコンテンツが含まれていますか?
掲載される広告に不適切なものはありませんか?
サイトのコンテンツに責任を持つのは誰ですか?
どうのように連絡できますか?
現実世界での評判はどうですか?
まだ上位表示できていないサイトはもちろん、既に上位を獲得しているサイトでも安心せず、Googleの品質評価のポイントをひとつひとつ確認しながら、今一度見直してサイトのブラッシュアップを図ることは、上位表示の獲得・維持に必要不可欠な努力だと考えます。
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