MFI完全移行でも大丈夫?スマホのSEO対策をもう一度見直そう
2021.03.29
Googleが延期していたMFI(モバイルファーストインデックス)の強制移行が、2021年3月末に実施される予定です。そこで今回は、スマホのSEOにとってスタンダードとなるMFI対策についてまとめてみました。まだMFIに備えていない方は必見です。
MFI(モバイルファーストインデックス)とは?
MFIとは、Mobile First Indexing(モバイルファーストインデックス)の頭文字をとった略称で、全サイトに対して「モバイル版(スマホサイト)」をインデックス・評価して検索順位を決定する仕組みを指しています。
▼ランキング評価対象の違い
- MFI導入前:「PC版ページ」をインデックス・評価し、検索順位を決定する
- MFI導入後:「モバイル版ページ」をインデックス・評価し、検索順位を決定する
つまり、どのコンテンツを上位に表示させるべきなのか、Googleが検索順位のスコアリングを行う際の対象が、従来の「PC版ページ」から「モバイル版ページ」へと変更になるのです。
Googleがスマホ重視のMFIを導入した理由とは?
GoogleによるMFIの導入が完了すると、インデックスも検索順位の評価対象も「スマホサイト」がメインとなります。
そもそも、なぜGoogleはPCサイトよりもスマホサイトを重視したMFIの導入を決定したのでしょうか。
その最大の理由として挙げられるのが、スマホユーザーの急激な増加!すでに2015年の時点で、スマホからの検索アクセス数がパソコンからの検索アクセス数を上回っていたのです。
ちなみに、Googleでは検索アクセスの入口を「モバイル」と「タブレット」で分けてカウントしています。
したがって、「モバイルからのアクセス数=スマホからのアクセス数」と解釈して良いでしょう。
なお、2018年5月25日づけの日本経済新聞によると、総務省がインターネットを利用する際に使われているデバイスについて全国調査を行った結果、スマホがPCを上回っていたと報じています。
総務省が25日発表した2017年の通信利用動向調査によると、個人がインターネットを利用する機器はスマートフォンが54.2%と、初めてパソコン(48.7%)を上回った。世帯の機器保有割合もスマホは75.1%と、初めてパソコン(72.5%)や固定電話(70.6%)を逆転した。スマホがネット社会の主役となっていることの裏付けとなりそうだ。
引用:日本経済新聞
今後は今まで以上に「スマホでのユーザー満足度」を重視したコンテンツ作りが、SEO対策の必須要素となるのは間違いありません。
MFI完全移行までの経緯!完全移行は2021年3月末
Googleは当初、2020年9月から全てのサイトをMFI(モバイルファーストインデックス)へ移行すると告知していました。
2016年10月に初めてMFIについて言及し、2018年3月の本格導入を経た時点で約70%のサイトが移行を完了させており、さらに1年半の準備期間を設けて強制移行を実施する計画だったのです。
しかし2020年7月21日、世界的な新型コロナウィルスの拡散を受け、全てのWebサイトに対するMFIの完全移行時期を2021年3月末に延期すると、公式サイト上でアナウンスされました。
出典:Google検索セントラル(旧:Webmaster Central Blog)
なお、MFI完全移行の延期については下記の記事を参照して下さい。
今後のSEOはスマホのMFI化が必須
Googleは、3年以上にわたって段階的にMFIの適用を進めてきました。
この準備期間は、検索ランキングを決定づける評価基準がPC用ページからスマホ用ページへ切り替わることで、不利益を被るリスクを最小限に抑えるためだったのです。
しかし、2021年3月末にMFIの完全移行が実施されると、未対応のコンテンツも問答無用で適用対象に含まれてしまいます。
したがって、PCからしかアクセスできないMFI未対応のコンテンツには、SEOリスクが予想されるのです。
▼MFI未対応サイトのネガティブ要素
- 新規ページのインデックス登録に失敗する
- ページを更新してもクロールされない
- 検索順位が上位から下位へ下落する
今後は、「スマホのMFI対策=SEOの基本」と考えるべきでしょう。
自サイトのMFI移行完了を確認する方法
最も一般的なのは、Search Console(サーチコンソール)を活用したチェック方法です。
Search Consoleでは、自サイトに対してMFIへの移行が完了しているかどうか、5つの方法で確認することができます。
▼MFI移行完了のチェック方法5つ
- ログイン後のポップアップ:一定期間は「移行済み」のポップアップが表示される
- URL検査の結果:ユーザーエージェントが「スマートフォン用Googlebot」ならOK
- インデックス→カバレッジ:メインクローラが「スマートフォン」ならOK
- 拡張→各メニュー:ソースが「スマートフォンクローラ」ならOK
- 設定:概要のインデックスクローラが「スマートフォン用 Googlebot」ならOK
MFI対応済みサイトが行うべきSEO対策は?
結論から言うと、自サイトがMFIに対応済みだった場合、特別な対策は必要ありません。
なぜなら、「MFI対応済み=スマホでも見やすく快適に操作できる」と見なせるため、仮に完全移行後にネガティブな影響があったとしても限りなく小さいと予想されるからです。
とはいえ、モバイルフレンドリー対応としてURLをPC用とスマホ用の2種類で使い分けている「セパレート形式」を採用している場合は、悪影響を受ける可能性も否定できません。
可能であれば、URLのセパレート形式からレスポンシブ形式へ変更した方が無難です。
こんなスマホサイトは安心!MFIの高評価ポイント
下記の3点を満たしているMFI対応済みのWebサイトは、Googleからもスマホユーザーからも高く評価されるため、検索順位が低下するリスクはほぼ無いと言って良いでしょう。
▼MFI対応の成功例
- 表示速度:短時間の閲覧でもストレスを感じない快適さ
- レスポンシブデザイン:同一URLで、全てのデバイスで最適に表示される
- モバイルフレンドリー:スマホユーザーが満足する「使いやすさ」と「読みやすさ」
MFI未対応サイトの基本対策!移行できない原因は?
Google検索セントラルでは、まだMFIに対応していないサイトに向けて対応策を公開しています。
逆説的に言うと、下記の4点がMFIに移行できない原因とも言えるのです。
▼MFI未対応サイトの基本対策
- PC用とスマホ用でコンテンツの差異をなくす
- robotsメタデータの差異をなくす
- クローラーのアクセス不備を修正する
- 画像や動画の画質やURLを統一する
この段落では、特に押えておきたい4項目についてご紹介しましょう。
なお、MFIで影響を受けやすいサイトやスマホ向けのSEO対策については、下記の記事でも詳しく解説しております。
PC用とスマホ用でコンテンツの差異をなくす
「本文」はもちろん「タイトル」や「見出し」、「画像」や「ディスクリプション」にいたるまで、コンテンツを構成している各要素がPC用とスマホ用とで異なる状態はNG。
MFI適応後は、ユーザーがどの端末で閲覧しても同じ内容が表示される状態が、SEOの理想形となります。
PCでは表示されるのにスマホでは表示されない…といったページは、ユーザーにとって利便性に欠ける低品質コンテンツだと見なされても文句は言えません。
robotsメタデータの差異をなくす
ユーザーの目には直接触れませんが、メタデータの差異をなくすのもMFI対策の基本です。
Googleの検索ロボット(クローラー)に正しい情報が伝わるよう、下記の5点をPCとスマホで統一しておきましょう。
▼統一すべきメタデータ
- noindexやnofollowなどのメタタグ
- canonicalタグ
- alternate(PC用とスマホ用でURLが異なる場合)
- hreflang(PC用とスマホ用でURLが異なる場合)
- 構造化データ
クローラーのアクセス不備を修正する
コンテンツとリソースに対し、Googlebot が支障なくアクセスできなければモバイルコンテンツは機能しません。
▼クローラーのアクセス不備が発生する要因
- robots.txtにより、スマホページがブロックされている
- noindex タグにより、スマホページのインデックスがブロックされている
- PCページがスマホページにリダイレクトされる
- スマホページのエラー
クローラーのアクセス不備が発生した際の対処法は、Google検索セントラルの「モバイル ファースト インデックス登録に関するおすすめの方法」で個別に解説されています。
画像や動画の画質やURLを統一する
画像や動画はユーザーの注目を引く手段としては有効ですが、画質やURLは統一するのが基本です。
PCより画面サイズが小さいスマホに対し、動作の軽量化を狙って画像を縮小するとGoogleから低評価を受け兼ねません。
ちなみに、画像のMFI対策に役立つ情報は下記の記事で解説しております。
スマホのSEO対策!MFI関連ポイント
MFIの概念は、スマホ利用者のユーザビリティを評価基準にしている「モバイルフレンドリー」がベースになっています。
つまり、スマホでコンテンツにアクセスした際、ユーザーがより快適に閲覧・操作できるほどSEO評価が高くなり、上位表示されやすくなるのです。
そこで問題となるのが「スマホのユーザビリティ」です。
特に下記の3点は、スマホのユーザビリティにおいて欠かせない要素と言えるでしょう。
▼スマホのユーザビリティを左右する要素と対処法
- 操作性:UI/UXを改善
- 表示速度:軽量なWebPなどで、コアウェブバイタルに対応
- 目的地へのシンプルな導線:ハンバーガーメニューやグローバルナビゲーションの追加
ここからは、MFIに対応すべくスマホSEOの基本であるユーザビリティを向上させる方法について解説します。
なお、MFIと関連性の高いスマホのSEO対策については、下記の記事でも詳しく解説しております。
スマホのユーザビリティに直結するUI/UXを改善
スマホのユーザビリティと切り離せないのが、UI(ユーザーインターフェイス)とUX(ユーザーエクスペリエンス)の存在です。
厳密には下記のように区別されていますが、大きく解釈するとUIはUXの一部と解釈されています。
▼UIとUXの特徴
- UI:ユーザーがサイト内で視覚的に触れる、全ての情報
- UX:ユーザー体験
UI/UXを意識したデザインほど、ユーザーの滞在時間が長くなり、離脱リスクが低下すると実証されています。
つまり、サイトの「見やすさ」や「操作性」を追求するにはUI/UXを意識したデザインが望ましく、まさにスマホのSEO対策において欠かせない要素なのです。
▼UI/UXの改善ポイント
- UI:読みやすいフォントサイズ/タップしやすい位置にボタンを配置
- UX:ストレスを感じない表示速度/目次を追加して最短距離で目的地まで誘導
なお、UIとUXの改善ポイントについては下記の記事を参照して下さい。
Core Web Vitals(コアウェブバイタル)で重視されるポイント
Core Web Vitals(コアウェブバイタル)とは、Googleが2021年に導入を予定しているUX指標で、検索ランキングに追加される要因です。
ユーザー体験(UX)の向上を目的に掲げており、下記3つの要素で構成されています。
▼Core Web Vitalsの構成要素
- 速度(LCP)
- 安定性(CLS)
- 操作性(FID)
上記の通り、MFIの高評価ポイントと重複しているのが分かります。
特に、スマホからサイトにアクセスするユーザーは、わずかな隙間時間を利用しています。
そのため、スマホのSEOにおいてユーザビリティの優れたコンテンツだと評価してもらうには、「今すぐ答えが知りたい!」というユーザー心理に素早く応えなければなりません。
Core Web Vitalsについては、下記の記事で詳しく解説しております。
WebPで表示速度を改善
MFI導入後にスマホSEOで高評価を得るには、表示速度の改善が欠かせません。
そこで注目されているのが、JPEGやPNGよりも20%以上も軽量な画像フォーマットWebP(ウェッピー)です。
特に圧縮性能が非常に高く、アニメーションもサポートされています。
画像の軽量化を目指している方は、下記の記事を参照して下さい。
簡単に目的地まで辿り着けるシンプルな導線
すきま時間でサイトにアクセスしているスマホユーザーは、最短距離で目的地に辿り着けるシンプルな導線を好みます。
サイト構造を分かりやすく、かつ導線を短くするにはハンバーガーメニューやグローバルナビゲーションが有効です。
機能性とデザイン性を兼ね備えたデザインも多く、コピペできるCSSも公開されていますのでぜひ挑戦してみましょう。
具体的な作成方法などは、下記の記事で詳しく解説しております。
まとめ
2021年3月末からは、スマホサイトが検索結果の評価基準となるMFIがSEO対策のベースになります。
「上位から下位へ急落した!」「インデックスされなくなった!」といった失敗を避けるには、本記事でご紹介した対応策を参考にして下さい。
まだMFIの対応が済んでいない方は、今すぐ取り掛かるのが賢明です。
「自力で行う自信がない…」という方は、ペコプラまでご相談下さい。
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