アンカーテキストとは?SEO上の効果・注意点・確認方法を解説
2020.02.21
検索エンジンとユーザビリティの両面でSEO効果を発揮するアンカーテキスト。その反面、不適切な方法で設置するとGoogleから「作為的に被リンクを獲得しようとしている!」とみなされて、ペナルティを受けるリスクもあります。では、SEO効果を最大限に高めつつペナルティを回避するには、どのような方法でアンカーテキストを最適化すれば良いのでしょうか?
アンカーテキストとは?
アンカーテキスト(anchor text)とは、文中にリンクを設定した「語句」や「文章」を指しており、クリックすると別のページやサイトが表示される仕組みになっています。
例題として、下記の2種類を比較してみましょう。
▼アンカーテキストなし
Webサイトの検索順位を上げるには、時代に合ったSEO対策が重要です。
▼アンカーテキストあり
Webサイトの検索順位を上げるには、時代に合ったSEO対策が重要です。
全く同じ文章でも、下段では「時代に合ったSEO対策」に対してアンカーテキストリンクが設定されており、当社ペコプラのTOPページへとジャンプします。
アンカーテキストのHTML
アンカーテキストに使用するアンカータグ「<a>~</a>」は代表的なHTMLタグの一つで、下記のようにリンクを設定したいテキストを囲むように記述します。
検索順位を上げるには、<a href=”https://pecopla.net/”>時代に合ったSEO対策</a>が重要です。
アンカータグで囲まれたテキストは一目でリンクが設定されていると分かるよう、文字の色の変化やアンダーバーなどでフォントが装飾され、クリックによってhref属性で指定したリンク先へとジャンプします。
アンカーテキストのSEO効果
まずは、Googleが公式サイトでアナウンスしているアンカーテキストに関する記載を見てみましょう。
リンクテキストとは、リンク内に表示されるテキストです。このテキストはユーザーや Google に対して、リンク先のページについての情報を伝えます。ページ上のリンクには内部的なリンク(サイト上の他のページを参照しているもの)もあれば、外部的なリンク(他のサイトのコンテンツにつながるもの)もあります。どちらの場合でも、アンカー テキストが効果であるほど、ユーザーがナビゲートしやすくなり、Google がリンク先のページについて理解しやすくなります。
引用元:Search Consoleヘルプ
上記の内容から、アンカーテキストは検索エンジンに対してはもちろんユーザーに対しても役立つ要素であり、正しく設定すればSEOへの効果も期待できると解釈できます。
検索エンジンに対するSEO効果
最適化されたアンカーテキストは、検索エンジンに対して大きなSEO効果を発揮します。
なぜなら、クローラーと呼ばれる検索エンジンロボットは、リンク先の内容を<a>~</a>で設定されたアンカーテキストによって評価しながらWebサイトを巡回しているからです。
▼アンカーテキストが検索エンジンに与える影響
- リンク先の内容が適切に伝わる
- 関連性の高い内容のページかどうかが、質を評価する判断材料になる
また、検索エンジンはアンカーテキストに含まれているキーワードを、そのリンク先のページの重要なキーワードだと認識します。
つまり、リンク先のページは重要なキーワードを含むアンカーテキストからリンクされることで、キーワードと関連性の高い内容が書かれているページだと検索エンジンに認識され、検索結果での順位上昇効果が期待できるのです。
ユーザビリティに対するSEO効果
適切に記述されたアンカーテキストは、ユーザーに対して下記のようなメリットを提供することができます。
- リンク先の記事にどのような内容が書かれているか、一目で理解できる
- 自分にとって有益なページだけを選択できる
- アクセスする価値があるか判断できる
中でも、Webサイト全体の使いやすさに直結するのが「ナビゲーションメニューに設定するアンカーテキスト」です。
そのWebサイトがどのようなテーマを扱っているのか、どこにどんなコンテンツがまとまっているのかが一目で分かるので、Googleが重視しているユーザビリティを向上させる必須要素と言えるでしょう。
一方、文中に設定する場合はアンカーテキストの前後でリンク先の内容を説明することも可能ですが、記事の飛ばし読みなどで必ずしもユーザーに読んでもらえるとは限りません。
そのため、前後の説明文を読まなくてもアンカーテキストだけでリンク先の内容が一目で伝わる方が、ユーザビリティにおいて理想的と言えます。
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アンカーテキストは、ただリンクを貼れば良いという訳ではありません。
適切な方法で設定されたアンカーテキストは、より高いSEO効果を発揮してくれるのです。
リンク先の内容を簡潔かつ分かりやすく伝える
アンカーテキストは、リンク先の内容を「簡潔かつ分かりやすく」記述することが重要です。
とはいえ、キーワード単体だけでは説明が十分とは言えません。
例題として、お手本になる2種類のアンカーテキストを見てみましょう。
アンカーテキスト例1
上記の画像では、リンク先の記事タイトルそのものをアンカーテキストとして利用しています。
一目見ればリンク先の内容が「Googleが掲げる10の事実」について書かれていると、瞬時に分かるはずです。
アンカーテキスト例2
こちらは、検索エンジンDuckDuckGoに関する記事内のアンカーテキストです。
リンク先にジャンプすると「duck.com」というドメインの過去の状態が表示されるということがすぐに予想できます。
指示語を避けて具体的に説明する
ブログやサイト運営を始めたばかりの方にありがちなのが、下記画像のように単体では意味をなさない「指示語」をアンカーテキストとして使用する失敗例です。
失敗例
上記の例のように、「こちら」「ここ」といった指示語を使ったアンカーテキストには、前後の説明を読まなければリンク先の内容がイメージしづらいというデメリットがあります。
つまり、「曖昧な指示語」よりも「説明的なフレーズ」の方がリンク先の内容が正確に伝わる分、アンカーテキストとして適しているのです。
ちなみに、単体ではリンク先の内容が伝わらないという意味では、コンテンツのURLをアンカーリンクとして使用するのも避けた方が良いでしょう。
SEOキーワードを含める
アンカーテキストにリンク先のSEOキーワードを含めるのも効果的な方法です。
リンク先の内容に関連性の高いSEOキーワードを用いてアンカーテキストを作成することで、検索エンジンが重要なキーワードを正確に認識するための手助けとなります。
SEOキーワードを含める例
上記の画像は、別記事へジャンプする内部リンクのアンカーテキストです。
「日付/ページスピードインサイト/リニューアル/使い方」という関連性の高いキーワードが含まれていますので、ユーザーも検索エンジンもリンク先の記事のメインキーワードを簡単に理解することができます。
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キーワードの詰め込み過ぎや長文はNG
アンカーテキストでは適切なキーワードを使い、検索エンジンとユーザーにリンク先の内容を理解してもらう必要があります。
とはいえ、キーワードを詰め込み過ぎた長すぎるアンカーテキストは、検索エンジンとユーザーの両方を迷わせる原因に成り兼ねません。
特に検索エンジンは、キーワードが多いとどのキーワードが重要なのか判断できないのです。
また、アンカーテキストが長いとリンク先の内容を把握するのに時間がかかり、ユーザーにとっても不便です。
むしろ、「○○する方法」「○○の仕組み」といったシンプルなフレーズの方が、理想的なアンカーテキストと言えます。
Googleは画像リンクよりテキストを推奨
Googleは公式サイト上で、リンクにおける画像とテキストのどちらに優位性があるのか下記のようにアナウンスしています。
重要な名前、コンテンツ、リンクを表示するときは、画像ではなくテキストを使用します。テキスト コンテンツの代わりに画像を使用する必要がある場合は、alt 属性を使用して簡単な説明テキストを組み込みます。
引用元:Search Consoleヘルプ(訪問者がページを利用しやすいよう手助けする)
つまり、Googleは画像にリンク設定するよりもテキストにリンクを設定すべきだと主張しているのです。
ちなみに、Googleが公式サイトで言及している通り、画像に貼られたリンクは「altタグに記述した文字」がアンカーテキストの役目を果たします。
画像をリンクとして使用する場合、その画像の alt テキストが、テキストリンクのアンカー テキストと同様に扱われることです。
引用元:Search Consoleヘルプ(検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド)
画像リンクのaltタグ記述例
リンクを貼った画像をクリックすることで、リンク先の記事に飛べるように設定することが可能です。
しかし、画像へのリンクはアンカーテキストの設定ができないため、alt属性(オルト)と呼ばれるaltタグに「代替テキスト」を入力する必要があります。
▼altタグのHTML記述例
<a href=”/”><img src=”example.jpg” alt=”アンカーテキストの仕組み”></a>
画像リンクのalt属性は、検索クローラーにとってSEOの評価要素です。
そのため、通常のアンカーテキストと同様に簡潔かつリンク先の内容を分かりやすく表現するのはもちろん、画像のデザイン性ともマッチしていなければなりません。
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WordPressでalt属性を設定する方法
一方、WordPressでalt属性を設定する場合はHTMLを記述する必要はありません。
上記画像の赤枠で囲ってある「代替テキスト」という項目に、画像を表す文章を入力するだけで、alt属性が簡単に設定できます。
画像内容を簡潔に表しつつ、リンク先の説明も含めた代替テキストを設定しましょう。
アンカーテキストの分散方法と注意点
同じフレーズでアンカーテキストを繰り返し設定するよりも、フレーズを変えて分散する方がSEOへの効果は高くなります。
▼効果的なアンカーテキストの分散例
- Webサイト名:SEO.com
- 記事タイトル:初心者でもできるSEO対策10選
- オリジナルテキスト:Googleに好かれるSEO対策
ただし、下記のようにアンカーテキストの分散方法を間違ってしまうと、アクセス稼ぎが目的の作為的なリンクとみなされてしまうため注意が必要です。
▼アンカーテキストのNG分散例
- 「SEO 診断」などキーワードだけの直接的なアンカーテキストの多用
- ユーザーの利便性を無視した不自然な設置
- アンカーテキストとリンク先の内容が一致していない
アンカーテキストは正しく分散すれば高いSEO効果が期待できますが、リンク販売業者の常とう手段としても使われているような、Googleからスパム判定が下される不自然なアンカーテキストは避けなければなりません。
Googleペナルティを招くアンカーテキスト
この段落では、Googleがペナルティの対象と定義しているアンカーテキストのNGパターンについて解説します。
リンク先が非公開・リンク切れになっている
リンク先のページが非公開・リンク切れになっている場合、リンクを踏んだユーザーはすぐにページを離脱してしまうでしょう。
最悪、検索エンジンからユーザビリティが低いコンテンツだと見なされてしまうと、検索順位の低下やインデックスの削除などSEOにとって致命的なダメージを受け兼ねません。
リンク先コンテンツとの関連性が薄い
Googleはユーザビリティの高さを検索結果に反映させています。
ところが、アンカーテキストのフレーズはもちろん、設定してあるページとリンク先の内容が一致していない、あるいは関連性が薄いと、ユーザーの期待は裏切られてしまいます。
興味がないページに誘導されたユーザーはすぐにページから離脱するだけでなく、「このWebサイトは信用できない!」と不快な印象を抱くかもしれません。
リンク先の内容とリンク元の内容の関連性が高く、リンクを貼ることでユーザビリティが向上する場合にのみリンクを設置しアンカーテキストを設定しましょう。
スパムサイトにリンクされている
以下のようなスパムサイトにリンクを貼ってしまうと、SEO上の評価を下げてしまう要因になります。
- リンクプログラムに参加しているサイト
- オリジナルのコンテンツがほとんど存在しないサイト
- 予想した結果と異なる結果を提供しているサイト
- 上昇させたいキーワードだけでアンカーテキストを量産している
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アンカーテキストに関するQ&A
この段落では、アンカーテキストに関するよくある質問を取り挙げてみました。
同一アンカーテキストの内部リンクはペナルティの対象?
上位表示したい記事に対して、サイト内のあらゆるページから同一のアンカーテキストで内部リンクを設置することで、上位表示を助けることが可能です。
ただし、それが自然な形で構築された内部リンクであれば問題ありませんが、不自然な内部リンクはGoogleからペナルティを受ける可能性があります。
あくまでユーザーがサイト内を巡回するために役立つツールとして、アンカーテキストを活用した内部リンクを設置しましょう。
アンカーテキストの内部リンクだけで上位表示できる?
結論から言うと、アンカーテキストの内部リンクを追加しただけで検索順位が大幅に上昇することはありません。
確かに、最適化されたアンカーテキストはサイト内の「どこ」に「何が」書かれているのかを検索エンジンに正しく伝えることができます。
その結果として優れたユーザビリティを備えた高品質コンテンツだと評価されれば、理論的には上位表示も可能です。
しかし、検索結果は複合的な要素の総合評価によって決定されるため、どんなに内部リンク構造が最適化されていても「コンテンツの質」がお粗末であれば上位表示は叶いません。
アンカーテキストの比率は10%が最適?
ページ内の比率を気にするWeb制作者も多いようですが、アンカーテキストの量と検索結果に明確な関係性はありません。
たとえアンカーテキストがコンテンツの大部分を占めている記事でも、ユーザビリティの向上に役立っているのであれば上位表示は可能です。
その反面、ユーザーのためではなく作為的な被リンク獲得のためにアンカーテキストを多用しているコンテンツは、結果検索エンジンにも評価されずSEO上マイナスになります。
つまり、重視すべきはアンカーテキストの比率ではなく、「ユーザーにとって有益かどうか」という一点に尽きるのです。
Google Search Consoleを使ったアンカーテキストの確認方法
これまでアンカーテキストに注意を払ってこなかったという方は、一度ページごとの状態を見直してみてはいかがでしょうか?
Google Search Consoleを活用すれば、特定のコンテンツに対してアンカーリンクが「どこから」「どの程度」設定されているのか一覧表示されるうえ、修正も手間取りません。
Google Search Consoleにログインすると下記の画像が表示されますので、左側のサイドメニューにある「リンク」をクリックしましょう。
続いて下記の画像が表示されたら、右下にある「詳細」をクリックします。
右上にある「▼マーク」をクリックし、メニューから「ターゲットページ」を選択して下さい。
下記画像の赤枠で囲っているスペースに、上位表示を狙っているコンテンツのURLを入力します。
すると、下記画像の赤枠で囲ってあるスペースに対象のURLが表示されますのでクリックしましょう。
次の画面では、入力したターゲットページに対して内部リンクを設定しているコンテンツのURL一覧が表示されます。
URLにカーソルを合わせると右上に画像赤枠内のマークが表示され、クリックによって対象URLへ移動できる仕組みになっています。
アンカーリンクが適切に設定されているか確認し、不適切であれば修正しておきましょう。
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まとめ
リンク先の内容と関連性の高いSEOキーワードを含めたアンカーテキストを記事内に設定することで、ユーザビリティの向上だけでなく検索エンジンに対するSEO上の効果も期待できます。
その反面、不適切なアンカーテキストは検索結果の下落要因となるのはもちろん、Googleのペナルティ対象にもなる厄介な存在です。
サイト内のコンテンツ量が膨大に増えて手に負えなくなる前に、一通り整理してみてはいかがでしょうか。
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