Webサイトの読み込み速度を改善するためにできること
2021.09.02
読み込み速度は訪問者にとって大きな問題です。
Google社によると、ページの表示に3秒以上かかると53%のユーザーが離脱するとのこと。
読み込み速度がわずかに異なるだけで訪問者、CV等、大きな違いが生じると囁かれているほど、サイト運営にとって読み込み速度は大切なものです。
なぜそこまで大きな違いが出るのか、その理由や読み込み速度が遅いデメリット、チェックするツールやサイト作成時の注意点などをまとめていますのでご覧ください。
読み込み速度がなぜ大切なのか
なぜ読み込み速度が大切なのかは、主に下記の理由が考えられますが、いずれもサイト運営に於いて大切な部分だと考えることができます。
読み込み速度が遅いと直帰率が高くなる
読み込み速度が遅いサイトにアクセスした時のことを思い出してみてください。
なかなかサイトが表示されないので、そのまま何もせずに違うページにアクセスすることが多いのではないでしょうか。
多くの訪問者にとって、読み込み時間は無駄でしかありませんので、読み込み速度が遅ければ、サイトが表示されるまで待つのではなく帰られてしまいます。
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CVに影響が出る
読み込み速度が遅いと、先にお伝えしたようにサイトを見てもらうことなく、他のページに移動されてしまう可能性が高まります。
そのため、CVなどのWEBサイト本来の目的も果たせなくなります。
CVだけではなく、様々な指標を改善するためにはサイトを閲覧してもらってこそですが、読み込み速度が遅いと、サイトそのものを見てもらえません。
自信のあるサービス・商品だとしても、見てもらえなければ閲覧者から選ばれることはありません。
競合のサイトと比較して不利になる
全てのサイトの読み込み速度が遅ければ不利になることもありません。
しかし現実的にはサイトによって読み込み速度が異なります。
遅いサイトと速いサイトを比較したとき、閲覧者がどちらを選ぶかは言うまでもありません。
仮に競合のサイトの読み込み速度が速ければ、見込み顧客は自社サイトが表示される前に離脱し、競合サイトにアクセスすることでしょう。
このように、競合サイトととのアクセス数の比較という面に於いても不利になります。
ストレスを与えることでサイトの信頼がなくなる
読み込み速度が遅く、サイトが表示されなければ、訪問者が再度アクセスする可能性は低いです。
サイトを閲覧できないことから、サイトに対して「表示されないサイト」だと判断することでしょう。
つまりは訪問者からの信頼を損ねます。
サイトの中身を見てニーズと異なると判断されるのであればまだしも、表示されない、つまりは何も見られていない状態でありながら信頼を損ねることになるので勿体ないです。
SEO上不利になる
サイトの読み込み速度は、SEOにも影響してきます。
というのも、検索上位に上がるためには検索意図へのマッチ、コンテンツの内容は最重要ではありますが、同じレベルのコンテンツであるサイトが複数ある場合は、検索順位の決定要因として、サイトの読み込み速度が影響してきます。
そのため、競合他社と比較した際に、競合のサイトの方が検索結果の上位に表示されてしまう可能性もあります。
そうなると、結果として流入数の減少、クリック率の低下などの要因になります。
読み込み速度が速いサイトのメリット
読み込み速度が遅いと様々なデメリットがあることが分かっていただけたのではないでしょうか。
裏を返せば、読み込み速度が速いサイトにはメリットが多数あることを意味しています。
そこで、いくつかメリットもご紹介しましょう。
閲覧者のストレスの軽減
読み込み速度が速いサイトとは、閲覧者が自分の好きな時にサイトを閲覧できる状態なので、閲覧に際してのストレスがありません。
サイト全体が表示されるまで、例えほんの数秒だとしても、閲覧者にとっては大きなストレスです。
その数秒で、「もういい」「違うサイトにしよう」と思う閲覧者が珍しくありませんが、読み込み速度が速く、すぐに表示されるサイトでストレスを覚える閲覧者はいません。
ストレスなくサイトを閲覧してもらえれば、ポジティブな気持ちでサイトを閲覧してもらえますので、CVにも繋がりやすいなどメリットが考えられます。
サイト・コンテンツの多くを見てもらえる
読み込み速度が速ければ、サイト内の多くのコンテンツや細かい部分まで見てもらえる可能性が高まりますのでCVも期待できますし、サイトを通して自社の魅力のアピールも可能です。
読み込み速度が遅いサイトの場合、サイト内を移動するだけでも一苦労です。
仮に辛抱強く表示されるまで待ってもらえたとしても、サイト内を閲覧してもらえる可能性は低いですが、読み込み速度の速いサイトであれば、そのようなネガティブな気持ちを抱かれることもありませんので、サイト内の様々なコンテンツを閲覧してもらえる可能性が高くなります。
ECサイトの場合、閲覧者の視界に入る商品数が変わる
ECサイトの場合、読み込み速度は閲覧してもらえる商品数に比例すると言っても過言ではありません。
読み込み速度が速ければ、多くの商品を閲覧してもらえます。
逆に読み込み速度が遅い場合、一つの商品を表示するだけでも時間がかかってしまいますので、他の商品を見てもらえる可能性は低くなりますし、見てもらえないということは、購入にまで至る可能性もありません。
ECサイトは如何に自社の商品を見てもらうかにかかっているといっても過言ではありませんが、読み込み速度こそ、商品を見てもらうために大切な部分です。
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SEO上有利になる
上記のデメリットの部分でも解説しましたが、読み込み速度を改善することで、検索順位の上昇と言った効果を得る可能性があります。
そうなると流入数の増加などにも繋がりますので、読み込み速度を速くすることでSEO上のメリットを得ることができます。
読み込み速度をチェックできるツール
読み込み速度が如何に重要なものなのかが分かっていただけたのではないでしょうか。
しかし、読み込み速度が速いか遅いかは、判断が難しいところ。
そこで読み込み速度を数値化できるツールをいくつかご紹介します。
これらのツールを活用することで、サイトの読み込み速度を体感ではなく、指標として客観的に理解できます。
PageSpeed Insights
Googleが提供していることから、信頼性の高いページ表示速度計測ツールです。
出典:https://developers.google.com/speed/pagespeed/insights/?hl=ja
「PageSpeed Insights」ではベージの表示速度を100点満点で採点します。
- First Meaningful Paint
- CPUの初回アイドル
- インタラクティブになるまでの時間
- 速度インデックス
- First Contentful Paint
これら5つの角度から速度を判断。
スコアは順位を現しています。
つまり、100点であれば世界全体で1位を意味していますし、90点であれば10位となります。
ちなみに日本のECサイトの場合、40点台後半であったとしても読み込み速度は平均以上とのことです。
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Lighthouse
拡張機能ダウロード先:https://chrome.google.com/webstore/detail/lighthouse/blipmdconlkpinefehnmjammfjpmpbjk?hl=ja
こちらはwebアプリやサイトを監査するためのツールで、サイトの評価の確認も可能です。
ページスピードだけではなく、SEO対策の項目も用意されていますので、サイトの総合的な評価を知ることが可能です。
こちらはGoogle chromeの拡張機能から導入が可能で、
- Performance
- ProgressiveWebApp
- Accessibility
- Best Practices
- SEO
の5つの項目をチェックできるのですが、この中の「performance」が読み込み速度に関連した項目となっています。
Google Analytics
出典:https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/
読み込み速度チェックツールというよりも、アクセス解析ツールとして多くのサイト運営者が活用しているツールです。
Googleが提供している信頼感もさることながら、無料でありながら様々な解析が可能な点が人気のポイント。
検索はもちろんですが、SNSやアフィリエイト等様々なチャンネルの分析が可能なので、コンテンツマーケティングに欠かせないツールです。
そんなGoogle Analyticsには、読み込み速度や応答速度の表示も可能。
ブラウザ、国、ページ毎の読み込み速度の確認が可能です。
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developr ツール
Google chromeにて提供されているツールで、こちらもサイトの表示速度の測定が可能です。
サイト全体の読み込み速度や個別の要素を把握できる点がポイント。
例えば「画像の読み込みに時間がかかっている」「プラグインページの表示が遅い」など、細かい部分まで把握が可能なので、プラグインや画像を多く採用しているサイトにとって有用なツールです。
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SE Ranking
出典:https://seranking.com/jp/
こちらはSEOのツールです。
無料トライアルも可能なので試しに使用できる点もポイントです。
基本的にはSEOのためのツールなのですが、サイト全体を巡回し、読み込み速度に関しての問題点の検知が可能なので、読み込み速度を含めたSEO対策が可能です。
基本的に有料のサービスになりますので質の高さが特徴。
検査のスケジュール設定やxmlサイトマップ作成など、無料のツールでは見られない機能が多々用意されています。
Test my site
出典:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/feature/testmysite/
こちらもGoogleが公開したツールです。
使い方は簡単で、Test my siteにアクセスし、チェックしたいURLを入力するだけで読み込み時間やアクセス者の推定離脱率が把握できます。
また、同じ業界内の比較やサイトを修正することで短縮できる読み込み速度、さらには優先度の高い修正点まで指摘してくれます。
読み込み速度改善のためのサイト制作のポイント
読み込み速度を把握したら、サイト制作にフィードバックすることで、サイトの読み込み速度の改善を目指しましょう。
サイトの読み込み速度改善のためのポイントもまた、多々あるのですがいくつか重要なものをご紹介しましょう。
サーバーを見直す
サイトの読み込み速度の問題の多くはサーバーに起因しています。
細かいテクニカルな対策よりも、サーバーを変更することで改善されるケースが珍しくありません。
自社でサーバーを立ち上げている場合にはサーバーの増強も選択肢の一つですし、レンタルサーバーであればサーバーを変更するのも良いでしょう。
一般的に、サーバーの費用と質は比例しています。
安いサーバーの場合、維持費は安いですが多くの訪問者がサイトに訪れた際には読み込みが遅くなる可能性が高いです。
また、自社サイトだけではなく、同じサーバーに申し込んでいる他の業者のサイトにアクセスが集中した場合にも、基本的に同じサーバーなので影響が出るケースもあります。
サイトを開設するにあたっては、どれくらいのアクセスを記録するのか分からないのでサーバーのミスマッチが起きてしまうのは仕方ない問題ですが、様々な理由からサイトの表示が遅いと感じるようであれば、質の良いサーバーに変えた方が良いでしょう。
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タグ・ソースを見直す
閲覧者のデバイスがサイトのソースを読み込むことでサイトが表示されます。
つまり、タグやソース次第でもまた、読み込み速度が変わります。
無用なタグを多用していたり、スペースが多かったり、あるいはソースコードの記述にミスがあるなど、サイト内部に問題があるとサイトの読み込み速度は遅くなります。
サイト作成のためのタグやソースは、表示させるためだけのものではなく、読み込み速度にも関係する部分です。
できる限りシンプルなタグ、ソースを心掛けることで、読み込み速度の改善が期待できます。
映像や動画は軽量化を徹底する
動画や画像を使用したサイトは珍しくありませんが、これらはサイズの容量が大きいので、読み込みにはどうしても時間がかかります。
しかし、動画や画像は文章よりも多様なアピールが可能なので、サイト作成に欠かせないコンテンツです。
そこで、動画や画像に関してはできる限り軽量化するようにしましょう。
画像であれば圧縮率を高めたり、あるいは画像のサイズを小さくするだけで容量を抑えることができます。
動画の場合、ビットレートや音質を落とすことで容量のカットになり、サイトの読み込み時間の改善に繋がります。
もちろん動画の長さも重要です。
長い方が多々アピールできるとはいえ、読み込み速度が遅くなり、動画そのものを見てもらえないようでは意味がありませんので、短くするなど動画の容量も抑えるよう努めてみましょう。
まとめ
このように、読み込み速度はサイト運営に於いて需要な部分です。
読み込み速度が僅かに異なるだけでサイトへのアクセス数も変わります。現代の消費者には選択肢が豊富に用意されていることから、表示に時間がかかるサイトを、すべて表示されるまで辛抱強く待って閲覧しようとは思いません。
結局は離脱されてしまいますので、サイト制作時にはサイトの読み込み速度も十分に意識する必要があります。
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