直帰率をSEOに活用する方法・調べ方について

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SEO対策
2019.09.11
直帰率をSEOに活用する方法・調べ方について

Google analyticsを使ってサイトの管理を行っていると幾つかの指標についてのデータを見ることができます。字面からなんとなくは把握しているけれど、これらが厳密にどのような指標であり、サイト管理にどう生かせばいいのかまでは判らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はその中でも直帰率の定義や調べ方、有効な活用の仕方を解説していこうと思います。

直帰率(Bounce Rate)の定義は?

ユーザーが最初に訪問したページからサイト内の別ページに移動せず、サイト外へと離脱することを直帰(bounce)と呼びます。直帰率とはサイト内のページに関する指標の一つで、あるページについて「直帰が発生した回数/最初に訪問された回数」の割合を示しています。

例を挙げると、サイト内にあるページAが最初に訪問された回数が50に対して直帰が10回発生したとするとページAの直帰率は10/50=20%となります。
直帰が発生する行動は以下を参照してください。

  • 検索結果に戻る(ブラウザバック)
  • ブラウザを閉じる
  • アドレスバーに新しいURLを入力する
  • 外部へのリンクを踏む
  • 非アクティブのままセッションがタイムアウトになる

また似た指標として離脱率がありますが、こちらは「直帰以外でそのページからサイト外へと移動した割合」を示します。

直帰率の調べ方と活用法

直帰率の基礎知識

定義については前述した通りですが、では直帰率の高低や問題のない数字はどの程度なのかという疑問が出てくると思います。この質問に対する解答は実は非常に困難なのです。何故なら直帰率は、あくまで直帰が発生したという結果を示した指標に過ぎず、かなり曖昧なものだからです。

直帰が発生した原因や過程を探るためには自サイトの構造やサイトが扱うコンテンツ、他の指標などの分析が必要不可欠です。
例えばブログのように最新の更新部分だけを見ることがほとんどのサイトの場合、直帰率が平均して高くなる傾向にあります。逆にECサイトやBtoBサイトは低くなる傾向があるので直帰率が高いと何らかの問題を抱えている可能性があります。

また、なぜ直帰が発生したかについても考える必要があります。というのも直帰が発生した原因は究極的には二つに分かれるからです。一つはユーザーが満足しなかった場合、もう一つはユーザーが満足した場合です。つまり同じ結果であるにも関わらず発生した理由が真逆になる可能性があるということです。この点が直帰率を非常に曖昧で困難な指標にしている原因でもあります。

直帰率の種類と調べ方

直帰率を調べる方法として最もポピュラーな方法はGoogle Analyticsのレポートを使うことでしょう。
直帰率を調べる際の注意点としてはどういった視点から見るかによって手順が異なる点です。ここではサイト全体の直帰率、流入経路(チャネル)ごとの直帰率、ページごとの直帰率について解説します。

・サイト全体の直帰率
レポートにある「オーディエンス」→「概要」の順にクリック
図1:サイト全体の直帰率(画像はGoogle Analyticsのデモ版を使用。以降の画像も同様)。以下直帰率以外の簡単な説明。
図1:サイト全体の直帰率(画像はGoogle Analyticsのデモ版を使用。以降の画像も同様)。

以下直帰率以外の簡単な説明。

ユーザー
サイトの利用者数
新規ユーザー
初めてサイトを利用したユーザーの数
セッション
ユーザーがサイトを訪問した回数。訪問数。
ユーザーあたりのセッション数
一人のユーザーにつきサイトを何度訪問したかの平均。いわゆるリピート率。
ページビュー数
サイト内のページが表示された回数。他の項目で出てくる際は「ページ」と略されていることが多い。
ページ/セッション
一回のセッション=訪問で表示されたページビュー数の平均。

この項目単体で活用するのではなく他のサイトとの比較や自サイト内での直帰率の目安とします。ただ、直帰は前述した通り真逆の理由で発生するため、全体の直帰率はあくまで参考程度と考えた方が良いでしょう。

・流入経路(チャネル)別の直帰率
流入経路(チャネル)別の直帰率はユーザーがページに入ってきた方法ごとの直帰率です。
Google Analyticsのレポートにある「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」の項目を順にクリックしていけば見ることができます。
図2 :チャネルごとの直帰率及びその他データ
図2:チャネルごとの直帰率及びその他データ

各項目の説明は以下の通りです。

Organic Search(自然検索)
Googleなどの検索エンジンからの訪問。マイナーな検索サイトはReferralに分類されることもある。
Referral(別サイトからの流入)
外部リンクなどの別サイトからの訪問。計測対象に含まれていない場合アフィリエイトサイトもこちらに含まれる。
Direct(直接の流入)
URL入力やブックマーク、QRコード、計測設定していないEmailからの訪問。
Paid Search(有料検索)
有料のリスティング広告からの訪問。
Social(ソーシャルメディアからの流入)
YouTube、Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアからの訪問。
Affiliates(アフェリエイトからの流入)
計測設定をしているアフィリエイトサイトからの訪問。していない場合はReferralに分類される。
Display(ディスプレイ広告の流入)
バナー広告やサイトの広告枠からの訪問。
Email(メールからの流入)
計測設定を行っているメールからの訪問。それ以外はDirect扱いになる。
other(その他)
上記いずれにも分類されないもの

チャネル別の直帰率が高い場合、それぞれの項目について外部SEO施策が効果的に行われていない可能性があります。それらの原因と改善方法については後の「直帰率が高くなる原因と改善方法」の項目で詳しく説明します。

・ページごとの直帰率
文字通りサイト内のページそれぞれについての直帰率です。全体の直帰率とチャネル別の直帰率同様レポートから、
で確認できます。
「全てのページ」も「ランディングページ」もページごとの直帰率を見ることができますが、直帰率の分析で用いやすい項目である「ページ/セッション」、「平均セッション時間」が参照できる「ランディングページ」を使った方が良いでしょう。

図3:「行動」→「サイトコンテンツ」→「全てのページ」で表示されるデータ
図3:「行動」→「サイトコンテンツ」→「全てのページ」で表示されるデータ

図4:「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」で表示されるデータ(ランディングページ=ユーザーが訪問の際に最初に表示したページのことを指す)。

図4:「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」で表示されるデータ(ランディングページ=ユーザーが訪問の際に最初に表示したページのことを指す)。

チャネル別の直帰率が外部SEO施策に関する目安であることに対し、ページごとの直帰率は内部SEO施策に関する目安と言えます。内部施策が上手くいっていないと感じた場合、ページごとの直帰率や他の指標を参考にすると良いでしょう。

直帰率が高くなる原因と改善方法

問題のあるチャネル/ページを特定する

コンテンツに満足した場合でも直帰が発生するのでまず問題があって直帰率が高いページを探す必要があります。この際、参考としやすいのが「ページ/セッション」、「平均セッション時間」(上記画像黄枠参照)です。

「ページ/セッション」はそのページが関係したセッションの平均回数を表し、「平均セッション時間」は同様にセッションの平均時間を表します。ただし、直帰や離脱が発生したページに関してはセッション時間が0と計上されますので注意して下さい。

サイト全体の「ページ/セッション」の方は図1でも少し触れていますが、こちらは該当ページがランディングページとなったセッションにおけるページビュー数の平均を表しています。
例えば図4の「/store.html」での「ページ/セッション」の値は5.18なので、ユーザーが「/store.html」をランディングページとした場合、サイト内のページは平均で5.18回表示されているということを示しています。

「平均セッション時間」も同様に該当ページがランディングページとなったセッションでの平均滞在時間を表しています。
「/store.html」の場合「平均セッション時間」が00:03:20ですので、「/store.html」から訪問した際、ユーザーは平均して00:03:20秒サイト内に留まっていたということになります。
これら二つは基本的にどれだけユーザーが回遊を行っているかの指標であるため、「ページ/セッション」、「平均セッション時間」の数字が低く、直帰率が高い場合は何らかの問題を抱えている可能性があります。

全般の直帰率が高くなる原因

・コンテンツが不十分である
そもそもコンテンツ自体にユーザーが満足しなければ当然直帰率は高くなります。頻繁な更新や信頼性の高い情報、独自コンテンツを増やすことが重要です。

・ページが見づらい、デザインが悪い
どれだけコンテンツが充実していてもユーザーにストレスがかかるようなレイアウトやデザインでは意味がありません。
Googleオプティマイズのビジュアルエディタを使えばURLを変更することなくWeb上で複数のパターンを作成し、比較検討することができます。オプティマイズにはA/Bテストやリダイレクトテスト、制限付きながらも多変量テスト(MVT)機能もありますのでページ改善を行う際には非常におススメのツールです。
また、モバイル用のページがない場合はスマートフォンなどから閲覧しにくくなっている可能性が高いので専用のページを作るようにして下さい。

・表示速度が遅い
デザイン等の問題と同じでユーザーはストレスのかかるページを好みません。ページの表示スピードが速いか遅いかはGoogle Analyticsのレポートで「行動」→「サイトの速度」→「速度についての提案」をクリックすれば表示速度と改善案について示してくれます。

問題のあるチャネルの直帰率が高くなる原因

・ユーザーが期待したコンテンツが存在していない
ユーザーは何らかの意図をもってページを訪問しますが、その意図が満たされなかったあるいは満たすことができないと判断した場合直帰が発生します。
この場合、検索結果に表示されるスニペット、広告に使用している画像やコピーがコンテンツと一致していないと考えられます。

・ユーザーの行動プロセスを想定していない
インターネットを想定したユーザーの行動プロセスとしてAttention(注意)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の頭文字を取ったAISAS(アイサス)の法則、Search(検索)とAction(行動)の間にComparison(比較)、Examination(検討)を加えたAISCEAS(アイセアス)の法則が存在しています。
サイトを訪問した時点で多くのユーザーはSearch(検索)、あるいはComparison(比較)、Examination(検討)の段階にいます。つまり最終的な目標はどうあれ、ユーザーが最初に訪問した時点の目的は情報収集がほとんどです。

チャネルからの直帰が発生する場合、それぞれのランディングページが情報収集の段階を想定していない可能性があります。特に商品紹介や広告のように即Action(行動)を促すコンテンツしかない構成はユーザーが直帰しやすい原因となります。関連する知識や記事を埋め込み、ユーザーが判断するに足る情報を提供するようにしてください。

問題のあるページの直帰率が高くなる原因

・内部リンクが適切でない、あるいは少ない
ユーザーのニーズとコンテンツが一致していても、コンテンツ同士がリンクされていなければ訪問者は他のページへ移動することができず、直帰するしかなくなります。トップページや「戻る」だけの内部リンクも避けるようにして下さい。
またリンクにはページタイトルを明示し、行き先をはっきりさせておくことも重要です。できるだけ階層構造を意識し、関連のある項目同士をリンクでつなげるようにして下さい。

まとめ

直帰率は非常に難しい指標ですが他の指標と組み合わせることでサイトの様々な問題点を発見することができます。サイトのどこかに問題があるかもしれないけれど具体的にどこに問題点があるか判らないという場合、様々な角度から直帰率を分析すれば今まで見えていなかったもの見えてくるでしょう。

Google Analyticsから様々なデータを得ることができますので、今まで有効活用していなかったという方は、この記事で紹介している直帰率からまずは調べてみて、サイトの改善に役立ていただければと思います。

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