見出しとは、新聞など、様々な記事や文章において内容の要点を非常に短い言葉にまとめてあるもので、たいていは、本文より大きな字で最初の文章の前に置かれることが多い。また書籍・索引などに使われる目次としての意味もあります。
見出しは、記事を見た人が最初に目につくものになりますので、その記事の内容がわかりやすくかつ読みたくなるように書く必要があります。それでは見出しの付け方を見ていきましょう。
見出しを付けるメリット
記事は見出しを付けずとも執筆することが可能です。では、見出しを付けるメリットはあるのでしょうか。見出しを付けるメリットを見ていきましょう。
読みやすい記事になる
中見出しや小見出しを一切使わずに執筆された記事は、読みづらい印象を受けます。
見出しがない記事はぱっと見てどこに何が書いてあるのかがわからず、見にくいです。また、WEB記事を読むユーザーは長文を読まない傾向にあるので、ずらずらと長い文章よりは見出しで区切った短い文章のまとまりを好む傾向にあります。そのため、見出しのある記事のほうが、ユーザーにとっては読みやすい記事となるのです。
さらに、見出しは目次にもなるので、見出しを付けることによってユーザビリティ向上にも繋がります。
SEO対策になる
見出しはSEO対策にもなります。
見出しタグを使うことで、クローラーにとってもわかりやすい記事になります。記事の内容を適切に検索エンジンに伝えられるので、見出しタグの使用はSEO対策にも繋がるのです。
SEO対策については下記の記事でも解説しています。
効率的にライティングできる
ライティングを始める前に見出しだけを制作することで、効率的にライティングできるようになります。
見出しを作らずにいきなりライティングを始めると、何をどの順番で書いたらよいのか、全体の文字数がどのくらいになるのかを把握できず、まとまりのない文章になることがあります。
先に見出しを作ってからライティングを始めるとよいでしょう。
ライティングについては下記の記事でも解説しています。
まず見出しの大前提として、長くならないことです。あくまでも記事の内容を要約したものとなりますので、言いたいこと・重要なことを1行で書くのが基本ですので、ダラダラと長い文章にならないように気をつけましょう。ここでは、Webライティングにおいて見出しをつけるうえで重要なことを見ていきます。
見出しの付け方(基本編)
まずWEBライティングの見出しをつける際の基本事項について解説します。
見出しが記事の内容に即している
これは、基本中の基本で、記事の内容と見出しが一致していない場合、ユーザにとって読む価値のないものとなってしまいます。見出しをつける場合は、まず記事を書いてから言いたいことを書き出して文節にするか、タイトルが決めてから見出しをつける場合は、まずどんな記事にするのか構成を考え、それぞれに必要な情報を抜き出してみましょう。
タイトルで使われている言葉を入れる
タイトルや見出しで記事の象徴となる言葉(キーワード)を使うと、SEO対策としても効果があると言われています。タイトルで使用しているキーワードを見出しでも使うことで、効果的に記事の内容を伝えることができます。
例:
タイトル:冷蔵庫が故障した!その原因と対策は?
見出し1:冷蔵庫が故障する主な原因
階層を意識する
見出しが複数ある場合、階層を意識するとまとまって見えます。
例:
タイトル:冷蔵庫が故障した!その原因と対策は?
見出し1:冷蔵庫が故障する主な原因
見出し2:冷蔵庫が故障した場合に取るべき対策
見出しを見ただけで内容がわかるようにする
ユーザーは文章をすべて読むとは限りません。そのため、WEB記事は見出しを見ただけである程度内容が把握できるのが理想です。
たとえば、次のような見出しはごちゃごちゃとしている上に、ぱっと見て何が書いてあるのかわかりません。
中見出し:見出しを作るメリットってあるの?
小見出し1:見出しを付ければ読みやすい記事になるって本当?
小見出し2:SEO対策に見出しは重要
小見出し3:見出しは効率的にライティングするのに必須!
この中見出しは「メリットはあるのか?」という問いを投げかけています。それに対する答えは「YES」か「NO」とならなければいけません。しかし、小見出しでは「見出しを付ければ読みやすい記事になるって本当?」とさらに問いを投げかけたり、「SEO対策に見出しは重要」と問いに対する答えとしてはおかしな答えを述べていたりしています。そのため、この構成は中見出しと小見出しにズレが生じていることになります。
この中見出しを使うのであれば、「見出しを作るメリットはある」という内容のテキストを中見出しの下にライティングするのが適切であるといえるでしょう。
見出しを作るメリットを小見出しで分けて解説したいのであれば、「見出しをつくるメリットは何か?」という問いを中見出しで投げかけるのが適切です。そして、小見出しはその問いに答える形で作らなければいけません。
よって、この構成の場合、正しい見出しは、
中見出し:見出しを付けるメリット
小見出し1:読みやすい記事になる
小見出し2:SEO対策になる
小見出し3:効率的にライティングできるようになる
となります。
ユーザーが知りたい順番にする
見出しは構成の役割も果たします。そのため、見出しの順番も熟考する必要があります。「ユーザーが知りたい順番にする」のか、「論理的な順番にする」のか、難しいところですが、基本的には「ユーザーが知りたい順番」で執筆するとよいでしょう。
たとえば、「栄養は食事とサプリメントどっちで摂取する?」という記事があったとします。
この記事の場合、ユーザーが知りたいのは「栄養は食事とサプリメントどちらで摂取するのがよいのか」です。そのため、「ユーザーが知りたい順番」で見出しを作ると、
見出し1:栄養は食事から摂取しよう
見出し2:サプリメントの役割とは?
といった順番になります。
「論理的な順番にする」場合、サプリメントの役割を説明したうえで、栄養は基本的に食事から摂取し、サプリメントはあくまで補助的なものであることを伝えるとよいです。そのため、「論理的な順番にする」のであれば、
見出し1:サプリメントの役割とは?
見出し2:栄養は食事から摂取しよう
このようになります。
WEB記事においては、基本的には「結果」を先に書きます。ユーザーは素早く情報を知りたいので、知りたい「結果」を後ろの方に配置してしまうとその記事に価値を感じなくなってしまうのです。そのため、見出しの構成も、「ユーザーが知りたい順番」、つまり記事タイトルに対する答えを最初に持ってくるのがおすすめです。
しかし、記事の内容によってはそれに限らないことがあります。
たとえば、「おすすめのサプリメント10選」といった記事の場合、一見ユーザーが知りたいのは「おすすめのサプリメント(商品)」のように思えます。そのため、「おすすめのサプリメント」という見出しを作って商品を紹介していくのを一番におこなったほうがよいように思えるでしょう。
しかし、この記事を見るユーザーは「自分ではサプリメントを選べないユーザー」です。そのため、「サプリメントを選ぶコツ」を先に伝えなければ、いくら商品を紹介したところでユーザーはその商品のよさを理解できません。
よって、この記事の場合、
見出し2:サプリメントの選び方
見出し2:おすすめのサプリメント
といった構成が適切であるといえるでしょう。
ユーザーの知りたいことを考えたうえで、見出しの順番を決めましょう。
見出しの付け方(テクニック編)
ここでは、見出しをつける際に意識すると良い事項を4つご紹介します。なお、どの見出しにも共通しますが、2018など具体的な数値を入れることによって具体性や信頼性が向上しますので、数値に信頼がある場合は見出しに数値を入れると良いです。
ターゲットが明確になっている
誰に向けての記事なのか分かれば、ターゲットにされたユーザから読む確率が高くなります。そのため、ターゲットが明確であれば見出しに入れ込んでみましょう。
△:今行ってみたい絶景花見スポット
◎:20代女性におすすめな絶景花見スポット
上の見出しは、花見に行きたい人向けということはわかりますが、ターゲットが明確ではないため、本当に自分にとって有益な情報なのか分かりにくくなっています。そこで、下の見出しのように、「20代女性」と具体的なターゲットを入れることで、誰向けた記事なのか明確になります。
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読むことによるメリットが記載されている
1にも関連しますが、記事を読むことによるメリットが記載されていると、それに悩ませている人に対して訴求することができます。
△:はじめてのマネジメント実践講座
◎:これを読めば1週間でチームが動き出す!はじめてのマネジメント実践講座
上の見出しは、マネジメントを実践したい人の講座というのはわかりますが、この講座を受けることによる結果が良くわかりません。そこで、下の見出しのように、「1週間でチームが動き出す」と具体的なメリットを入れることによって、1週間でチームが動き出すマネジメントはどんなものなのか
興味を引くことができます。
最新の情報であることを意識する
記事の情報が、最新のものとわかれば、ユーザの興味を引くことができます。そのため、例えば「2018年最新の花粉症の新常識」といったように最新であることがわかるフレーズを入れてみましょう。
感情を刺激する
よくあるのが「今さら聞けないビットコインの常識」といった今さら聞けないシリーズです。その他にもダイエット系で良く見かける、1週間で10キロやせた魔法のダイエット法といったように読者の感情を刺激する見出しです。こういった、いわゆる煽り系の見出しは、常識と思われていることを覆したり、読者の不安などの感情を刺激することで、訴求することができます。
しかし、あまりにも煽りすぎると炎上する可能性がありますので、内容とかけ離れすぎない程度に見出しをつけるように心がけましょう。
なお、見出しにの表現方法には、第三者として客観的に伝える客観見出しと、編集者、読者代表としての印象が加えられた主観見出しの2つがあります。
客観見出し
記事の内容を具体的事実で表現します。速報性の高いニュース中心のものは客観見出しが多いです。
例:がん治療と仕事両立 6割困難
主観見出し
編集者や読者の考えを加味したもの。
例:大もうけなのにベアゼロどうして
子どもの姿に思わずジーン
コラム記事などは、読者の理解を求めるもの、論評・主張する見出しや記事が多用しますが、一方的な押しつけにならないように注意しましょう。1面全体を1つのテーマで作る場合、面全体のテーマを打ち出すスローガンのような<テーマ見出し>もよく使います。
ここまでは、記事における見出しの付け方についてご紹介しました。次はWEBにおける見出し(hタグ)についての付け方や注意事項をご紹介します。
WEBにおける見出しとは?
WEBにもコンテンツの内容を把握するための見出しが存在します。それがhタグで、h1~h6まであります。数値が小さいほど重要な見出しとなり、最も重要な見出しはh1となります。
また検索エンジンは、つまり記事における見出しと同様に、コンテンツの内容を把握するために見出し(hタグ)を参考にしていますので、通常の記事と同様、コンテンツ内容に即した見出し(hタグ)をつける必要があります。
見出しをつける際の注意点
見出しは視覚的にわかりやすいようにデザインする
最も重要な大見出しとなるh1を最初に強調し、次に小見出しをマークアップするといったように、CSS等で調整して視覚的にわかりやすくしながら見出しをデザインする必要があります。見出し(h1~h6)ごとに違う色やフォントサイズにすれば、ユーザにとってどれが重要なのか視覚的に伝えることができます。
見出しにキーワードを詰め込み過ぎない
h1ではキーワードを含めるとお伝えしましたが、あくまでも1つか2といった無理のない範囲での話です。「不動産 埼玉」、「不動産 千葉」、「不動産 北海道」といったようにキーワードをあまりにも詰め込み過ぎるとキーワードスパムと判定され、サイト全体の評価が下がってしまいますので、不自然な形でキーワードを繰り返し使わない、詰め込み過ぎないように注意してください。
デザイン上の都合で使用しない
こちらは、Gooole検索エンジン最適化スターターガイドにも記載がありますが、本来強調タグ(strong)を使ったほうが良い箇所やデザインやスタイルを整える目的で見出しタグを使用してしまうと、
記事論理構成が崩れてしまいますので、見出しタグをデザインや強調目的で使わないようにしてください。
検索エンジン最適化スターターガイド
長すぎないようにする
見出しはh1もh2~h6も長すぎないようにしましょう。1行で収まる文字数にするとよいです。目安としては、h1は30文字以内、h2~h6は20文字程度にしましょう。