GAIQってどんな資格なの?難易度・出題範囲・傾向と対策を徹底解説!
2022.12.09
GoogleがUAからGA4への移行を決定して以降、GAIQ(Googleアナリティクス個人認定資格)への関心が高まっているのをご存知ですか?そこで今回は、そもそもGAIQとはどのような資格なのか・SEO担当者にとってのメリット・テストの難易度・傾向と対策・試験問題の一例などについて解説します。
GAIQとは?
GAIQ(ジーエーアイキュー:Google Analytics Individual Qualification)とは、Googleアナリティクスの「運用能力」および「習熟度」を認定するIT資格です。
日本語の正式名称を「Googleアナリティクス個人認定資格」と言い、WEBマーケターやブログの運営者など「解析ツールを使いこなしてSEOに役立てたい!」という方が資格を取得しています。
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GAIQの概要
GAIQの資格試験を受けるために必要なのは、「Googleアカウント」と「ネット環境」の2つのみ。テストはオンライン形式になっていますので、24時間いつでも何処からでも受験することが可能です。
ただし、合格するまで何度でも繰り返し受験できるものの、不合格だった場合は24時間が経過しないと再試験は受けられません。
主催 |
Google |
年齢制限 |
なし |
受験資格 |
Googleアカウントの保持者 |
認定証 |
Googleアカウントに紐づく |
受験料 |
無料 |
コースの種類 |
初心者向けコース/上級者向けコース |
試験様式 |
オンラインテスト |
試験日 |
特定の試験日はなく、いつでも可能 |
資格の有効期限 |
12ヵ月 |
再受験までに必要な時間 |
24時間後 |
GAIQの資格には12ヵ月の有効期限が設けられています。つまりライセンスを継続するには1年に1度のペースで資格試験を受け直さなければなりません。
UAからGA4への移行決定でGAIQが再注目!
なぜSEO関係者の間でGAIQへの注目が高まっているのでしょうか。その理由は Googleが2022年3月16日に公式サイト上で発表した「2023年7月1日をもってUAのサポートを順次終了し、今後はGA4へと移行する」というアナウンスが影響していると考えられます。
ユニバーサル アナリティクスのサポートは終了します
(最終更新日: 2022 年 3 月 16 日)今後数か月間はこのページをチェックして、最新情報をご確認ください。
Google アナリティクス 4 は、ユニバーサル アナリティクスに代わる次世代の測定ソリューションです。2023 年 7 月 1 日をもって、標準のユニバーサル アナリティクス プロパティにおける新しいヒットの処理は停止されます。現在ユニバーサル アナリティクスをご利用のお客様には、Google アナリティクス 4 を使用するための準備をしていただくことをおすすめします。
引用:アナティクス ヘルプ
まずは、2022年時点での現状を下記のイラストで確認してみましょう。
現状ではGoogleアナリティクスの中に「従来型のUA」と「後発のGA4」という2種類のプロパティが存在しており、どちらを使って解析するかはSEO担当者が選択できる仕組みになっています。特筆すべきは、現時点におけるGAIQの試験問題は従来型のUAに特化されており、後発のGA4は含まれていないという点でしょう。
つまり、UAのサポート終了に伴い、今後はGAIQの試験問題もGA4に一本化される見通しなのです。「GAIQの資格試験に備えてUAとGA4の違いが知りたい!」という方は、下記の記事を参照して下さい。
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SEO担当者がGAIQの資格を取得するメリット
GAIQの資格は、SEO関係者にとって下記のようなメリットがあります。
メリット
- 解析の理解が深まる
- アナリティクスのエキスパートだと証明できる
アクセス解析に関する理解が深まる
GAIQの資格試験に合格するには、Googleアナリティクスに関するスキルを網羅的に身に付けなければなりません。
合格に必要なスキル
- 基本的な知識
- アクセス解析の仕組み
- 機能を使いこなす実務能力
言い換えれば、GAIQ合格へ向けて試験勉強を重ねることでアクセス解析への理解が深まり、「集客が増えない理由」や「より効果的なSEO対策」が見えてくるのです。日頃からGoogleアナリティクスを活用している上級者の中には、GAIQの資格を取得する過程で「新たな発見があった!」という方も少なくありません。
アナリティクスのエキスパートだと証明できる
2つ目のメリットは、クライアントに対する絶好のアピール材料になるという点です。確かに、SEOアナリストやWebコンサルタントなどは資格の多さや肩書ではなく、何より実力が問われる職種です。とは言え、客観的な評価が裏づけになるのも事実。
その点、名刺やポートフォリオのプロフィール欄に「Google Analytics認定資格」と記載されていれば、一目で「この人はアナリティクスのエキスパートなんだな」「アクセス解析が得意なSEO担当者なら安心かも」といった好印象を与えることができます。
なお、「クライアントに提出するレポート作りを自動化したい!」という方は、下記の記事を参照して下さい。
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GAIQってどんな試験なの?
ここでは、GAIQの資格試験を受ける前に知っておくべき3つのポイントをご紹介します。
GAIQ試験のポイント
- テストの難易度
- 試験内容とルール
- 試験問題の出題範囲
テストの難易度
GAIQの資格はレベルが異なる2種類のコースに分かれています。
コースの種類
初心者向けコースはGoogleアナリティクスの入門といった位置づけなので、難易度はそれほど高くはありません。加えて、上級者向けコースを受験した熟練者の多くが物足りなさを感じているようです。つまり、どちらのコースも難易度は高くないものの「スキルアップの証明」としてGAIQの資格を取得しておいて損はないでしょう。
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試験内容とルール
GAIQを受験する前に、具体的な試験内容について把握しておきましょう。
問題数 |
70問 |
問題形式 |
選択形式 |
制限時間 |
タイムリミット90分/所要時間の目安1時間 |
合格ライン |
80%(70問中56問以上の正解) |
合格判定 |
即時 |
GAIQは試験中に「中断」および「画面移行」ができません。1度スタートボタンをクリックすると、どのような理由があろうとタイマーが進み続けてしまいます。ネット回線が切断されたりPCの充電が切れたりしないよう、万全の準備を整えておきましょう。
試験中の注意点
- 途中で中断できない
- 終了するまで、他の画面に移ることができない
- 分からない問題を飛ばすと、前の画面に戻れない
- 回答した問題を見直すことができない
試験問題の出題範囲
GAIQの出題範囲を大きく分類すると、4つのジャンルに分かれています。
出題範囲
- 解析ツールの仕組み
- 導入、設定、管理方法
- データの収集方法
- レポートの見方
実際の問題例については、この記事の最後にご紹介しています。
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GAIQを取得する方法と手順
ここからは、GAIQを受験する方法と手順について画像付きで解説していきます。
①「スキルショップ」へアクセスし、自分のGoogleアカウントでログインする
②「すべてのトピック」から、緑色の枠で囲ってある「Googleアナリティクス」を選択する
③「ユニバーサルアナリティクス」を選択する
ちなみに、UAからGA4への移行が完了した後に試験を受ける場合は、「Googleアナリティクス4」からアクセスできるようになると予想されます。
④「Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)」を選択する
⑤「Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)試験」を選択する
⑥「開始する」をクリックし、90分以内に70問を解く
GAIQの試験対策
GAIQの資格は独学でも取得することができますが、合格者の大多数は事前に下記のような試験対策を行っているのが実情です。
対策方法
- Googleの無料オンラインコース
- GAのヘルプページを活用する
- オススメの書籍
Googleの無料オンラインコースを受講する
GAIQの試験対策として最も効果的なのは、ライセンスの発行元であるGoogleが提供している「アナリティクスアカデミーの無料オンラインコース」です。
初心者向けコースまたは上級者向けコースを選択すると、動画を視聴しながら受講することができます。動画の音声は英語のみですが、字幕は日本語への変更が可能です。動画には「理解度チェックテスト」も含まれていますので、ぜひ挑戦してみましょう。
オンライン動画で受講する手順
- アナリティクスアカデミーにアクセスする
- 初心者または上級者コースを選択する
- 動画画面の右下にある「登録」をクリックする
- 簡単なアンケートに回答する
- 左サイドバーのメニューから視聴したい動画、またはテストを選択する
GAのヘルプページを活用する
2つ目のGAIQ対策は、アナリティクスヘルプを活用する方法です。基本機能を復習したり、分からない用語を検索したりすることで理解が深まります。
オススメの書籍
「基礎から応用まで、じっくり時間をかけて学びない!」という方には、書籍を使った学習方法が適しています。ただし、Googleアナリティクスに関する書籍は種類が多すぎて選び難いのが実情です。その点、下記の書籍ならGAIQの出題範囲が一通り学べます。
おすすめの書籍
- 「【書籍】わかばちゃんと学ぶ Googleアナリティクス〈アクセス解析・Webマーケティング入門〉」湊川 あい (著)
- 「徹底活用 Googleアナリティクス: デジタルマーケティングを成功に導く解析・改善のための操作ガイド」NRIネットコム、神崎健太、坂本祐、齋藤圭祐、山川俊哉(著)SBクリエイティブ出版
GAIQの例題に挑戦してみよう!
GAIQの試験ではどのような問題が提出されるのか、その一例をご紹介しましょう。ちなみに、下記でご紹介する例題はアナリティクスアカデミーの無料オンラインコースに含まれている「理解度チェックテスト」から引用しています。
初心者向けコースのテスト問題
アナリティクスアカデミーの初心者向けオンライン講座は4つのユニットで構成されており、各ユニットの最後に10問ほどのテスト問題が設けられています。GAIQの資格取得を目指している方は、下記の例題を参考にしてください。
ユニット1:「Google アナリティクスの紹介」に関する問題
第3問 アナリティクスのトラッキング コードでは、次のうちどれを収集できますか。
(該当する回答をすべて選択してください)
- ブラウザに設定されている言語
- ブラウザの種類
- ユーザーのお気に入りのウェブサイト
- デバイスとオペレーティング システム
ユニット2:「Google アナリティクス インターフェース」に関する問題
第2問 「ユーザー」指標で計測する対象は何ですか。
- ウェブサイトの合計訪問数
- 特定の期間にサイトで 1 回以上のセッションを記録したユーザーの数
- ウェブサイトのホームページにアクセスしたユーザー数
- ウェブサイトでメールのニュースレター購読を申し込んだユーザーの数
ユニット3:「ベーシック レポート」に関する問題
第9問 ユーザーがウェブサイトで最初にアクセスしたページを確認できるのはどのレポートですか。
- イベント > ページ
- すべてのページ
- 離脱ページ
- ランディング ページ
ユニット4:「基本的なキャンペーンおよびコンバージョン トラッキング」に関する問題
第9問 自動タグ設定を有効にすると何が行われますか。
- アナリティクス タグがキャンペーン URL に追加される
- Google 広告タグがキャンペーン URL に追加される
- キャンペーンのハイパーリンクがウェブサイトのページに追加される
- アナリティクス トラッキング コードがウェブサイトのページに追加される
上級者向けコースのテスト問題
上級者向けコースの方も4つのユニットに分かれており、各ユニットは複数の動画とテスト問題のセットになっています。
ユニット1:「データの収集と処理」に関する問題
第7問 Google アナリティクスではブラウザやデバイスが変わっても、複数のセッションにわたってデフォルトでリピーターを認識できる。
ユニット2:「データの収集と設定」に関する問題
第8問 カスタム ディメンションが有効な場合、どのデータが影響を受けますか。
- カスタム ディメンションの適用前に収集されたデータ
- カスタム ディメンションの適用後に収集されたデータ
- プロパティのすべてのデータ
- プロパティのどのデータも影響を受けない
ユニット3:「高度な解析のツールとテクニック」に関する問題
第2問 カスタム セグメントを作成するために使える条件は次のうちどれですか。
(該当する回答をすべて選択してください)
- ディメンション
- 指標
- セッションの期間
- ユーザーのアクションの順序
ユニット4:「高度なマーケティング ツール」に関する問題
第6問 リマーケティング オーディエンスを作成する際に、使用できる Google アナリティクスのデータは何ですか。
(該当するものをすべて選択してください)
- 既定のセグメント
- カスタム セグメント
- ユーザーのメールアドレス
- ウェブサイトを訪れたことのないユーザーの数です
まとめ
GAIQはSEO担当者にとって必須の資格ではありません。しかし、有資格者という客観的な評価があればクライアントとの交渉が有利に運ぶのはもちろん、部署を跨いだチーム作業も円滑になるはずです。
「Googleアナリティクスのベストプラクティスを極めたい!」「UAのサポート終了に備えてGA4をマスターしたい」と思っているなら、GAIQの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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