【2023年最新】年末年始の順位変動は2022年12月のヘルプフルコンテンツとリンクスパムアップデートが原因!?
2023.01.28
2023年の年明け早々、大きな順位変動に驚かれた方も多いのではないでしょうか?
これは、2022年12月に実施されたヘルプフルコンテンツアップデートとリンクスパムアップデートが影響していたと思われます。
そこで今回は、通常よりも長期化していた年末年始の順位変動について考察してみました。
2022年のGoogleアルゴリズムアップデート一覧
Googleは、2022年に計10回のアルゴリズムアップデートを実施しています。
その内、大がかりなコアアルゴリズムアップデートは、5月と9月の2回でした。
リリース日 |
完了日 |
アルゴリズムの名称 |
2022年2月22日 |
2022年3月3日 |
パソコン向けページ エクスペリエンスに関するアップデート |
2022年3月23日 |
2022年4月6日 |
商品レビューに関するアップデート |
2022年5月25日 |
2022年6月9日 |
コアアップデート(May 2022 core update) |
2022年7月27日 |
2022年8月2日 |
商品レビューに関するアップデート |
2022年8月25日 |
2022年9月9日 |
ヘルプフルコンテンツアップデート |
2022年9月12日 |
2022年9月26日 |
コアアップデート(September 2022 core update) |
2022年9月20日 |
2022年9月26日 |
商品レビューに関するアップデート |
2022年10月19日 |
2022年10月21日 |
スパムに関するアップデート |
2022年12月5日 |
2023年1月12日 |
ヘルプフルコンテンツアップデート |
2022年12月14日 |
2023年1月12日 |
リンクスパムアップデート |
2022年12月~2023年1月まで長引く順位変動!
上記の一覧表で分かる通り、通常のアルゴリズムアップデートは1~2週間ほどで完了します。
これに伴う順位変動は、アルゴリズムアップデートがリリースされた直後が最も大きく、数日で収束するのが一般的です。
にもかかわらず、2022年12月初頭から始まった順位変動は1ヶ月以上も続いており、むしろ年末年始の方が激しくなっていました。
国内の順位計測ツール
出展:pecopla
海外の順位計測ツール
出展:コグニティブSEOシグナル
順位変動が長引いている理由
なぜ今回の順位変動は長引いているのか、その理由として12月にリリースされた2種類のアルゴリズムアップデートが影響していると思われます。
▼順位変動が長引いている要因
- 2022年12月5日:ヘルプフルコンテンツアップデート
- 2022年12月14日:リンクスパムアップデート
事実、下記2種類のアルゴリズムアップデートが2022年1月12日にロールアウトを同時に完了して以降は、明らかにボラティリティ(順位変動幅)が小さくなっているのです。
なお、アップデートの進捗状況については、Googleのダニー・サリバン氏が年明け早々にMastodon(マストドン)上でアナウンスを発信しています。
ヘルプフルコンテンツアップデート
ここからは、ランキング変動を長引かせている要因の1つ、December 2022 helpful content updateについて解説します。
▼ヘルプフルコンテンツアップデートの概要
- リリース開始(2022年12月5日)
- ロールアウト完了(2023年1月12日)
- ヘルプフルコンテンツシステムへ改名
- ヘルプフルコンテンツシステムとは?
リリース開始(2022年12月5日)
2022年12月7日、「ヘルプフルコンテンツアップデートを太平洋時間2022年12月5日に開始した」とGoogle Search CentralのTwitterアカウントで全世界へ向けてアナウンスされました。
上記のツイートを翻訳し、SEO関係者が把握しておくべきポイントをピックアップしてみました。
▼ポイント
2022年8月25日に初めてヘルプフルコンテンツアップデートが実施されたときは、英語圏のみが対象でしたが、今後は日本語を含めたすべての言語が対象となります。
ロールアウト完了(2023年1月12日)
ヘルプフルコンテンツアップデートは年末年始の長期休暇を挟んで実行されたため長引いていましたが、2023年1月12日にロールアウトが完了したと公式上で周知されています。
2022 月 12 月のヘルプフル コンテンツ アップデートをリリースしました。これにより、分類器が改善され、すべての言語のコンテンツ全体でグローバルに機能します。ロールアウトは 2023 年 1 月 12 日に完了しました。
引用:Googe検索セントラル ランキングに関するアップデートのリリース履歴
ヘルプフルコンテンツシステムへ改名
2022年11月21日にGoogleのランキングシステム一覧が公開された際、「アップデート」から「システム」への用語変更についても同時に発表されました。
これに伴い、名称が下記のように改名されています。
▼名称の改名
- 旧名称:ヘルプフルコンテンツアップデート(December 2022 helpful content update)
- 新名称:ヘルプフルコンテンツシステム(Helpful content system)
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ヘルプフルコンテンツシステムとは?
ヘルプフルコンテンツシステム(Helpful content system)とは、クラシファイア(classfier)というAIによってユーザーに役に立つコンテンツかどうかを分類するランキングシグナルです。
プロダクトレビューシステム(Product reviews system)と同じく、より高品質なコンテンツをユーザーに届ける目的で導入されました。
検索エンジンを攻略するために作られたコンテンツをランキング上位から除外する仕組み、と言った方がイメージしやすいかもしれません。
ヘルプフルコンテンツシステムに関するGoogleの公式アナウンスから、SEO関係者が押さえておくべきポイントをピックアップしてみました。
▼ポイント
- ページ単位だけでなく、サイト全体でも評価される
- 低品質コンテンツが多いと、サイト内の別コンテンツの評価も下がる
- ただし評価の1つに過ぎず、他のシグナルで有用と判定された場合は上位表示も可能
- 質の低いコンテンツを削除した後、評価がリカバリするまで数ヵ月かかることもある
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リンクスパムアップデート
続いて、順位変動が長期化している2つ目の要因と考えられている、リンクスパムアップデートについて解説します。
▼リンクスパムアップデートの概要
- リリース開始(2022年12月14日)
- ロールアウト完了(2023年1月12日)
- リンクスパムシステムへ改名
- リンクスパムアップデートとは?
リリース開始(2022年12月14日)
Googleは、リンクスパムアップデート(December 2022 link spam update)を太平洋時間2022年12月14日に実施しました。
上記のツイートを要約し、SEO関係者が把握しておくべきポイントをピックアップしてみました。
▼ポイント
- スパムブレイン(SpamBrain)を活用している
- 検索結果が操作されないよう、「不自然なリンク」の影響を無効化する
ロールアウト完了(2023年1月12日)
リンクスパムアップデートは通常よりも緩やかなペースで実装されたものの、2023年1月12日にロールアウトが完了しています。
2022 年 12 月のリンクスパム アップデートをリリースしました。このアップデートはグローバルであり、すべての言語を対象としたものです。ロールアウトは 2023 年 1 月 12 日に完了しました。
引用:Googe検索セントラル ランキングに関するアップデートのリリース履歴
リンクスパムシステムへ改名
「アップデート」から「システム」への用語変更に伴い、名称が下記のように変化しています。
▼名称の改名
- 旧名称:リンクスパムアップデート(December 2022 link spam update)
- 新名称:リンクスパムシステム(link spam system)
リンクスパムシステムとは?
リンクスパムシステム(link spam system)とは、リンクスパムを防止する目的で導入されたアルゴリズムで、AI ベースのスパム防止システム「スパムブレイン(SpamBrain)」を用いているのが特徴です。
SpamBrain は、AI をベースにした Google のスパム防止システムです。スパムを直接検出できるだけでなく、リンクを購入するサイトと、アウトバウンド リンクを渡す目的で使用されるサイトの両方を検出できるようになりました。
引用:Google検索セントラル 2022 年 12 月のリンクスパム対策アップデートのリリース
公式サイトのアナウンスで注目すべきは、特定できる範囲が大きく広がったという点でしょう。
▼特定できる範囲の違い
- 従来:悪質で不自然なリンク
- 今後:「お金で不正リンクを買っているサイト」や「発リンク目的のサイト」まで
SpamBrain系のアップデートはこれまでも何度か行われてきましたが、より一層Googleの本気度が伺えます。
しかも、今回のリンクスパムアップデートは、2022年10月19日に実施されたスパムアップデートから2ヶ月も経たずに行われているのです。
なお、スパムリンクとリンクスパムの違いについては下記の記事で解説しておりますが、防止するための原理に大きな違いはありません。
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アルゴリズムアップデートに対処は必要?
結論から言うと、種類・規模・順位変動の大きさにかかわらず、アルゴリズムアップデート直後の対処は必要ありません。
むしろ、慌てるあまり問題点を理解せずに的外れな対応をすると、逆効果になり兼ねないのです。
Googleいわく、Webサイトの運営者がコンテンツ作りで最も注力すべきなのは、ユーザーにとって有益かどうか。
文字数やキーワードの出現率ではなく、検索ユーザーが知りたがっている答えを分かりやすく表現しているコンテンツを、コツコツと作り続けるのが最良の方法です。
なお、検索ユーザーにとっての「役に立つコンテンツ」と「役に立たないコンテンツ」の違いについては、Google検索セントラルの「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」で詳しく解説されています。
まとめ
2022年の年末から2023年の年始にかけては、例年よりも順位変動が長期化していました。
そのため、SEOフォーラムでは「年明け早々にアルゴリズムアップデートが行われたのでは?」という憶測が飛び交っていました、実際のところは長期休暇を挟んでいたのが原因だったようです。
2023年1月12日にヘルプフルコンテンツアップデートとリンクスパムアップデートのロールアウトが同時に完了し後は、どのジャンルも順位変動幅が縮小し、落ち着きを取り戻しています。
2023年はどのようなアルゴリズムが導入されるのか、アンテナを張って注視していきましょう。
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