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【WorldWideWeb】URLの仕組みついて
2019年10月に導入が開始されたGoogleの新しいアルゴリズム「BERT」。同年12月には日本語への適用やTOP STORIESの改良がスタートし、国内でも続々とセミナーが開催されるほど注目度が高まっています。そこで本記事では、BERTの特徴を踏まえたうで検索結果への影響やジョン・ミューラー氏が言及したSEO対策など、気になるポイントをまとめてみました。
目次
BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)とは、人工知能(AI)をベースとした自然言語処理技術の一種です。
人間の脳内にある神経細胞(ニューロン)がモデルになっている情報処理システム、「ニューラルネットワーク」の進歩によって生まれた新しい検索アルゴリズム、と言った方がイメージしやすいかもしれません。
「BERT」は日本語にすると「変形生成による双方向のエンコード表現」という意味ですが、簡単にいうと、「変形生成」という機械学習技術によって特定の単語の前後(左右)両方向に深く単語を読み込んで文脈を予測するものです。
正式名称の頭文字がセサミストリートの主要キャラクターの名前と同一なので、世界中で「バート」と呼ばれています。
BERTの最大の特徴は、キーワード1つずつではなくクエリの前後を含めた「文」や「語句」として理解できるようになった、という点でしょう。
▼BERTが解析に使うカギとなるもの
つまり、BERTというアルゴリズムは検索クエリのメインワード以外の単語からユーザーの検索意図を適切に汲み取り、コンテンツマッチング精度を格段にアップさせているのです。
GoogleがBERTを導入した背景には、検索クエリの「多様化」と「複雑化」の2点が挙げられます。
なぜなら、音声でコンピューターを操作するスマートスピーカーやチャットボットなどの普及が進むにつれて、メインワードのみ入力する検索クエリから、話しかける会話形式のクエリに変化したため、人間の会話をよりリアルに認識できる検索アルゴリズムが求められる時代になってきたからです。
その点、会話型の長いクエリで助詞や前置詞などを理解できるBERTなら、「OK Google」と話しかけてスタートする検索方法に最適化され、メインワード以外が持つ意図を解析してより適切な検索結果を表示できるのです。
ちなみに、下記の2社が2020年までに検索方法がどのように変化していくのかをリサーチしたところ、驚異的な結果が報告されています。
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2019年10月25日、Googleは検索エンジンに対してBERTアップデートを行ったとThe Keywordで公式に発表しています。
上記のアナウンスを要約し、3つの側面から注目すべきポイントをピックアップしてみました。
▼GoogleがBERTを開発した理由
確かに、利用できるデバイスの種類が増えるにつれて検索スタイルも多様化しています。だからこそ、時代に合った言語理解を備えた検索アルゴリズムを開発し続けているのでしょう。
▼BERT導入のプロセス
上記の情報から、BERTが備えている機能は従来のハードウェアではカバーしきれないほど複雑で高いスペックだと解釈できます。
▼BERTの評価について
今回のBERTアップデートは、同じくAIベースの検索アルゴリズムである「RankBrain」が導入された2015年以来の大掛かりな対策です。
ちなみに、GoogleではBERTやRankBrainと同様にAIベースの「ニューラルマッチング」や「Hummingbird」といったアルゴリズムも活用しています。
他のAIベースのアルゴリズムとBERTとの違いが知りたい、基礎となっているニューラルネットワークに興味があるという方は、下記の記事を参考にして下さい。
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Google SearchLiaisonでも、BERTアップデートについて下記のようにツイートしています。
Meet BERT, a new way for Google Search to better understand language and improve our search results. It's now being used in the US in English, helping with one out of every 10 searches. It will come to more counties and languages in the future. pic.twitter.com/RJ4PtC16zj
— Google SearchLiaison (@searchliaison) October 25, 2019
この時点では対象が英語検索だけに限定されていますが、それ以外にも注目すべきポイントが3つ明記されています。
では実際に、BERT導入後の検索結果がどのように変化するのか、スタディケースを見ながらご説明しましょう。
下記の画像は、「2019年にブラジル人の旅行者がアメリカへ行く場合、ビザは必要か?」という疑問に対する検索結果を表示した画面です。
導入前は「to」の役割が理解できず、本来「アメリカに行くブラジル人」向けの情報が表示されるべきところ、「ブラジルに行くアメリカ人」向けの情報が表示されていました。一方、導入後は「to」の役割を正しく理解しているのが分かります。
▼BERT導入前
▼BERT導入後
初期段階では英語だけに対応していたBERTですが、いよいよ2019年12月10日から70言語以上で適用をスタートさせたとGoogleSearchLiaisonがツイートしています。
BERT, our new way for Google Search to better understand language, is now rolling out to over 70 languages worldwide. It initially launched in Oct. for US English. You can read more about BERT below & a full list of languages is in this thread…. https://t.co/NuKVdg6HYM
— Google SearchLiaison (@searchliaison) December 9, 2019
今回のロールアウトには日本語も含まれていますので、特にBERTの影響を受けやすいロングテールクエリについては今後の順位変動を見守る必要がありそうです。
Hebrew, Hindi, Hungarian, Icelandic, Indonesian, Italian, Japanese, Javanese, Kannada, Kazakh, Khmer, Korean, Kurdish, Kyrgyz, Lao, Latvian, Lithuanian, Macedonian
Malay (Brunei Darussalam & Malaysia), Malayalam, Maltese, Marathi, Mongolian, Nepali, Norwegian, Polish…. (MORE)— Google SearchLiaison (@searchliaison) December 9, 2019
2019年12月11日、GoogleはBERTを活用してモバイル検索のトップニュースを改良したと公式サイトで発表しています。今回の改良により、トピックごとに分類して掲載できるようになりました。
ちなみに、ここで言うトップニュースとは最新ニュースをカルーセル形式で掲載するウェブ検索機能を指しており、英語では「TOP STORIES」と表記します。
例題として、「NASAのニュースは」と検索した時の結果を見てみましょう。
改良前は、NASA(米航空宇宙局)のニュース記事が一覧で表示されるものの、トピックごとに分類されずに並んでいる状態です。
次に、改良後の結果を表示した下記の画像を見て下さい。赤枠で囲ってある通り、同じNASAのニュースでもトピックごとにまとまっているのが分かります。
ただし、BERT によるトップニュースの改良は今のところアメリカだけの限定です。他の地域と言語については、数カ月後に導入する予定だと告知されています。
2020年1月10日に開催されたGoogle Webmaster Hangoutで、ジョン・ミューラー氏がBERTのSEO対策について言及しました。
同氏は「BERTアルゴリズムに対して、どのようなSEO対策が必要ですか?」という質問に対し、「ページ上のテキストに影響を与えることができる」と前置きしたうえで、実に明解な回答を発信しています。
▼BERTに対するSEO対策
上記の回答を踏まえると、小手先の対処法ではなく正攻法であるユーザーファーストを何より重視したコンテンツこそが、BERTに最適化する最良の方法だと解釈できます。
Googleが「5年間で最大の飛躍」と謳うだけあって、BERTによる言語理解の向上は検索結果に劇的な変化を与えるでしょう。とはいえ、特別なSEO対策は必要ありません。年に数回のペースで実施される他のコアアップデートと同様に、重要なのは「誰に」「何を」「どのように」の3点を分かりやすく表現したコンテンツ作りなのです。
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