Googleがrel next/prevのない新しいページネーションのガイドラインを準備中
2020.01.29
2019年12月4日、Googleが新しいページネーションのガイドラインを準備していると言及しました。ページネーションのサポート廃止が正式に発表されたうえ、実際には数年前から機能していなかったと判明した2019年の春以降、ベストプラクティスを待ちわびていた人も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、ページネーションに関する情報を時系列でまとめたうえで、準備中と発表された新ガイドラインのヒントを基に、推察できる今後の展開について解説します。
そもそもページネーションとは?
ページネーション(Pagination)とは、日本語で「ページ割り」や「ページ送り」を意味する単語で、Web制作においてはナビゲーションという意味合いで使われています。下記の画像のようにGoogleの検索結果も代表的なページネーションの1つです。
コンテンツの質を高めようとすると、どうしてもテキストの文字数や画像が多くなりがちです。だからと言って全ての情報を1ページにまとめると表示速度が遅くなり、ユーザーの離脱を誘発しかねません。その点、コンテンツをあえて複数のページに分割するページネーションを活用すれば、表示速度によるストレスが軽減されてユーザビリティの向上にも繋がるのです。
▼ページネーションタグのHTML
- 最初のページ:<link rel=”next” href=”http://次ページURL” /> のみ
- 2ページ目:上下の両方
- 最後のページ:<link rel=”prev” href=”http://前ページURL” />のみ
ページネーションタグのサポートは2019年3月21日で終了
米国時間2019年3月21日、Googleはページネーションのベストプラクティスと位置づけられていた「rel=”prev/next”」のサポートを正式に廃止したとツイートしています。
上記ツイートの内容を要約し、注目すべき4点をピックアップしてみました。
- インデックスシグナルの側面において、rel=prev/nextのサポート廃止を決定した
- 理由は、調査によってユーザーがページごとの内容を重視する傾向が判明したため
- ただし、ページの分割はGoogle検索にとって都合が良い
- 今後は“あなたの”ユーザーにとって最適な方法を分析し、実施して欲しい
また、Googleウェブマスター向け公式ブログでも同様の注釈が追記されています。既にヘルプページも削除されていますので、アクセスできない状態です。
ここまでの告知を読む限り、まるで廃止したばかりのような印象を受けた人も多いでしょう。しかし下記のツイートを要約してみると、実際には数年前からページネーションが機能していなかったこと分かります。
- ここ数年、インデックス機能の中でrel=next/prevを使用していなかった
- いずれは廃止しようと思っていた
https://twitter.com/JohnMu/status/1108717486424363009
GoogleはこのタイムラグについてSearch Engine Land上で見落としだったと認めつつ、「意図的な隠ぺいではなくスタッフ間の意思疎通に不備があったため」だと謝罪しています。
とは言え、ページネーション自体が全く無意味になったという訳ではありません。例えば、BingではGoogleがページネーションのサポートを廃止した後も rel=”prev/next”のサポートを継続しています。
新しいページネーションのガイドラインを準備中
Googleによって既にサポートが廃止されているページネーションですが、1年も経たずに新たな動きがありました。John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が2019年12月4日にイスラエルのテルアビブで開催されたGoogle Webmaster Conference TLV 2019に登場し、下記の2点について告知したのです。
- 現在ページネーションの新しいガイドラインを準備中
- 間もなく新ベストプラクティスを正式に公開する予定
ページネーションの今後を推察
今回の告知では、正式発表の日時や詳しい内容について言及されていません。そこで、実際にジョン・ミューラー氏が解説に使ったスライド画像をヒントに、今後の動向を推察してみました。
注目すべきは、1行目に記載されている「従来のrel next/prevを使わない」という点でしょう。
では「rel next/prev」を使わずにページを分割するにはどうしたら良いのか、そのヒントが2行目と3行目に記載されています。
- 2行目:前ページ、次ページ、ページ番号を使用してページ間で自然にリンクさせる
- 3行目:パラメータを使わない、もしくは最小限にしたクリーンなURLを使う
上記の2点を踏まえると、ページネーションのリンク構成は誰が見ても一目で理解できるベーシックなスタイルが適切であり、尚且つ分割ページが一連のコンテンツだとGoogleに伝わるよう、パラメータが少ないシンプルなURLが理想的と言えます。
▼ページネーションの一例
- 1ページ目:https://example.com/pagination/
- 2ページ目:https://example.com/pagination/2/
- 3ページ目:https://example.com/pagination/3/
残念ながら4行目以降は情報量が限られています。そのため、かなり曖昧ではありますが分かる範囲で推測してみました。
- 4行目→ページネーションのゴールを決定する:コンテンツVS詳細情報へのリンク?
- 5行目→ページを付加したコンテンツ:全ページへリンクしインデックス化する
- 6~8行目→詳細リンク:全ページへリンクする、または全コンテンツが検索可能な場合は1ページ目のみか最初の数ページだけに「rel=”canonical”」を設定し、後続ページは「noindex」で対応する
- 9行目→ローカルクローラーで二重チェックする
特に曖昧なのが、度々登場する「detailed links」と最後に記載されている「local crawler」です。detailed linksはEC サイトの詳細情報とも解釈できますが、local crawlerが何を指しているのかは正式発表を待つ必要があります。
実装はガイドラインの正式発表後に!
Googleがページネーションのサポートを廃止して以降、ベストプラクティスを探し求めていたサイト運営者も多いでしょう。だからこそ、新しいページネーションのガイドラインが準備中と聞くと、「競合サイトよりも早くWeb製作に取り入れたい!」と思うのも当然かもしれません。
しかし、アルゴリズムのアップデートと同様に何事も勇み足は禁物です。特に、「rel=”canonical”」や「noindex」の使い方については情報量が極端に少ないため、Web製作の専門家でも解釈にバラつきがあります。この段階で実装に踏み切るよりも、全ての情報が正式に公開されるまで待った方が賢明でしょう。
まとめ
サポートの廃止から一転、Googleがページネーションのベストプラクティスとなる新しいガイドラインを準備中と告知して以降、様々な憶測がネット上に溢れています。具体的な実装は正式発表まで待つべきですが、少なくとも下記の3点については明言していますので、事前に準備しておいて損はありません。
- 従来の「rel next/prev」を使わない
- 自然なリンク構成
- パーマリンクを最小限にしたクリーンな URL
サポートの廃止が正式発表された数年前から機能していなかったページネーション。今後はどのような仕様になるのか、新しい情報が入り次第お知らせします。
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