SEOより効果的!?地図エンジンの最適化「MEO」とは
2019.11.19
友達や仲間と入るお店に迷ったとき、Google Mapで近所の飲食店やお店を検索して、出てきたお店に入った、という経験はないでしょうか。このように地図エンジンで検索して出てくる情報のなかで、自分のお店や事業所がより上位に表示されるように対策をすることを「MEO」と呼びます。まだSEOほど知名度がないMEOですが、SEOと違って競争相手が少ないので、少しの対策で上位に表示される、ということも少なくありません。
今回は、地図エンジンでの検索最適化「MEO」の基礎知識と取り組み方について解説します。
SEOとMEO違い
SEO(Search Engine Optimization)とMEO(Map Engine Optimization)の大きな違いは上位表示させる「場所」と「検索キーワード」の違いです。
SEOは「Google検索」で、「特定のキーワード」で自社のWEBサイトが上位表示されることを目的とします。一方でMEOは「Google マップ」もしくは「Google検索」で「地域名×特定のキーワード」で上位表示を狙う施策です。
実例をお見せします。
このようにGoogle検索で「グッチ 買取」と検索した時に、Google検索で上位表示するために必要なのがSEOです。
一方でMEOはGoogle検索で「銀座 グッチ 買取」のように、「地域名×キーワード」で検索した場合や、Google Map上で「キーワード」もしくは「地域名×キーワード」で検索した時に上位表示するために必要になります。
実店舗を持つお店の集客に効果的
検索した情報を元に顧客が店舗を利用しに来てくれる「BtoC」型のビジネスをしている方には特にMEOは効果的です。
カフェやレストランなどの飲食店はもちろん、雑貨屋さんなどの小売店や、美容院、整体院のようにサービスを提供するサービス業も、MEO対策を行いローカル検索での検索順位を上げておくことによって集客や宣伝効果を期待することができます。
SEOよりもMEOが優れている点
SEOよりもMEOが優れている点を紹介します。
- SEOよりもMEOの方が簡単に上位表示を狙える
- ポータルサイトとの勝負を回避できる
それぞれ見ていきましょう。
SEOよりもMEOの方が簡単に上位表示を狙える
SEOよりもMEOの方が簡単に上位表示を狙うことができます。また難易度の割に、クリック率が高いです。
|
SEO |
MEO |
競合の強さ |
強い |
弱い |
アルゴリズム変動 |
多い |
少ない |
クリック率 |
2%〜21% |
4〜9% |
成果までの期間 |
半年〜1年 |
1ヶ月〜3ヶ月 |
競合の強さとアルゴリズム変動、クリック率、成果までの期間について解説します。
SEOとMEOの比較:競合の強さ
SEOで上位表示を狙うと、店舗を持っている企業のサイトのみならず、アフィリエイトサイトや個人のブログまで様々なWEBサイトが競合となります。
一方でMEOの上位表示を狙っているのは、店舗があるBtoC企業がほとんどです。競合が少なければ、上位表示の難易度は低くなります。
SEOとMEOの比較:アルゴリズム変動
SEOはアルゴリズム変動が多いです。2019年は3月12日、6月4日、9月24日の計3回のアルゴリズムアップデートがありました。SEO対策で上位表示しているWEBサイトはアルゴリズムアップデートの度に順位変動のリスクに晒されます。
一方でMEOはアルゴリズム変動が少ないため、上位表示に成功すれば、継続的に上位表示できる可能性が高いです。
SEOとMEOの比較:クリック率
MEOはSEOのクリック率には、優劣はありません。
Internet Marketing Ninjasの調査https://www.internetmarketingninjas.com/blog/google/announcing-2017-click-rate-study/
によれば、SEOで検索1位を取った場合の平均CTR は21.12%です。しかし検索2位の平均CTRは約10%となり、MEOの平均クリック率である4〜9%と大きな差はありません。
費用対効果が高いのはMEOのメリットです。
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SEOとMEOの比較:成果が出るまでの期間
SEO対策ははじめてから成果が出るまでに半年〜1年かかると言われている一方で、MEOは1ヶ月〜3ヶ月程度で成果が出ます。
SEO対策は成果が出るまで半年〜1年後かかるということは、インハウス(社内)で行っているSEO対策の方向性が間違っていても、半年から1年程度は分からない可能性があるということです。
一方でMEO対策は短期間で成果が出るため、成果を見ながら軌道修正しつつ、インハウスでの対策を進められます。
ポータルサイトとの勝負を回避できる
SEOで上位表示を目指すと、ポータルサイトと勝負しなくてはなりませんが、MEOならポータルサイトとの勝負を回避できます。
たとえば「大井町 焼き鳥」とGoogle検索した時の1ページ目に表示されるページは全てポータルサイトのページでした。
これらのポータルサイトは大きなコストをかけてSEO対策を行っており、SEO対策で打ち勝つのは難しいです。広告料金を支払って自分の店舗を紹介してもらうしかありません。
一方でMEOの検索結果にポータルサイトが表示されず、店舗のみが表示されます。
店舗の人気やユーザーが投稿したレビューの内容など、その店舗の魅力がそのまま検索順位に反映されやすいです。
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MEOはどのように順位を決められているのか
では、グーグルマップのローカル検索の検索順位はどのようにして決められているのでしょうか。
ローカル検索での検索順位の決め方には、いくつかの条件があります。
1.検索ワードとの関連性
まず重視されるのが、検索ワードとの関連性です。
例えば、東京都の神保町でカレーが食べたいときに「神保町 カレー」で検索をかけたとき、神保町周辺に立地しているカレー屋さんの情報がうまく出てこない、となると非常に不便です。
「神保町 カレー」の検索結果
実際に「神保町 カレー」で検索したところ、神保町のカレー屋さんの情報がいくつもヒットしました。
このように、検索をかける人が入力した検索ワードとの関連性の高い店舗の情報を、地図エンジンは優先的に表示するような仕組みになっています。
2.検索時に指定された位置からの距離
検索時に位置の指定があった場合、より近い位置の店舗情報が優先的に表示されます。
先ほどのように「神保町 カレー」で検索をかけたとき、少し離れた上野や巣鴨の店舗の情報が表示されたらどうでしょうか。いくら評判の良い名店の情報が出てきても、指定された神保町の周辺のカレー屋さんの情報が上位に表示されないと非常に不便です。
また、検索をかけたときに神保町にいるという場合は、自分の近くのカレー屋さんが表示されるのが一番助かります。そのため、スマホなどで現在位置をオンにして検索をした場合は、同じワードでもより距離の近い店舗の情報が優先的に表示されやすくなります。
3.ビジネスの知名度
同じ業種の店舗の情報が複数ある場合、より知名度の高い店舗が上位に表示される傾向があります。
「神保町 カレー」の検索順位
こちらは先ほどの「神保町 カレー」の検索結果です。検索結果の並び順が、星の評価やクチコミ数が多い順に並んでいるのがお分かりいただけるでしょうか。
クチコミの数や評価が高い店舗はもちろん、ウェブでの検索回数が多い、ブランドとして知名度があるなど、より知名度があると判断された店舗の情報は他の店舗よりも上位に出てきやすくなります。
MEO対策の始め方
では、MEO対策は何から始めたら良いのでしょうか。MEOを始めるには、Googleの提供しているサービスである「Googleマイビジネス」への登録が必要となります。
「Googleマイビジネス」の登録の仕方から店舗情報の登録まで、MEOのために行っておきたい情報の登録手順について解説します。
「Googleマイビジネス」への登録
まずは「Googleマイビジネス」に登録しましょう。
「Googleマイビジネス」とは、Googleが提供しているビジネスオーナー向けの無料ツールです。
Googleアカウントを持っていない場合は、先にGoogleアカウントを作成しましょう。https://accounts.google.com/signupにアクセスして必要情報を入力することでアカウントを作成することができます。
Googleアカウントを作成したら、次はhttps://www.google.co.jp/intl/ja/business/にアクセスして、「今すぐ開始」をクリックします。
フォームに必要事項を入力して送信したら、数日待ちましょう。数日後に、Googleからオーナー用の「確認コード」が記載されたハガキが届きます。
あとはマイビジネスのマイページに「確認コード」を入力したら登録は完了です。
ちなみに、マイビジネスに店舗ホームページのリンクが貼ってあり、店舗ホームページにも電話番号が掲載してある場合、電話によるオーナー確認にも対応してくれる場合があります。
その場合はオーナー確認リクエストを送ったときに「電話で確認」という項目が表示されます。電話をかけるとGoogleの自動応答サービスが確認コードを教えてくれるので、メモなどに記録しておきましょう。
あとは電話で聞き取った確認コードをマイビジネスのマイページに入力することで、ハガキで確認する場合と同様に登録を完了できます。
店舗情報の登録
マイビジネスへの登録が完了したら、店舗についての情報を詳しく記載しましょう。
店舗の名前や住所はもちろんですが、
なども記載しておくとより正確な店舗情報になります。
さらに、可能であればクチコミの投稿をしてもらうのも効果的です。書いてもらったクチコミには店舗側から返信をすることができます。定期的にクチコミ欄を確認し、こまめに返信を行うことで、顧客に誠実な印象を与えることができます。
店舗の写真の登録
店舗の外観などの写真を登録しておくと、写真を登録していない店舗よりも、より効果的にビジネスアピールを行うことができます。
店舗の外観だけでも良いのですが、可能であればロゴマークや看板、マイビジネスのカバー写真やプロフィール写真、店舗の中の写真、サービスの内容を表す写真などを複数枚登録しておきましょう。
例えば、店舗の外観の写真を撮影する場合、一か所から撮影した写真のみよりも、色々な方向から撮影したほうが店舗のイメージがわかりやすくなります。また、写真を撮影する時間帯を変えるのも効果的です。
さらに、外観だけでなく、店内の写真や提供しているものの写真なども追加すると、店舗の雰囲気やサービスの内容がより分かりやすくなります。どのような写真を撮影すればいいか迷ったら、Googleのマイビジネスヘルプを参考に撮影する写真を決めると良いでしょう。(https://support.google.com/business/answer/6123536?hl=ja)
写真を投稿する際の注意点として、
- 形式はJPGまたはPNG
- 画像のデータサイズは10KBから5MB
- 縦720pixel×横720pixel以上の解像度
のものが推奨されています。(参考URL:https://support.google.com/business/answer/6103862#photo-guidelines)
ピンぼけしているものや、極端な画像加工がされているものなど、実際のビジネスがうまく伝わらないような写真を使用するのも避けましょう。
口コミが集まる仕組みを作る
口コミの評価が良く、知名度が高い店舗は上位表示される傾向があります。GoogleマイビジネスやYahoo!の他にもトリップアドバイザーなどのポータルサイト内の口コミや人気も連動しています。
レビュー入力にかかる時間を具体的に説明したうえで依頼したり、特典を用意したりすることで、口コミを集めることができます。なお悪い口コミに対しても真摯に対応するのは重要です。
また口コミ以外にも、個人のSNSやブログなどでお店について紹介されること「サイテーション」と呼び、サイテーションを増やすことで、MEOの評価も高めることが可能です。サイテーションにはリンクは必ずしも必要ではなく、お店の名前などが含まれていれば、評価につながります。
店舗のSNSを開設し、フォロワーとサイテーションを集めましょう。あるカフェではお店に来た人を店舗のSNSで紹介することで、お客様からフォローとサイテーションを集めるというユニークな取り組みを行っていました。効率的にサイテーションを集めてください。
悪質なMEO業者には注意
インハウスではMEO対策が難しく、外部に依頼しようと考えている方は、悪質なMEO業者に注意しましょう。MEO対策業者の中には、スパム的な方法で上位表示させようとする業者も存在します。
次の画像はある地域でGoogle Mapで「人気」と検索した時の検索結果です。画像内赤枠はお店の名前の欄に「おすすめフレンチ・人気ディナー・おしゃれ」と書かれています。
Google My Businessのガイドラインでは、店名欄に店名以外の情報を入れる事は禁止されています。
しかしGoogle Mapでの検索順位には店名が極めて大きな影響力があり、上位表示を行うために店名にキーワードを入れるのがMEO対策業者は多いです。
以前はGoogle My Businessのガイドラインに違反した際のペナルティが小さかったため、スパム的方法でも成果を上げていました。
しかし2019年からはこのようなGoogle My Businessのガイドラインの違反を、ユーザーが通報できるようになりました。通報されると最悪の場合、Google Mapからの登録の抹消もあり得ます。
MEO対策業者に依頼して、一時的には上位表示したものの、通報されてしまい後には何も残らないというケースは少なくありません。MEO業者に依頼するのであれば、信頼できる業者に依頼しましょう。
まとめ
MEOはまだまだ知名度が低いですが、無料で簡単に始めることができる上に、顧客に効果的に自分の店舗やビジネスをアピールすることができる方法です。
特にローカルで運営している店舗の場合、競争率が高くなかなか順位を上げにくいSEOよりも、MEOで近くの潜在顧客を取り込んだ方が大きな効果を期待できる可能性があります。顧客への宣伝に悩んでいるという方は、是非一度MEO対策の導入を検討してみてください。
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