インタースティシャル広告とは?SEOとの関係と正しい掲載方法を解説

SEO基礎
SEO対策
2022.01.31
インタースティシャル広告とSEOの関係

「インタースティシャル広告とは?」と聞かれると、即答できないSEO関係者も多いのではないでしょうか?

適切な方法で掲載できれば高いコンバージョンが見込める反面、SEO評価が低下する事例も少なくありません。

そこで本記事では、表示されるタイミングやオーバーレイ広告との違いを踏まえたうえで、SEOに与える影響などについて解説します。

インタースティシャル広告とは?

インタースティシャル広告とは、本来ユーザーが閲覧したいと思っているWebサイトやアプリのコンテンツ画面より手前に表示される「大サイズ広告」のことです。

メインコンテンツ画面を覆い隠すように表示されるため、企業ブランドのロゴやキャンペーン情報などのPRに用いられている「スプラッシュ広告」または「スプラッシュページ」とも呼ばれています。

インタースティシャル広告は一定の時間が経つと自動的に消える、または次ページへ移動する仕組みになっているものの、今すぐ目的のページが見たい場合はユーザー自身がアクションを起こさなければなりません。

▼種類と消し方

  • ポップアップ/フルスクリーン:「×印」や「closeボタン」などをタップ、またはクリック
  • スクロール型:「閉じるボタン」が最下部にあるため、最後までスクロールしないと消せない

内容に興味があれば広告画面をタップまたはクリックすることでリンク先へ移管し、より詳しい情報を見ることができます。

つまり、「見る」か「消す」かの選択権はユーザー自身に委ねられており、どちらを選ぼうと「アクションを促す」という共通点があるのです。

最近では商品やサービスの紹介ページというだけでなく、主にスマホやタブレットといったモバイル端末向けに「PR効果」と「CTA(行動喚起)」を組み合わせた下記のような活用法が主流になりつつあります。

▼活用法の一例

  • 会員登録
  • 資料請求
  • アプリのインストール

表示されるタイミング

そもそもインタースティシャル(interstitials)とは、「侵入型の~」あるいは「中間部の~」という意味を持つ用語です。

用語の意味からも連想できる通り、ユーザーが行動している最中に「割り込む」形で表示されます。

▼表示されるタイミング

  • スクロールしながら読み進めている最中
  • Webサイトやアプリのコンテンツ画面にアクセスし、一定時間が経過した後
  • アプリで次の画面に切り替わるタイミング
  • アプリでステージまたはミッションをクリアした直後

オーバーレイ広告との違い

結論から言うと、「インタースティシャル広告」はスクロール形式の「アンカー広告」や「ポップアップ広告」と同じく「オーバーレイ広告」の一種ですから、2つに大きな違いはありません。

ただし、「表示方法の種類」と「持続性」の2点を比較してみると多少の違いが見えています。

インタースティシャル広告 オーバーレイ広告
表示方法 フルスクリーンまたは大サイズ 全画面から小さなバナー型まで様々
持続時間 一度クローズした広告は再表示されない 常時、画面の一部に固定表示が可能

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インタースティシャル広告がSEOに与える影響

画面を覆うほどサイズが大きいインタースティシャル広告は訴求効果が高い反面、SEOに直結するユーザビリティを阻害しがちです。

中には「閲覧を邪魔された!」「いちいち消すのが面倒!」といった不満を抱えているユーザーも多く、そのほとんどがPCよりも画面が小さいスマホやタブレットの利用者でした。

そこでGoogleは2017年1月10 日より、ユーザーの閲覧行動を妨げるほどの過度なインタースティシャル広告を掲載しているモバイルサイトに対し、評価を下げるアルゴリズムを導入しています。

煩わしいインタースティシャルが表示されるページは、すぐにコンテンツにアクセスできるページに比べユーザー エクスペリエンスが低くなります。画面が小さいモバイル デバイスであればなおさらです。Google は 2017 年 1 月 10 日以降、モバイル検索エクスペリエンスをさらに高めるため、ユーザーがモバイル検索結果から遷移したとき、すぐにコンテンツにアクセスできないページの掲載順位をこれまでより下げることにしました。

コンテンツにアクセスしにくくなる手法についていくつか例を挙げます。

ユーザーが検索結果からページに移動した直後やページを閲覧している最中に、メインのコンテンツを覆い隠すようにポップアップを表示する。

スタンドアロン インタースティシャルを表示して、それを閉じないとメインのコンテンツにアクセスできないようにする。

レイアウトを使用して、スクロールせずに見える範囲をスタンドアロン インタースティシャルのように見せかけ、メインのコンテンツをインライン化してスクロールしないと見えないようにする。

引用:Google検索セントラル モバイル ユーザーが簡単にコンテンツにアクセスできるようにする

たとえ一部のユーザーからの申し込みやダウンロードが増えてコンバージョンが向上しても、大多数の閲覧者にとって邪魔になるようではSEO評価が低下するのも当然と言えるでしょう。

Googleが定めているインタースティシャル広告の禁止事項3つ

SEO評価を下げずにCV率アップを狙うには、Googleが定めた3つの禁止ルールを理解しておく必要があります。

以下に、Googleの公式サイト「AdMob および AdSense のプログラム ポリシー」に掲載されている「インタースティシャル広告の導入における禁止事項」の内容をまとめてみました。

▼禁止事項その①:アプリの「読み込み時」や「終了時」の表示

  • 具体例:アプリを読み込んでいる最中、および終了してからホーム画面に戻る直前に表示させる行為
  • 目的:読み込みのやり直しを避け、ユーザーストレスを軽減するため

▼禁止事項その②:過度の繰り返し表示

  • 具体例:タップやクリック、スワイプなど操作する度に表示させる行為
  • 目的:誤クリックの防止、およびユーザーの不快感を軽減するため

▼禁止事項その③:予期しないタイミングでの表示

  • 具体例:ゲームや問い合わせフォームの入力作業、または閲覧などに没頭している最中に突然表示させる行為
  • 目的:誤クリックや入力ミスの防止、およびユーザーが被るストレスを軽減するため

インタースティシャル広告の導入事例

この段落では、具体的な事例を下記の2種類に分けて画像つきで解説します。

▼導入事例

  • SEO評価が下落するNG事例
  • SEO評価に影響しないOK事例

SEO評価が下落するNG事例

  • Googleは公式サイト上で広告がSEOにとってネガティブな影響を与える要因として「コンテンツへのアクセスのしにくさ」を挙げており、3種類の原因を提示しています。
  • ユーザーが検索結果からページに移動した直後やページを閲覧している最中に、メインのコンテンツを覆い隠すようにポップアップを表示する。
  • スタンドアロン インタースティシャルを表示して、それを閉じないとメインのコンテンツにアクセスできないようにする。
  • レイアウトを使用して、スクロールせずに見える範囲をスタンドアロン インタースティシャルのように見せかけ、メインのコンテンツをインライン化してスクロールしないと見えないようにする。

引用:Google検索セントラルブログ

この点を踏まえたうえで、3つのNG事例を見てみましょう。

▼煩わしいポップアップ

▼煩わしいスタンドアロン インタースティシャルの例 1

▼煩わしいスタンドアロン インタースティシャルの例 2

SEO評価に影響しないOK事例

一方、ユーザーにとって使いやすくSEOに悪影響を与えないベストプラクティスとして、下記の3例を挙げています。

  • 法的義務に応じてインタースティシャルを表示する(Cookie の使用、年齢確認など)。
  • サイト内のコンテンツを一般公開(インデックス登録)できない場合にログイン ダイアログを表示する。たとえば、メールアドレスなどの個人的なコンテンツが含まれる、有料のコンテンツであるためインデックス登録できない、などの場合が考えられます。
  • 画面スペースから見て妥当な大きさで、簡単に閉じることのできるバナーを表示する。ここでいう妥当な大きさとは、たとえば Safari や Chrome に表示されるアプリ インストール バナー程度の大きさです。

引用:Google検索セントラルブログ

▼Cookie の使用に関するインタースティシャル

▼年齢確認のインタースティシャル

▼画面スペースから見て妥当な大きさのバナー

インタースティシャル広告のメリット

ここまでの解説で「掲載する意味がないのでは?」と思われた方も多いでしょうが、そうとも言い切れません。

中でも代表的なメリットとして、下記の4点が挙げられます。

▼メリット4つ

  • ターゲットを絞ってPRできる
  • CV率アップに繋がりやすい
  • 広告費のコスパが高い
  • 広告表示用のスペースがなくてもOK

ターゲットを絞ってPRできる

1つ目のメリットは、コンテンツの内容から読者を想定したうえで興味を持っていそうなアイテムやサービスをピンポイントでPRできる、という点です。

▼ターゲット絞り込みの一例

  • 子育てに関するページ:ベビーカーや産後ダイエットアプリなど
  • 副業に関するページ:は不動産投資やFXなど
  • ゲームコンテンツ:新しいゲームの優先予約など

自動的に表示される以上、たとえ直ぐに閉じられたとしても一度はサイトを訪れた全員に見てもらえます。

そのうえ、最近ではユーザーの利用履歴から適材適所に広告を表示させるノウハウが運用されていますので、興味を持っていそうなターゲットを絞って宣伝することができるのです。

CV率アップに繋がりやすい

インタースティシャル広告のCTR(行動喚起率)は約5%と言われており、それほど高くはありません。

にもかかわらず、CV率の向上に成功しているサイトが多いのは、タップまたはクリックしてリンク先を見てくれる人の大多数が、最初から内容に興味を持っているからでしょう。

単発的に大きな反響を狙うというよりは、売り上げやサービス利用に繋がる「確実性の高いユーザー」にCTA(Call to Action:行動喚起)を促す戦略として定評があります。

広告費のコスパが高い

インタースティシャル広告は「クリック課金」を採用しているため、PR画面の表示に対して費用は発生しません。

だからこそ、「不要な広告宣伝費をかけたくない!」「PR画面を見てもらうためだけに料金を払うのはムダ!」という方に選ばれているのでしょう。

ちなみにクリック単価は約10円から設定できますが、「広告とコンテンツの関連性」または「ジャンル」によって変動するので注意が必要です。

広告表示用のスペースがなくてもOK

メインコンテンツの前面に表示されるため、広告専用のスペースを確保する必要はありません。

特に画面サイズが小さいスマホやタブレットは表示スペースが限られているため、掲載したい情報を詰め込む傾向があります。

インパクトのあるPR画面を短時間だけ表示するだけで済むので、バナー広告のように専用のスペースが確保できないページにも、無理なく掲載できるのです。

インタースティシャル広告のデメリット2つ

前述したSEO評価の低下を含めると、2つのデメリットが挙げられます。

▼デメリット2つ

  • ユーザー行動を阻害するとSEO評価が低下する
  • 過度な表示によって収益性が低くなる

注目すべきは、不適切なインタースティシャル広告は本来の目的に反して「収益性が低い」という点でしょう。

その根拠となっているのが、Google Chromeが2019年7月からスタートさせた対策です。

「Coalition for Better Ads」という団体がユーザビリティを悪化させる広告の定義をまとめた評価基準「Better Ads Standards」に違反しているサイトに対し、世界中で広告掲載がブロックされるようになりました。

Chromeユーザーによくある不満である、オンラインでのエクスペリエンスを低下させる特定の種類の広告からChromeユーザーを保護するための措置を講じています。たとえば、昨年、 Chromeは、業界標準に繰り返し違反し、ウェブサイトにアクセスする人々に煩わしい迷惑な広告を表示し続ける北米とヨーロッパのサイトで広告のフィルタリングを開始しました。さらに、当社独自の広告プラットフォームは、これらの基準に違反し、Chromeユーザーから苦情を生成する種類の広告の販売を停止しました。

引用:Chromiumブログ

インタースティシャル広告は設置すべきか?

Googleの禁止事項に抵触しておらず、ユーザーの使いやすさに配慮して適切に設定されている場合に限り、CTR(クリック率)の増加が見込めます。

一方、見ている人に不快感を与えたりアクションを妨げたりするようでは検索順位が低下しても文句は言えません。

掲載を検討している方は、前述したSEO評価に影響しない3つの事例を参考にして、表示するサイズやタイミングをユーザー視点で考慮しましょう。

まとめ

Googleは常々、どのデバイスからでもユーザーがストレスを感じることなく快適に閲覧・作業できるサイト作りを推奨しています。

ポイントを集約すると、肝心なのは「コンテンツにアクセスしやすいか」と「ユーザーの行動を阻害していないか」の2点です。

CTA(Call to Action:行動喚起)に効果的なインタースティシャル広告だからこそ、適切な方法で表示させてコンバージョンの向上を目指してみてはいかがでしょうか。

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