シニア向けのウェブデザインを作るためのポイント
2019.12.02
しかし歳を重ねると、若い時には簡単に理解できた事がとても難しく感じてしまうのが事実です。
そこで最近弊社にもよくお問い合わせをいただくシニア向けWEBサイトにおいて、デザインのポイントをまとめたいと思います。ちなみに今回のシニアの定義は、視力が落ち始める50代以降の世代を対象とさせていただきます。
フォントを大きくする。
シニアは加齢による視力の低下で視野も狭くなり近くのものが見えづらくなります。
また白内障や緑内障などにも罹患しやすくなり、視界が黄色っぽくなったり、ぼやけたりする方も多いです。
文字の大きさは16px以上にし、行間は60~180%が良いとされています。
文字の大きさはユーザー側からの変更ができますが、行間は変更ができないので、しっかりと配慮しましょう。またぼやけた視界にもみやすいゴシック体の使用をおすすめします。
※加齢による視力の低下の見えかた(個人差あり)

こうして実際見てみると、たしかにゴシック体のほうが見やすく感じます。
見出しなどfont-sizeの大きい箇所には明朝体で、説明文などはゴシックとデザインで分けても良いと思います。
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アルファベットやカタカナを使用しない
「ログイン」や「アクセス」など私たちがすぐにわかる言葉も、出来るだけ漢字やひらがなで表記しましょう。ネットで普及した外来語に馴染みがない方にも一目で伝わることが大事です。
例
- ログイン→会員の方はこちら
- アクセス→交通案内
- About us→私たちについて
- Cart→お買い物かご
なるべく分かりやすい日本語で伝えるようにしましょう。
コントラストと色に注意する
コントラストはウェブアクセシビリティ基盤委員会「JIS X 8341-3:2010」により、テキストと背景を4.5:1以上にします。
この数値は一般的に見えやすい感じるものも不適合だったりするので、コントラストのチェックツールを使用して確認しておきたいところです。
コントラストについてはこちらの記事を読んでみてください。
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コントラストの他に特に気をつけるポイントは、パステルカラーや彩度の低いカラーを使用する場合です。
老人性白内障の症状では白が黄色に見えるので、色の識別がしづらくなります。
※白内障などの見えかた(個人差あり)

また、青と濃いグレーの組み合わせも同じ色にみえるので、テキストリンクの色を変えるだけでなく、下線をつけるなどで判別しやすいように配慮しましょう。
シニアコムの色の関するアンケートではシニアが嫌いな色としてゴールド、グレー、紫、ピンク、茶が上がっています。
これらの理由としては、ゴールドはまぶしさを感じやすいこと、グレーはコントラストを低下してうことが影響しているかもしれません。
参考 http://www.seniorcom.co.jp/pdf/120615_survey_iro2.pdf
クリックしやすいボタン設計にする
手先を器用に操る力が衰え、思わぬ操作ミスを起こしたり、操作に時間が必要になったりという影響が出て、数ピクセルだけ動かすような作業も苦痛となります。また指先の水分が失われることで、タッチパネル反応感度も悪くなってきます。
フラットに見えるボタンデザインは、単にテキストに見えてしまいます。なるべく大きめに、薄い影を入れるとなどして立体感を出し押したくなるボタンにしましょう。
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ネットに対する心理的ハードルを下げる
シニアにとってネットはまだまだ未開の地です。
お金を騙し取られるのではないか、個人情報が漏れないか、クリックして壊れないか、操作が難しい等…、インターネットメディアに対する信頼はテレビや新聞に比べまだ総務省の調べでも低いと言われています。
平成30年度各メディアの信頼度
参考 http://www.soumu.go.jp/main_content/000644166.pdf
ファーストビューに会社概要への導線があるか、電話番号などが大きく表示してあるかなどで信頼性をあげることが大事です。また会社概要では代表者などの方々の人柄がわかるような経歴や写真を掲載しておくことも効果的です。
会員登録がなくても購入できるかどうかも大事になります。登録が必要な時点で離脱する高齢者が多いからです。迷惑メールなどの不安があるからといえます。
またクチコミ情報に年代や性別が書いてあるかも重要です。
より詳しい情報を載せる事で、その口コミがサクラややらせでは無いという信ぴょう性を与えたり、自分と同じ年代の方や性別の方の口コミがある事で安心感を与える事ができます。
またドラック&ドロップもシニアは得意ではありません。あまり複雑なUIを使わないようにしましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
歳を重ねると、当たり前のことが当たり前ではなくなってきます。20代30代のデザイナーがシニア層のユーザーを想像してデザインをすることは難しいかもしれませんが、
どの年代に向けてのサイトなのかペルソナを設定するときに、シニア層であれば上記のことを念頭にデザインしていただければと思います。
高齢化社会が進みゆく現代、サイトデザインもシニアに対応して制作していきましょう。
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