PHPstormの便利な機能を使ってWeb制作を快適に行う
2019.12.24
PHPの統合開発環境(IDE)に、PHPStormというアプリケーションがあります。
当社での開発に導入してみたところ、とても便利だったため是非おすすめしたいと思い記事にまとめました。
インストールから日本語化の方法、便利と感じた機能の一部をご紹介致します。
PHPStormとは
PHPStormは、JetBrains社が手がけるPHP開発者向けのIDEで、Windows、macOS、Linux版が提供されています。
PHP5.4~7.4の開発が可能で、LarabelやCakePHPといった主要なPHPフレームワークや、HTML5、CSS、JavaScript、XMLにも対応しています。
またデータベースツールとSQLプラグインを導入することで、同社が提供するデータベース管理環境「DataGrip」と同等の機能を利用することができます。
さらにはGitクライアントが組み込まれていたり、Dockerと連携することで本番と同じ環境でコードテストが出来たりと、とにかく便利な機能が満載です。
PHPアプリケーションの開発を、このアプリケーションひとつで行うことが出来るようになっています。
PHPstorm(IDE)を使うことのメリットデメリット
便利な機能が盛りだくさんなPHPstorm。
IDEを使って開発することで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
統合開発環境なので、開発作業に用いるアプリケーションがPHPstorm内にほぼ全て備わっている
たとえばIDEを使わずにPHPアプリケーションの開発を行う場合、状況に応じて以下のアプリケーションを同時に起動することになるかと思います。
ブラウザ
エディタ
FTPソフト
ターミナル
DBクライアント
カラーピッカー …etc
PHPstormにはこれらのアプリケーションの機能が備わっているため、状況に応じて複数のアプリケーションを行ったり来たりする必要がありません。
すべてPHPstormで出来てしまいます。
IDEを使わずに開発すると色々なウィンドウを開いて作業をすることになり、画面がごちゃごちゃしますが、PHPstormを導入してしまえば解消されます。
シンタックスハイライトやコード間のジャンプ等、PHPのコーディングをサポートする機能が充実している
シンタックスハイライトにより、シンタックスエラーの発生に気が付きやすくなり、エラーを最小限に抑えることが可能です。
またプロジェクト中のコード間ジャンプ機能により、実装済の機能の確認や修正も素早く簡単に行えます。
コード補完性に優れ、エラーを防ぐことが出来る
PHPの基本構文だけではなく、各種フレームワークにまで対応しているため、コーディング作業のタイピング量や入力ミスが減ってコーディングが楽になります。
デメリット
機能が充実し過ぎていて、覚えることが多い
IDEあるあるですが、とにかく便利機能が充実しているため覚えきれません。
初期設定を変更してより自分好みにカスタマイズできたり、ショートカットでより便利にしたりと出来ることは山ほどあるのですが、最初は機能の多さ故にひとつずつ機能を覚えていく必要があります。
開発現場は常に学びの場であり、普段からも新しい技術にアンテナを張っておかなければならないエンジニア業ですが、IDEの活用にも同じことが言えます。
年額or月額払いのサブスクリプション方式であること
PHPに対応したIDEは他にもあります。その中でもEclipseやAtomIDEなどは無料ソフトウェアです。
それを考えると、月額¥2,290のPHPstormは決して安くはないです。
ただ、30日間の無料体験用のライセンスキーが用意されているため、使い勝手を確認してから導入するかを決めることが出来ます。
気になった方は無料体験でPHPStormを使ってみる事をおすすめします。
※ただし12か月連続で支払うことで特定バージョンに対する「永久予備ライセンス」を得ることができたり、2年3年と使い続けることで割引されたりするなどの特典があります
PHPstormのインストール方法
PHPStormはJetBrains社のWebサイトからダウンロードすることが可能です。
Windows、macOS、Linux版の3種類が用意されています。
ご自身の環境にあったインストーラーをダウンロードしてください。
ここでダウンロードしたものは、無料体験用のライセンスキーを利用して起動することが可能です。
今回はmacOS版についてご紹介しますが、他のOSでもインストーラーが提示する手順通りに進めることで簡単にインストール出来ます。
インストーラーの入手
まずはダウンロードページにアクセスしましょう。
ご自身の環境にあったOS名を選択して「ダウンロード」ボタンを押します。
今回はmacOSを選択してダウンロードしました。
インストール実行
ダウンロードしたインストーラーを起動します。
インストーラーが示す通り、Applicationsフォルダにファイルをコピーします。
これでインストール完了です。
PHPstormの日本語化
PHPStormは公式では日本語に対応していません。
日本語に訳した画面で作業を行いたい場合はPleiadesというツールを使う必要があります。
Pleiadesはオープンソースとして無料公開されている、アプリケーションを日本語化するためのツールです。
公式サイトでも日本語化の手順が紹介されているため、参考にしてください。
今回はmacOSの場合を例に紹介します。
インストーラーの入手
まずはこちらのサイトからインストーラーをダウンロードしましょう。
ここでもご自身の環境に合わせたファイルをダウンロードする必要があるため、注意してください。
zipファイルのダウンロードが終わったら、任意の場所で解凍します。
解凍したファイルの中に「setup.app」というファイルがあるので、こちらを起動しましょう。
プラグインのセットアップ
「Pleiades 日本語化プラグインのセットアップ」という表題のウィンドウが開きます。
「日本語化するアプリケーション」の欄で「PHPStorm」を選択し、「日本語化する」をクリックしましょう。
ここまで終えてからPHPStormを起動すると、日本語化されているはずです。
便利機能紹介
前述の通りとにかく便利な機能が多いため、特に便利だと感じている機能をいくつか紹介致します。
興味を持って下さった方は是非インストールして利用してみてください。
デプロイ機能
ファイルをリモートサーバへアップロード・ダウンロードする機能です。
PHPStormでは「開発環境」や「本番環境」等をメニューから選んで、差分を比較してから、アップロード・ダウンロードできるのが魅力的です。
Gitのように内容を比較しながら差分を取り込む機能が特に便利と感じます。
サーバー上のファイルと、PHPStorm上のプロジェクトとをまったく同じ状態に保ちたい場合は「自動アップロード」という機能が役に立ちます。
自動アップロードの設定をしておくと、IDEで変更が発生した時に自動でデフォルトデプロイサーバーにデプロイされます。
参考サイト:チュートリアル: PHPStormでデプロイ
LiveTemplates機能
宣言やforeach文など、PHPのコーディングをしていく中で頻出する構文は、ライブテンプレートを使用することで簡単に書くことができます。
ライブテンプレートは公式で提供されている以外にも、自分で登録して拡張していくことが出来ます。
たとえば、「fore」と入力した後にEnterキーを押すだけで
foreach ( as $index => $item) {
}
と変換してくれます。
どのプロジェクトでも頻繁に使うコードというのはありますから、それらを予め登録しておくことで手間を省くことが出来ます。
参考サイト:ライブ・テンプレート
まとめ
PHPStormの魅力は伝わったでしょうか?
今回はあくまで一部の機能紹介に留めましたが、便利な機能他にもたくさんあり、未だに新機能の発見があるため、使えば使うほど開発作業が快適になっていくのを感じています。
もし他の未使用の方や他のIDEを利用されている方は、ぜひ一度インストールしてみてください。
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