Googleがスパムレポートを変更!変更内容とスパムレポートの使い方
2020.09.24
Googleがスパムレポートについての仕様を変更したと発表しました。しかし、そもそもスパムレポートとは一体なんなのでしょうか。スパムレポートの使い方はもちろん、スパムとは何か、何をするとスパムに認定されるのかなど、スパムとスパムレポートについて解説します。
スパムとは?
スパムレポートについて説明する前に、まずスパムとはどのようなものなのか、という点について知っておく必要があります。
スパムとは、もともとは大量に、かつ無差別に送信されてくる迷惑メールのことを指す言葉でした。しかし、インターネットの発展に伴い、本来の意味とは別に色々な意味を持つようになりました。
やがて、インターネットに関連する迷惑行為を全て総称してスパム、と呼ぶようになりました。前述の迷惑メールは、現在ではスパムメールと呼ばれています。スパムメールはスパムという行動の一端に過ぎません。
現在はSNSの発展や個人ブログの隆盛などに伴い、LINEやTwitterなどのSNSに誘導リンクやフィッシングサイトへのリンクを貼るスパムや、個人サイトのコメント欄に誘導リンクのコメントをするスパムなどが登場するようになりました。
近年は特にLINEなどのSNSでのスパムや、検索順位を上げるためのSEOスパムなども登場しており、スパム行為と呼ばれる行為ひとつでも様々なやり方に広がっています。
Googleとスパムの関係性
Googleはこのスパム行為に対して、様々な取り組みを行っています。そのうちの一つが、スパムレポートと呼ばれるスパムの報告機能です。
この機能は、ユーザーがスパムだと感じたページをGoogleに報告できる、という機能になっています。スパムのなかには検索順位を上げたいがために、リンクやコメントなどの様々なスパムを駆使して検索順位の上昇を狙っているものがあります。
このようなページにユーザーが騙されてしまうと、個人情報を抜き取られたり、詐欺に遭ったりするだけではなく、Google検索という検索自体のユーザーエクスペリエンスを落としてしまうという事態にもつながりかねません。そのため、スパム行為やブラックハットSEOと呼ばれるこれらの行為に関して、Googleは特に厳しく対応しています。
スパム対策は難しい?
しかし、スパム対策を行っているからといって、スパムが無くなるというわけではありません。特に自動生成されたページやページの無断複製、転載などのスパムは近年では特に増加傾向にあり、Google検索を行うユーザーの利便性を損ね続けています。
Googleはこれらのスパムを2019年には前年と比較して60%減少させることに成功したと発表していますが、それでも取り切れないスパムが出てきてしまっているのが現状です。(参考URL:https://webmaster-ja.googleblog.com/2020/06/google-2019.html)
スパム対策は、対策しても対応しきれずにすり抜けてしまうものがどうしても出てきてしまいます。では、スパムによる被害をより多く防止するために、Googleはどのような取り組みを行っているのでしょうか。
スパムに対抗するためにはより精度の高いスパム検出が必要
Googleはスパム対策をほとんど自動化しており、スパム対策はほぼスパム対策用のプログラムによって行われています。しかし、完全に検索結果からスパムを取り除けるというわけではありません。
スパムを仕掛ける側もスパム対策に対して対策を行ってきている、というのが現状です。そのため、Googleが行っているスパム対策に対抗するための手段をいくつも講じてきます。そして、そのようなスパムにGoogleが対抗するためには、スパムを仕掛けている側よりも精度の高いスパム検出のためのプログラムが必要となります。
しかし、スパムに対抗するためにいくらプログラムの検出精度を上げても、スパムを仕掛ける側はすぐにこのプログラムに検出されないスパムを考案してきます。このままでは、Googleとスパムを仕掛ける側のいたちごっこになりかねません。
そこで役立つのが、手動によってスパムの報告をしてくれるユーザーの存在です。スパムだと思ったページを通報できる「スパムレポート」の存在が、スパムを取り締まるための重要な一手となっているのです。
スパムレポートとは?
スパムレポートとは、スパムを手動で報告できるGoogleの機能のことです。
その名前の通り、スパムであると判断したページがあった場合、Google側に「このページはスパムである」と報告することができます。
もちろんGoogleは毎日世界中から届くこのレポートを参考にしてスパム対策に取り組んでいますので、Googleのスパム対策としてこのスパムレポートが一定の成果を上げていることは間違いありません。
実際にGoogleの2019年度のスパムレポートの報告記録では、2019年にGoogleが受けたスパム報告は約23万件、そのうちの82%に何らかの措置を講じたということを公式ブログにて発表しています。(参考URL:https://webmaster-ja.googleblog.com/2020/06/google-2019.html)
スパムを報告して検索の精度を上げる
このように、Googleは自動プログラムでスパムを検出する傍らで、ユーザーからの主導によるスパム対策にも力を入れています。スパムを発見した際は、Googleのスパムレポートに報告しておくことで、Google検索をより安全に利用するために役立てることができます。
Googleによるスパム対策は年を追うごとに性能が上がっており、2019年度のスパムレポートの報告記録では2018年度に比べて60%減少しています。しかし、その一方で新たなウェブスパムも新しく発生しており、完全にスパムを抑え込むことはできていません。
そのため、ユーザーからのスパム報告のデータはGoogleにとって貴重なものです。スパムを報告するのは少し手間ですが、Googleの検索制度向上のためにも、スパムを発見したらスパムレポートに報告してあげるのが良いでしょう。
スパムレポートの使い方
では、どのようにGoogleにスパムを報告すれば良いのでしょうか。スパムレポートは、誰でも簡単にスパムの報告ができるようになっています。スパムの報告と聞くと何やら難しそうに感じますが、そんなことはありません。
まずはGoogleのサーチコンソールから、スパムレポートにアクセスします。Googleの検索窓に直接「スパムレポート」と打ち込んで検索しても同じ画面にたどり着くことができます。
Googleのスパムレポートは、以下のような画面になっています。
ページにアクセスすると、スパムの種類を選択できる画面が出てきます。この中から当てはまるものを選ぶと、それぞれGoogleにスパムを報告できるページに移動します。
今回はウェブスパムを報告というボタンを押してみました。
ウェブスパムを報告というボタンを押すと、スパムを報告できるページに移動します。スパムが疑われるページのアドレスを入力し、問題のある検索キーワードという欄に検索キーワードを入力します。
その他、Googleに報告しておきたいことも150字以内であればGoogleに報告することが可能です。
最後に「私はロボットではありません」という欄にチェックを入れ、ウェブスパムを報告というボタンを押せば、簡単にウェブスパムの報告が完了します。
スパムレポートは誰でも簡単に使用できる
Googleのサーチコンソールに登録していないからスパムレポートが使えないかもしれない、と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなことはありません。
Googleのスパムレポートは確かにサーチコンソールの機能の一つですが、サーチコンソールに登録をしていない人でも簡単に利用することができます。
サーチコンソールに登録していない場合は、Google検索の検索窓に「スパムレポート」と入力して検索するだけでスパムレポートの報告ページに移動することが可能です。より多くのデータを回収するために、誰でも簡単にスパム報告ができるようになっています。
スパムレポートの変更点
2020年7月、Googleのスパムレポートに関する「品質に関するガイドライン」が改訂されました。そのガイドラインによると、以前は手動によるスパムレポートの報告には手動で対応をしていたのですが、これからはプログラムのアルゴリズムの改善にスパムレポートを役立てる、といった趣旨の文章に改訂されています。(参考URL:https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja#quality_guidelines)
手動での対応からアルゴリズム改善への切り替えに変更になることで、2020年度のスパムレポートがどのような結果になるのかはまだわかりません。しかし、より良いユーザーエクスペリエンスのために、Googleがユーザーからのスパムレポートをこれからも取り入れていくのは事実のようです。
まとめ
スパム、と聞くとあまり耳馴染みのない言葉かもしれませんが、実はスパムは日常にあふれています。また、スパムと一口に言ってもマルウェアやフィッシング、検索順位の操作など、その種類も実に多岐に渡ります。
もしウェブを見ている時に、このサイトは変だな、と感じたら、Googleのスパムレポートに報告しておくのが良いでしょう。Googleはより良い検索結果を提供するために、スパムの撲滅に向けて日々努力しています。
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