リターゲティング広告とは?仕組みや強み、始め方などを解説
2025.01.14
インターネットのサイトを閲覧しているとき、過去に見たサイトの情報や、通販サイトの商品の情報が流れてきたことはないでしょうか。実はこの広告形態はリターゲティング広告と呼ばれているもので、数あるweb広告の中でも費用対効果が比較的高いという特徴があります。では、リターゲティング広告はどのような特徴を持っていて、どのように活用すれば効果的なのでしょうか。リターゲティング広告について詳しく解説します。
リターゲティング広告とは
リターゲティング広告とは、簡単に言うとサイトを一度訪れた人に、再度広告を表示するタイプのweb広告のことです。
通販サイトなどを閲覧した後に、その通販サイトで見た商品の情報がバナーなどの広告になって流れてきたという経験はないでしょうか。その仕組みこそがリターゲティング広告と呼ばれているものです。
リターゲティング広告とは、一度サイトを離脱したユーザーに対して、再度同じものや類似品の情報を表示することでコンバージョンの獲得を狙うという特性を持った広告であると言えるでしょう。
リターゲティング広告の仕組み
リターゲティング広告は、ブラウザの「cookie(クッキー)」という機能を利用して表示させています。
cookieとは、ブラウザ側がwebサイト側から入力された情報を保存したり、IDやパスワードの管理をしたりするための機能で、リターゲティング用のタグが付いているサイトを訪問したユーザーにcookieを付与します。
そして、その付与されたcookie情報を元に、ユーザー毎に適した広告を配信するという仕組みがリターゲティング広告です。
そのため、リターゲティング広告がしつこいと感じたら、一度ブラウザに保存されているcookieの情報を削除すると、広告がしつこく表示されることはなくなります。
ただし、cookieを削除すると、サイトにログインする際に自動で入力されていたIDやパスワード、買い物の途中で離脱してしまった通販サイトのカートの情報などが消えてしまうことがありますので注意しましょう。
リターゲティング広告の種類
リターゲティング広告には、大きく分けて4つの種類があります。種類ごとに見ていきましょう。
オーディエンスターゲティング
人をターゲットにしてリターゲティング広告を配信するという手法です。リターゲティング広告の中で最もよく使われている手法がこれです。
例えば、Aさんという人がバッグを通販サイトで見ていたとしましょう。このAさんのcookieにタグをつけてリターゲティング広告を配信すると、Aさんが使っているブラウザには、通販サイトを離脱した後もバッグの情報が掲載された通販サイトのバナーや、バッグの広告のバナーが流れてくるようになります。
このように、人に対象を絞ってリターゲティング広告を配信するのが、オーディエンスターゲティングです。
コンテンツターゲティング
その人が見ているものと連動したリターゲティング広告を表示させるのがこのコンテンツターゲティングです。
例えば、スキーに行きたいと思ってスキー場やホテルの情報を調べている人がいたとしましょう。その人に他のスキー場の情報や、スキー場の近くにあるアクティビティ施設の広告を流したら、他の人よりも興味を持ってくれる確率は確実に上がるでしょう。
このように、その人が見ていたものと連動するような情報を持っているリターゲティング広告を流すのがコンテンツターゲティングの特徴です。
デバイスターゲティング
アクセスしてきた人のデバイスによってリターゲティング広告を出すという手法です。
例えば、スマートフォン向けのアプリの広告を出したい場合、PCやタブレット端末からアクセスしてくる人よりも、スマートフォンからアクセスしてくる人に広告を配信したほうがより高いコンバージョンを狙うことができます。
このようにアクセスしてくる機器によって広告の表示を変えるのがデバイスターゲティングの手法です。
ジオターゲティング
その人が今いる地点の情報から、関連性の高い情報を持ったリターゲティング広告を配信するのがジオターゲティングです。もっと簡単に言うと、特定の場所に今いる人や、特定の場所に向かおうとしている人を対象にしたリターゲティング広告です。
例えば、今新宿にいて飲食店を探している人に、新宿の飲食店の情報を提供するサイトのリターゲティング広告を流したり、新宿に向かおうとしている人に新宿の店舗の情報を流したりすることをジオターゲティングと呼びます。
店舗というオフラインの場に集客することができることから、現在注目が高まっている手法でもあります。
リターゲティング広告の強みと弱み
便利なリターゲティング広告ですが、実は強みばかりではありません。長所と短所を知ったうえで、効果的に使うことが大切です。
リターゲティング広告の強み
リターゲティング広告の強みは、なんといってもコンバージョン率の高さです。
潜在的な需要がありそうな顧客に絞って広告を出すので、他のリスティング広告などと比較してコンバージョン率が良いのが特徴です。皆さんにも、忘れたころに出てきた欲しいものの広告を思わずクリックしてしまったという経験はないでしょうか。
このように潜在的な顧客を掘り起こすことに長けているのが、リターゲティング広告の強みと言えるでしょう。
リターゲティング広告の弱み
では、リターゲティング広告の弱みとは何でしょうか。それは、「しつこい」とユーザーに思われてしまい、マイナスのイメージを与えてしまうことがあるという点です。
さらに、ユーザーに一度しつこいと思われてしまうと、広告を出しているサイトのイメージまで悪くなってしまいかねません。広告の表示頻度を適切に調整するなどして、ユーザーに悪い印象を与えないようにすることが大切です。
リターゲティング広告の費用対効果
では、リターゲティング広告の費用対効果は実際のところどうなのでしょうか。リターゲティング広告の効果的な活用方法と共に解説します。
リターゲティング広告は費用対効果が良い?
リターゲティング広告は費用対効果が良いとよく言われます。その大きな要因となっているのが、リターゲティング広告が潜在的な顧客にアプローチするタイプの広告であるという点です。
検索結果に関連した広告を出すリスティング広告と違い、リターゲティング広告は一度そのユーザーが閲覧しているcookieの情報を元にして広告を配信しています。
そのため、一度はサイトにアクセスしている、その商品や情報に一度は興味を持ったことが分かっているユーザーに直接アプローチしているということになります。
リスティング広告は検索結果の時点でクリックされなければそれでおしまいですが、リターゲティング広告はその後も継続してユーザーにアプローチを続けるため、他の広告と比較して興味を持ってもらいやすい構造になっているのです。
▼リスティング広告については下記の記事で解説しています。
リスティング広告はなぜ必要?その役割とSEO対策との使い分け
リターゲティング広告の活用方法
リターゲティング広告を上手に活用するには、広告の種類と頻度を考えて広告を出すことが大切です。
例えば洋服の通販サイトの広告を出したいのであれば、そのサイトにアクセスしてくれたユーザーに広告を出すのが最適でしょう。しかし、東京にあるホテルの広告を出したい場合は、東京の他のホテルの情報を探しているユーザーにも広告を配信したほうが効率的かもしれません。
このように、何をどのようなユーザーにアピールするかということを考えて広告を出すことで、より高いコンバージョン率に繋げることができるようになります。
リターゲティング広告の始め方
リターゲティング広告を始めたいけれど、どこに出したらいいのかわからない……そんな方のために、リターゲティング広告の始め方について解説します。
まずはGoogleとYahooに出稿するのがおすすめ
リターゲティング広告を始めたい場合、まずはGoogleとYahooに出稿するのがおすすめです。リターゲティング広告は、提携先のネットワークを持つ広告サービスに対して広告を依頼し、そのネットワーク内の広告出稿エリアに広告が出る、という形式を取っています。
Googleが提供している「GDN(グーグルディスプレイネットワーク)」、Yahooが提供している「YDN(ヤフーディスプレイアドネットワーク)」の二つに出稿しておけば大部分はカバーできますので、この二つにまず広告を出稿するのがおすすめです。
「リスト管理」でしつこくない広告を
リターゲティング広告を出す対象となっているユーザーの一覧のことを「リスト」と呼びます。このリストを管理することで、しつこくない、ブランドイメージを損なわないリターゲティング広告を配信することが可能です。
リストは一定の条件で作成することが可能で、「サイトにアクセスしてきたユーザー」「コンバージョンに至らなかったユーザー」など、様々な条件を設定することができます。
あまり欲張って多くのユーザーにリターゲティング広告を出してしまうと「しつこい」「怖い」という印象を持たれがちですので、複数の条件を設定するなどして、リストの条件をある程度絞って設定するのがおすすめです。
まとめ
サイトを改善してもなかなかコンバージョンに繋がらないと悩んでいる場合、リターゲティング広告がコンバージョン率の上昇に一役買ってくれるかもしれません。
あと一押しでコンバージョンに繋がるのに、というあと一押しを買って出てくれる広告がリターゲティング広告です。潜在的な顧客にもっとアプローチしたいと考えている場合や、コンバージョン率が伸び悩んでいる場合に、ぜひ一度リターゲティング広告を試してみてください。
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