どちらが有利?SEOから見る「絶対パス」と「相対パス」

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2019.07.18
どちらが有利?SEOから見る「絶対パス」と「相対パス」

 

サイト構築の際のリンクの貼り方には、主に「絶対パス」と「相対パス」の二種類があります。

SEOに有利なのはどちらなのでしょうか。リンク設置方法によるSEOへの影響と、SEOに有利なリンク構築方法について解説します。

サイト内のリンクの書き方には二通りある

Webサイトを構築する際のリンクの書き方には、「絶対パス」と「相対パス」という二つの書き方があります。リンクの繋がる先は同じでも、書き方の違いによってそれぞれのメリット・デメリットがあるだけでなく、場合によってはSEOの結果にも影響を及ぼしてくることがあります。

サイト構築時に使われる「絶対パス」と「相対パス」について解説します。

「絶対パス」とは

「絶対パス」とは、リンク先のURLを全て指定してパスを記述する方法です。

http://から始まるページのURLを全て指定してパスを記述するので、リンク切れに強いという特徴があります。

また、外部サイトへのリンクを指定したい場合は絶対パスでないと記述することができません。

絶対パスは記述する文字数が相対パスよりも多く、またドメイン変更などでサイトURLが変わると、もう一度パスを記述しなおさなければならないという欠点があります。

「相対パス」とは

相対パスとは、リンクを記述するページから見て、リンク先のファイルがどの階層にあるか、という情報を記述してリンク先を指定する方法です。

そのため、記述するページによって毎回書き方が変わります。(階層が同じ場合は変わりません)

相対パスは同じドメイン内にページファイルがないと指定することができないので、絶対パスのように外部サイトへのリンクを記述することはできません。しかし、同じフォルダ内にページファイルがあれば、絶対パスよりも少ない文字数でパスを記述することができます。

また、絶対パスと違い、ドメインの部分を指定しない形式でリンクを貼っているので、サイトの構造が変わらなければ、ドメイン変更をしてもリンクを貼りなおす必要がありません。

SEO対策としてはどちらが有利?

絶対パスと相対パスのどちらを採用するかは、開発環境や規模によっても変わってきます。では、SEO対策をする上で、絶対パスと相対パスの差による影響はあるのでしょうか。

実は両者には大きな差はない

実のところ、絶対パスと相対パスの間にはSEOにおける大きな差はないと言われています。

その理由は、どちらの記述方法を採用していたとしても、サイト内でリンクがきちんと繋がってさえいれば、クローラーによる巡回に支障がでないからです。

ただし、Googleはウェブマスターヘルプのページにおいて、可能であれば絶対パスを推奨する、と発表しています。(参考URL:https://support.google.com/webmasters/answer/35156?hl=ja

Googleヘルプページにて絶対リンクを推奨

なぜ「絶対パス」が推奨されるのか

絶対パスと相対パスではSEO面での差異はないとされているにも関わらず、なぜGoogleは絶対パスを推奨しているのでしょうか。

その理由として、相対パスは絶対パスと比較してリンク切れを起こしやすい記述方式である、という点が挙げられます。

URLを完全に記載する絶対パスとは違い、相対パスはページファイルの位置のみを指定する記述方式を取っています。そのため、記述する文字数は相対パスのほうが圧倒的に少なく済みますが、リンクを記述しているリンク元のページファイルを階層を越えて移動させてしまいますと、リンク切れを起こしてしまうという欠点も同時に発生してしまうのです。

ページがリンク切れを起こしていると、クローラーが正しくページをたどることができないだけではなく、リンク切れでページが閲覧できないことによってユーザーの利便性まで低下してしまいます。そして、サイトがユーザーに親切ではないとアルゴリズムに判断されてしまうと、サイトの評価の下落につながることもあります。

そういった事態を防ぐために、可能な限り絶対パスでの記述が推奨されているのです。

ただ、相対パスでも問題なくリンクの管理ができれば、こちらの記述方法でもなんら問題ないため、相対パスが要因で検索順位が上がらないということや、検索順位が下るということはございません。

「絶対パス」はページ盗用対策にもなる

また、絶対パスを採用するもう一つの利点として、ページ盗用対策にもなるという点があります。

相対パスは、ディレクトリの構造を保ったままの状態でサイトを丸ごと盗用してしまえば、そのままリンクとして機能させることができます。そのため、非常にサイトの盗用がしやすいという欠点を持っています。

サイトを盗用するだけでなく、悪質なブラックハットSEOを使って本来のサイトよりも上位にコピーしたサイトを表示させ、サイト訪問者を誘導するなどのポイズニングに利用されることも可能性として考えられます。

その点、絶対パスも盗用は防げませんが、万が一盗用されたとしても、URLを全て修正しない限り、リンク先はオリジナルサイトのページとなります。オリジナルサイトへの被リンク状態になるページをわざわざ盗用するのは手間がかかるので、相対パスよりも盗用のリスクが少なく済むというのが大きな理由です。

開発時に相対パスを使う場合の注意点

絶対パスが推奨されているとはいえ、開発の環境や状況によっては、相対パスを使いたいという場面も発生してきます。

サイト構築時に相対パスを採用する場合は、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。

リンク切れになっていないかをきちんと確認

相対パスは絶対パスよりもリンク切れを起こしてしまう可能性が高いので、サイト構築時にリンク切れを起こしているパスがないか絶対パスでのサイト構築時よりもチェックを怠らないようにしましょう。
リンク切れはSEOに悪い影響を及ぼすのはもちろん、サイトに来たユーザーの利便性も損ねてしまいます。ミスなくパスの記述を行うのはもちろんですが、リンク切れチェックツールを利用してリンクの確認を行い、重要なリンクについては目視でリンク切れがないかをきちんと確認しましょう。相対パスはディレクトリ内でパスを記述するので、ローカルのPCでもリンクがきちんと繋がっているかどうかが確認できます。

サイト内の構成を変えるときには要注意

相対パスの記述は合っているのにリンク切れが出ている、という場合、サイト内の構成を変更したのにパスの記述が以前のままになっている可能性が高いです。

相対パスの場合、パスの記述を変更しないでサイト内の構成を変更してしまうと、意図しない場所にリンクしていたり、リンクが切れてしまったりといったことがよく起こります。

そのため、サイト内の構成を変更するときは、必ず相対パスの指定先を確認し、リンク切れを起こすことがないように確認しながら作業を進めましょう。

相対パスの場合は、リンク元のファイルも、リンク先のファイルも階層が変わった場合は、その都度書き直す必要があるので、注意しましょう。

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クローラーよりもサイト利用者の利便性を第一に

Googleはwebマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)において、「検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。」という基本方針を発表しています。(引用元:https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja

クローラーがサイトを巡回しやすくするのも大切ですが、最も大切なのはサイト利用者の利便性を第一に考えることです。リンク切れのチェックはもちろん、パンくずリストや見やすいレイアウトなども工夫して、ユーザーにとって使いやすいサイトを構築していくことが最も大切です。

まとめ

相対パスと絶対パスの間には、SEOの有利不利はありません。しかし、リンク切れを起こしやすい、盗用でもそのまま動いてしまうといった相対パスのデメリットから、なるべく絶対パスを使用することが推奨されています。

相対パスを使用する際は、リンク切れや盗用のリスクなどのデメリットを把握したうえで使用すると良いでしょう。開発環境や状況によってパスを使い分け、ユーザーにとってより利便性の高いサイトを作ることが最も重要です。

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