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Googleは2020年11月から米の英語検索に対し、新しいランキングシステムとしてPassage Indexingを導入すると発表しました。本記事では、パッセージインデクシングが検索結果に与える影響や日本語への導入時期、今後のコンテンツ作りのヒントなどを解説します。
目次
Googleは10月15日に実施した公式オンラインイベント「Search on 2020」で、Passage Indexing(パッセージインデクシング)という検索の新機能について発表しました。
Google公式アナウンスの詳細については、下記の動画で一般公開されています。
Passage Indexingとは、Googleが米の英語検索を皮切りに2020年11月から導入を決定した新しい検索機能です。
まずは、注目すべき3つの特徴について見てみましょう。
▼Passage Indexingの概要
つまり、たとえクエリと関連性が低いページでも、ジャストマッチした一文があれば検索順位に反映されるようになるのです。
Googleがインデックスしたコンテンツに対し、検索順位の評価対象として位置づけているのが「検索クエリとの関連性」です。
検索クエリとの関連性が高いコンテンツほど上位に、低いほど下位に表示される仕組みになっています。
ここで問題となるのがランキング評価の範囲!Passage Indexingの導入によって検索システムが変更され、「ページ全体」ではなく「ページ内の一部だけ」で評価できるようになるのです。
▼ランキング評価範囲の違い
なお、「Passage」は日本語で「一節」または「一文」という意味です。
ページ全体を評価していた従来の方法では、網羅性の高いコンテンツが上位にランキングされていました。
たとえば、「SEO 対策」というスケールの大きなKWで検索すると、内部・外部対策を問わず、あらゆる方法を詰め込んだページが上位表示されます。
なぜなら、網羅性の高いコンテンツほど検索ユーザーの知りたい情報が見つかる可能性が高いと判断されていたからです。
ただし、よりニッチな情報をピンポイントで探しているユーザーにとっては、不便な面もありました。
たとえば、「1日で検索順位が上がるSEO対策」というKWで検索したのに、網羅性の高いコンテンツばかりが上位表示されていては、なかなか知りたい情報に辿りつけません。
反対に、ページの最後にほんの一文だけジャストマッチする情報が書かれていても、ページ全体として検索クエリとの関連性が低ければランキング下位に表示されてしまいます。
その点、コンテンツの一部だけを単独で評価するPassage Indexingであれば、一見クエリと無関係に思えるページでも、「ほんの一文だけ書かれた最も関連性が高い情報」を見逃さず、ランキングに反映してくれるのです。
下記Google SearchLiaisonのツイートでも、この点について言及されています。
With our new technology, we’ll be able to better identify and understand key passages on a web page. This will help us surface content that might otherwise not be seen as relevant when considering a page only as a whole….
— Google SearchLiaison (@searchliaison) October 20, 2020
範囲が限定的でニッチな検索クエリに対して効果を発揮するのが、パッセージインデクシングの強みです。
では、「旅行」や「運動」といった対象範囲が広いキーワードで検索した場合、従来であればクエリとの関連性が高いと評価されていた網羅性に優れたコンテンツは、どのような扱いになるのでしょうか。
結論から言うと、範囲が広いクエリはAIによって「サブトピック」で分類され、ユーザーごとに最適な答えが選べるようになります。
たとえば、「クリスマスディナー」と検索すると「メインディッシュ」や「デザート」のレシピ、「テーブルセッティング」などのサブトピックから、必要な情報を選べるのです。
もちろん、Passage Indexingが導入されるからといって、「網羅性の高い記事は評価が下がるのでは?」と心配する必要はありません。
ちなみに、「Search On 2020」 ではPassage Indexingの導入だけでなく、他にも新たな機能が発表されています。
興味のある方は、Googleのオフィシャルブログを参照して下さい。
名称に「Index」という単語が含まれているため、インデックスシステムが変更されると勘違いされた方も多いのではないでしょうか。
SEOコミュニティの間では、「コアアルゴリズムアップデートなのでは?」という意見も飛び交っていました。
しかし、Passage Indexingはあくまでランキング評価システムの改良であって、インデックス システムの変更でもコアアップデートでもありません。
Passage Indexing導入後も、従来通りページ単位でインデックスされます。
もちろん、「一文」または「見出し」ごとにインデックスされる訳でもありません。
Googleのジョン・ミューラー(John Mueller)氏は、2020年10月20日に行われたSEO office-hoursでPassage Indexingについて下記のように言及しています。
▼ジョン・ミューラー氏のコメント
現時点での予想では全体の7%が影響を受けるとのことですが、引き続き動向を追っていきたいと思います。
コンテンツの一部分にスポットを当てて評価する…と聞いて、「強調スニペットと同じでは?」という印象を持った方も多いでしょう。
この疑問点を解消すべく、Google内部スタッフ2人のコメントをピックアップしてみました。
まずは、Googleジョン・ミューラー(John Mueller)氏のコメントを見てみましょう。
11月10日に行われたSEOオフィスアワーに参加された同氏は、決定ではないと前置きしたうえでPassage Indexingについて下記のように言及しています。
▼ジョン・ミューラー氏の見解
一方、同じくGoogleスタッフであるマーティン・スプリット(Matin Splitt)氏は、Search Engine Journal 主催のウェビナーで下記のようにコメントしています。
▼マーティン・スプリット氏の見解
「協調スニペット=クエリの回答」であるのに対し、たとえPassage Indexingの対象になるほど関連性が高くても「ページの一部=クエリの回答」とは断定できない、と解釈できます。
さらに、ジョン・ミューラー氏と対照的だったのが「強調スニペットを使った検証」についてです。
ジョン・ミューラー氏が検証の可能性について肯定的だったのに対し、マーティン・スプリット氏は「強調スニペットの引用部分がPassage Indexingの対象となる可能性は否定できないものの、確証はない」と、やや否定的な口調でコメントしていました。
Passage Indexingの導入は、2020年11月にGoogleが拠点を置く米国の英語検索で最初に開始されることが決定しており、続いて他英語圏へと拡張される見通しです。
その後、多言語・他国への導入が予定されていますが、現段階で具体的な日時は発表されていません。
日本語検索への導入時期についても未定ですが、Googleから発表があり次第、改めてお知らせします。
結論から言うと、Passage Indexingの導入へ向けてコンテンツの作り方を変える必要はありません。
むしろ、今まで埋もれていたコンテンツがPassage Indexingによって再評価され、より上位にランキングされるチャンスとも言えるのです。
下記Google Search Centralのツイートでも、「クリエーターが対処すべき事柄は特にない」と明言されています。
There’s nothing special creators need to do here. Continue to focus on great content, with all the advice we offer: https://t.co/gcM0rvYaFb
It just means in some cases, we may now do a better job of surfacing content, no work required on the part of creators.
— Google SearchLiaison (@searchliaison) October 20, 2020
ちなみに、上記でご紹介したSEO office-hours(10月20日)では、参加者の質問に対してジョン・ミューラー氏が下記のように回答されています。
▼質問:「準備としてPassage Indexingの最適化は可能ですか?」
つまり、今後も従来のSEO対策と同様に「分かりやすい見出し」でシンプルに構成化されたコンテンツ作りが有効と考えて良いでしょう。
より繊細な検索が可能になるPassage Indexing。
「今すぐ答えが知りたい」と思っている検索ユーザーの満足度を上げるには、かなり効果的な改良となるはずです。
Web制作に携わっている側から見ても、想定外のKWから流入が見込めるかもしれません。
網羅性だけでなく、よりユーザーニーズを深掘りしたニッチな情報もコンテンツに盛り込んでみてはいかがでしょうか。